シーンビューアの使い方

  1. 背景画像・セリフ下のNEXT・選択肢をクリックでセリフ送り
  2. 過去のセリフの選択肢・BACKをクリックでログジャンプ
主人公
- 何者かが暗闇の中からよろよろと姿を現した。が、構えていたスノーフェザーの前でパタリと倒れた。

Transcription

  1. 主人公:

    - 何者かが暗闇の中からよろよろと姿を現した。が、構えていたスノーフェザーの前でパタリと倒れた。

    1. な、なんだ?
  2. スノーフェザー:

    初めて見る方です。それに認識番号もありません。

  3. スノーフェザー:

    とりあえずお姉様たちを呼んできます。

    1. 非常事態の通知もした方がよさそうだな。
  4. 主人公:

    - オメガとの一戦があって以来、対バイオロイドの警戒を大幅に強化している。

  5. 主人公:

    - 救助したバイオロイドに対してもドクターが監督のもと、徹底した検査を行うことにしたし、オルカ号自体の警戒態勢も強化している。なのに、それを突破して侵入してくるとは…

  6. ??:

    うっ…

  7. スノーフェザー:

    動かないでください。

  8. 天香のヒルメ:

    妾は…戦うつもりはない…

  9. 天香のヒルメ:

    ただ…

    1. ただ?
  10. 天香のヒルメ:

    み…水が欲しい…

  11. 主人公:

    - それを聞くと、俺の前に立ってくれているスノーフェザーがチラッと振り返った。

    1. 飲ませてやろう。だけど、警戒は続けて
    2. ダメだ。危険だ。
  12. 主人公:

    - 俺がそう言うと、スノーフェザーはここに保管されている水のボトルを取り出し、投げて渡した。

  13. 天香のヒルメ:

    んきゃっ!?

    1. ……
  14. 主人公:

    - 怪しいバイオロイドは受け取る力も残ってないのか、投げたボトルが頭に当たり転がっていく。それを慌ててひっ掴むと、蓋を開けた。

  15. ??:

    ごく、ごく…ごく…

  16. ??:

    ぷふぁぁぁぁぁ…い、生き返った…

  17. ??:

    そ、そんな…

  18. ??:

    …無理もない。突然現れた者をそう易々と信用できぬだろう…

  19. ??:

    紹介が遅れた。妾は天香のヒルメ。

  20. ??:

    この船でしばらく世話になってお…あっ…

  21. 主人公:

    - ヒルメは立ち上がろうとしたが、フラついてそのまま地面に座り込んだ。

  22. ??:

    ご主人様~ご無事ですか~?

  23. ポイ:

    ポイが駆けつけまし…ミャミャッ…!?

  24. ポイ:

    イニャァ~ン、初めましての方なのに~、もうご主人様のあ・れ・で…ヤッちゃったんですか~?

    1. …………他のみんなは?
  25. ポイ:

    精密スキャンの結果、身元不明の生体反応はその子だけなので、外から倉庫を封鎖中で~す。

  26. ポイ:

    その子のお相手はこのポイ一人で十分ですから……ネッ!

  27. 天香のヒルメ:

    ひっ…!?

  28. 主人公:

    - 瞬く間に接近したポイは、ヒルメの首に鋭い爪を突き付けた。

  29. ポイ:

    どうしますぅ?ご主人様が尋問されますか?

  30. スノーフェザー:

    外のお姉様から連絡です。現在、安全が確保されている場所はこの倉庫だけとのこと。しばらくここにいた方がよさそうですね。

    1. わかった。では…
  31. 主人公:

    - ポイに一瞬で制圧され、ぶるぶる震えているヒルメ……危険そうには見えない。

  32. 主人公:

    - しかし、だからといって油断はできない。洗脳のような手段を用いてくるかもしれない。

    1. ここにはどうやって入ってきた?
  33. 天香のヒルメ:

    ……

  34. ポイ:

    言いたくないなら言わなくてもいいですよぉ?

