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Transcription
- 主人公:
- 専門家たちが帰ってくるのを待っている間、ヒルメの検査が完了したとの知らせが
入ってきた。 - 主人公:
- 面談のために艦長室に入ってきたヒルメは、
さっきまでとはなんとなく様子が違っていて大人しかった。 - 主人公:
- 怯えているようでもあり、全てを諦めたような超然とした感じでもあり…
- 主人公:
- しばらくぼーっと天井を見上げていたヒルメが、口を開いた。
- 天香のヒルメ:
そうか…始まってしまうのか…?
- な、何が?
- 天香のヒルメ:
遠慮する必要はない。妾はもう覚悟できている…。
- 天香のヒルメ:
ぬしに何をされようとも…妾はただ黙って天井の染みを数えておる…。
- ……
- スノーフェザー:
何か…誤解されているようです…。
- スノーフェザー:
検査を受けている間もずっと…震えて怖がっていたり、急に泣き出したり…
- 天香のヒルメ:
白いおなごよ…席を外してくれるか?
- 天香のヒルメ:
たとえ愛のない行為であったとしても…初めてを誰かに見られるというのは…
- 天香のヒルメ:
…いや。世話を焼く者が必要か…?
- 主人公:
- そうぽそりと言うと、ヒルメの凄然とした瞳が俺に向けられた。
- 天香のヒルメ:
ふふ、ぬしは妾が思っていたよりも身分が高いようだしな…。
- 天香のヒルメ:
ならば…少しは慰めにもなるか…
- 天香のヒルメ:
なぁ?ぬしよ…そうであろう?せめて優しく頼むぞ…
- ………
- 主人公:
- 何か勘違いをしたまま、勝手に妄想を膨らませているのを見ていると、
なんとなくうちの隊員の姿と重なった。 - 主人公:
- もう少し具体的に言うと、
今この状況をこっそり撮影しているであろう隊員の姿が… - いや、方向性は違うか…?
- 主人公:
- ヒルメの誤解を解くべきか迷っていると、艦長室のドアが勢いよく開いた。
- Mr.アルフレッド:
ごきげんよう!新しいバイオロイドさんがいらっしゃったと聞きまして、
やってまいりましたよぉぉ! - Mr.アルフレッド:
こ、この方はまさか…まさか…!天香のヒルメさんではありませんか!
- スノーフェザー:
おじさん、ヒルメさんをご存じなんですか?
- Mr.アルフレッド:
もちろんです!
- Mr.アルフレッド:
究極の域に達した三安産業のオリジンダストとバイオテクノロジーの精髄!
- Mr.アルフレッド:
数あるバイオロイドの中でも極めて美しく!
調和がとれた動物の遺伝子をお持ちの方です! - Mr.アルフレッド:
私がもっと早く覚醒すればよかったと血の涙を流して後悔する理由ランキング…
えー…6…いいえ、7位でもありますっ! - 微妙な順位だな…
- Mr.アルフレッド:
くふふ、それだけこの世界には美しいものがたくさん存在するということです!
- Mr.アルフレッド:
そういうことでヒルメさん。
髪の毛…いえいえ、その眩しいほどに美しい黄金色の尻尾の毛を一本だけ、 頂戴してもよろしいでしょうか? - 天香のヒルメ:
ひぃぃっ…!?
- ちょっと待て。今はダメだ。
- Mr.アルフレッド:
んんん?
- Mr.アルフレッド:
ああ!なるほど、そうですね!
- Mr.アルフレッド:
今ではあまり知られていませんが、狐はとても警戒心が強い動物です。
- Mr.アルフレッド:
その狐の遺伝子がファンタスティックに調和したヒルメさんも同じく、
他人に対する警戒心がとても強いのでしょう。 - Mr.アルフレッド:
だからそのせいでコンパニオンからバトルメイドに所属が変わ…
- 天香のヒルメ:
だ、誰がそんな出鱈目を!!
- 天香のヒルメ:
妾の能力を最大限発揮するために、やむなく移っただけだ!
- Mr.アルフレッド:
おっと、これは失礼いたしました。
- Mr.アルフレッド:
とにかくそういう方なので、司令官殿も極めて紳士的に、変に刺激せず時間をかけて
アプローチされることをお勧めいたします! - もうお前が変に刺激しちゃったけどな…
- 主人公:
- アルフレッドのおかげで、ヒルメは体をガクガクと震わせていた。
- 天香のヒルメ:
……妾の発言を撤回する。
- え?
- 天香のヒルメ:
ぬし…いや、貴様のことを品格ある者だと思っていた妾が愚かだった。
- 天香のヒルメ:
……そ、そそそそんな……
- 天香のヒルメ:
そんな変態極まりないやり方で妾を汚そうとするとは!!変態め!!変態っ!!
