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Transcription
- 城壁のハチコ:
ご主人様!ご主人様~!
ハチコがご主人様に新しいものを食べさせたくて一生懸命準備しました! - 主人公:
- ハチコの健気な気持ちは十分伝わってきた。
しかし俺はまだ食欲がわかない…。 - 主人公:
- いらないという意味で手を振る俺の手首は
驚くほどに細くなっていた。いつの間に…。 - 城壁のハチコ:
ご主人様…好き嫌いは病気のもとです…
ご主人様が病気になってしまったらハチコは… - 主人公:
- 同じようなものはもう飽きたんだ。もっと変わったもの。
俺はもっともっと美味しいものが食べたい…。 - 主人公:
- このオルカに俺の気持ちを理解してくれる人が
誰もいないという現実に憂鬱になった…。 - 主人公:
- …一人にしてくれ…。
- 主人公:
- 艦長室に入ってドアに鍵をかけ一人になりたい。
誰も俺の心を解ってくれない…。 - CSペロ:
ご主人様?私が準備した料理をお召し上がりになる前に、
ソワンのお話をお聞きください。 - うん…話して。
- ソワン:
私はご主人様の食欲増進のためには「何か」が必要だと判断しましたわ。
- ほう…食欲がわくなら何でもいいぞ。
- CSペロ:
…はい。分かりました。
- 主人公:
- ペロは手早くエレガントな所作で俺の前に「紅茶」を差し出した。
- …飲み物か?
- 主人公:
- もうすでに食べ物を噛むことすら面倒だった俺は
ペロがくれた「紅茶」で何とか口を湿らした。すると… - 主人公:
- 豊かな香り!
- 主人公:
- おお!これは!?
- すごくいい香りだ!ペロ、なかなかいいじゃないか!?
- CSペロ:
これはすべて、衰弱していくご主人様のため…
私をお許しください…ご主人様。 - 主人公:
- 俺は紅茶を何度も飲みながらペロの言葉を頭の中で反芻した。
- 主人公:
- お許しください?どういう意味だろう…?
- 主人公:
- 紅茶の香りの中からやけに馴染み深い香りが鼻をついた。
- こ…これは!まさか!?
- 主人公:
- 俺はティーカップを落とした。
それが割れる音と共にペロの言った「お許しください」が 何を意味するのかやっと気付いた…。 - 主人公:
- しかし、時すでに遅し…。
まぶたが重くなると同時に我慢できないほどの空腹が訪れた。 - ソワン:
…私はご主人様の前で誓ったため、
もうあの「お茶」を差し上げることができませんでしたわ。 - ソワン:
しかし…「ペロさん」であれば…いかがでしょう?
- CSペロ:
ご主人様はそのような些細なことを気にする方ではありません。
- 主人公:
- ペロは髪を整えながら知らん顔。
- ペロ…お前もか…!
- 城壁のハチコ:
ええ…?どういうことですか…!?
- 城壁のハチコ:
…ご主人様!ご主人様!?ハチコのミートパイ…
一口いかがですか? - 主人公:
- あぁ…ミートパイ…俺が最も愛する料理…
- …ミートパイ…もう一つくれ。
- 城壁のハチコ:
ご主人様が元気になってくれて嬉しいです!
ハチコがもう一つ用意してきますね! - CSペロ:
ご主人様?ステーキもお好きですよね?
- うん…ステーキ…愛してる…
- CSペロ:
はい。すぐに準備してきます。ご主人様。
- ソワン:
…ご主人様?
- あ…ソワン
- ソワン:
ご主人様は私たちメイドの命よりも大事な存在ですわ。ですから……
- ソワン:
是非とも彼女たちが丹精込めて作った料理を召し上がって
健康を取り戻していただき… - そうだね…
- ソワン:
料理は文句言わず…全て食べていただきますわ。
- 主人公:
- 俺の好き嫌いはこの日を境になくなった。