  35. ポイ:

    ご主人様はぁ、数分もあればあなたをと~っても正直な子にしてくれますから…それとも、口を閉じたまま天国にイッちゃいますぅ~?

    1. ポイ、静かに。
  36. ポイ:

    ニャハハッ!は~い。

    1. 話してくれ。お前が敵か味方かわからないと収拾がつかない。
  37. 天香のヒルメ:

    ……

  38. 天香のヒルメ:

    い、言わなかったら…どうするつもりだ…?

    1. さぁな。そうやって黙ってればわかるかもな?
  39. 主人公:

    - 敵かどうかもわからない状況で危害を加えるつもりはなかったが、脅しが効いたのかヒルメは息を呑んで、恐る恐る口を開いた。

  40. 天香のヒルメ:

    …この潜水艦が停泊中に…は、入った。

    1. 警備システムはどうやって突破した?
  41. 主人公:

    - 認証不可の生体反応が侵入すると、警報が鳴るシステムを増設したはずだが…?

  42. 天香のヒルメ:

    し、知らん。だが、妾は……

  43. 天香のヒルメ:

    誰にも会わぬまま入れた…。

    1. ………
  44. 主人公:

    - ヒルメが話したがらない理由が何となくわかった気がする。

  45. 主人公:

    - 言葉遣いからもわかるが、かなりプライドの高い性格のようだ…。こそこそと泥棒のように入ってきたことを、何が何でも認めたくないのだろう。

    1. それはそうと一体どうやって…あっ、まさか…
  46. 主人公:

    - 確か警備システムを増設したのは数か月前…アラスカでの戦い以降のことだ。ということは…

    1. どこに停泊してる時に潜り込んだんだ?
  47. 天香のヒルメ:

    アラスカという雪に覆われた地でだ。

  48. 天香のヒルメ:

    そ、それから…潜り込んだという表現は人聞きの悪い。ねずみや泥棒のように言わんでもらえるか。

    1. ふ~む。そうか…システムを増設する前だったか。
    2. そうか。あの時に、こそこそと入ってきたのか。
  49. 天香のヒルメ:

    うぐぐぐぐっ…!

  50. 主人公:

    - あの時は警備システムを増設する前だったし、そもそも戦闘も激しかったせいでオルカは正直、警戒がどうのこうのと言える状況ではなかった。

  51. 主人公:

    - それにその後もあれやこれやと事件が連続して大変だったから、気付けなかったのも仕方ないかもしれない。

    1. どうやって数か月も隠れていられたんだ?
  52. 天香のヒルメ:

    ………それは、だ。

  53. 主人公:

    - 泳いでいたヒルメの視線が、床に散乱している補給品だったものに止まった。

  54. C-33アンドバリ:

    ……!

  55. C-33アンドバリ:

    犯人はあなたなんですね!

  56. C-33アンドバリ:

    あなたのせいで…うぅぅっ、私は……うぅ…

  57. 天香のヒルメ:

    な、泣くでない。妾が食べた分は必ず埋め合わせする。

  58. スノーフェザー:

    ご主人様、艦内の安全確保が終わったそうです。異状なしとの報告です。

    1. みんなにご苦労だったと伝えてくれ。
  59. 主人公:

    - 再び泣き出すアンドバリにあわあわと狼狽えるヒルメ。するとつまらなそうにしていたポイがひとつあくびをする。

  60. ポイ:

    それでこの子はどうするおつもりですかぁ?やっぱりて・ん・ご・く…行きにしますぅ~?

    1. とりあえずドクターに検査してもらう。話はその後だ。
  61. 天香のヒルメ:

    ぬ、ぬしよ。妾に何の検査をするつもりだ…?

    1. 安心しろ、痛くはないだろうから。
  62. 主人公:

    - そう言って、俺はまだ泣き止まないアンドバリを抱き寄せ、頭を撫でた。