- え…
- 主人公:
- 突然変態呼ばわりされ、俺とアルフレッドは困惑しながら顔を見合わせる。
- なんで?どういうこと…?
- 天香のヒルメ:
こ、この者の腕!見ればわかる!!この禍々しい腕で…妾の手足を掴み、
動けないようにして… - 天香のヒルメ:
そして…無、無理矢理あそこを…
- 天香のヒルメ:
…………に、す、するつもりなのだろう!
- はぁ…
- アルフレッド、お前…
- Mr.アルフレッド:
司令官殿…紳士的にアプローチしてくださいと申し上げたはず……無理矢理だなんて…
- スノーフェザー:
ご主人様…。
………にするつもりなんですか…? - …おい…!?
- Mr.アルフレッド:
くふふ、冗談ですよ。
- スノーフェザー:
ふふふ。
- Mr.アルフレッド:
えぇ!?私はバイオロイドの皆さんに触れられないということ、お忘れですか!?
- Mr.アルフレッド:
それと!Mr.をつけてください!デコす…
- 主人公:
- ビョンビョンと跳ねながら否定するアルフレッドが固まった。
視線の先にはドン引きした顔のスノーフェザー。 - スノーフェザー:
おじさん…
- Mr.アルフレッド:
フェ、フェザーさんまで!?
- ふふ、冗談だろ?
- スノーフェザー:
ふふ。はい。
- Mr.アルフレッド:
び、びっくりしたじゃないですか。
- Mr.アルフレッド:
ううううっ…フェザーさんやサニーさんにそんな扱いをされてしまったら、私…
- 天香のヒルメ:
うぅっ…どうしてこんなことに…
- 天香のヒルメ:
妾はただ…心休まる場所を探していただけなのに………されてしまうのか…
- 主人公:
- 俺たちが冗談を言い合っている間もヒルメは、妄想を膨らませていた。
- Mr.アルフレッド:
ふむふむ。
この様子ですと、きっと長いこと隠れながら生きてこられたのでしょうね? - だろうな。
- 主人公:
- コンスタンツァから受け取った「天香のヒルメ」モデルに関する資料と
ドクターの検査結果が届いたので、それを見てみる。 - 主人公:
- 滅亡戦争勃発後に生産され、最初の戦闘で所属部隊が瓦解…
それ以来ずっと彷徨っていた感じか… - Mr.アルフレッド:
今までずっと一人で生きてこられたのですね。なるほど、結論は出ましたね!
- スノーフェザー:
あ……つまり…
- Mr.アルフレッド:
そうです。ヒルメさんは警戒心が強く、護衛には不適格との判定が
下されたりもしましたが、これほどではなかったはずです。 - Mr.アルフレッド:
つまりこれは、長い歳月がこのお嬢さんを変えてしまったわけです!
まさに私!長い時を経て生まれ変わったこのMr.アルフレッドのように! - スノーフェザー:
わかります。私もリーダーに助けられたからよかったものの、ずっと一人だったら…
- それじゃあ慣れるまで待つしかないのか?
- Mr.アルフレッド:
当面はそうでしょうね。フェザーさんもすぐに慣れましたでしょ?
- Mr.アルフレッド:
時間をかけてあげれば、ヒルメさんの警戒もだんだんと解れていくでしょう!
- 天香のヒルメ:
……!?時間を…かけて…ほぐす!?
- 天香のヒルメ:
ま、まさか…あれをあんな風に……!?
- 天香のヒルメ:
お、お前…。妾を一体どこまで辱めるつもりなのだ…!
- Mr.アルフレッド:
……くっ、くふふふ…ちょっと…いえ、これはなかなか時間がかかりそうですね。
- 主人公:
- 「ぬし」から「貴様」を経て、とうとう「お前」になってしまった…
ヒルメは両腕で胸を隠したまま、俺を不倶戴天の敵でも見るように睨んでいる。 - はぁ………おっ?
- 主人公:
- ちょうど、例の専門家たちが帰ってきたとのメッセージが届いた。
- アルフレッド、ちょっとヒルメを連れて…え~、う~ん…
- 主人公:
- 誰に任せようか?バニラ…はダメだな。俺に言った内容を聞いたりしたら、
ヒルメを秒殺で泣かせるかもしれない…。 - あっ、そうだ。ブラックワームを呼んでくれ。
- 主人公:
- ブラックワームならどんな事にも落ち着いて対応してくれるはずだ。
- …なるべくスマイルで接するようにと伝えてくれ。
- Mr.アルフレッド:
かしこまりました。
私とブラックワームさんとで、しっかりお世話してお待ちしております! - Mr.アルフレッド:
それとですね!Mr.をつけてください!
- わかったわかった!
- 主人公:
- 俺を悲哀に満ちた目で見つめながら艦長室を出るヒルメを見送りつつ、
ある隊員を呼び出した。