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天香のヒルメ
風が爽やかだな。

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  1. 天香のヒルメ:

    風が爽やかだな。

  2. 主人公:

    - 夕暮れ時、薄暗くなった頃、遠くに日出峰が見える場所に到着した。

  3. 天香のヒルメ:

    外の空気を吸うのは久しぶりだ…

    1. 本当に、ずっと倉庫にいたのか?
  4. 天香のヒルメ:

    実は真夜中に倉庫を出て、体を洗ったり、うろうろしたことはある。あの艦は実に広い。

    1. うろうろしたって…誰かに会ったりしなかったのか?
  5. 天香のヒルメ:

    …たまにあぶなかった時もあった。

    1. やっぱり…
  6. 天香のヒルメ:

    妾の尻尾と髪を見てわかるだろうが、そんなすぐに洗えるものではない。一、二時間はかかる…。

    1. 確かに、そうだろうな…。
  7. 主人公:

    - シャーロットやメイ、ミホなどの髪が長く、量も多い隊員たちは寝る間も惜しんで管理していると聞いた。

  8. 天香のヒルメ:

    なるべく人目に付かない浴室を使っていたのだが…、たまに誰かが入ってくることがあった…。

    1. なるほどな、そういうことか…
  9. 主人公:

    - いくら警戒が強化された状態とは言っても、シャワー室で平然と髪を洗っている人を疑う隊員はいないだろう。

  10. 主人公:

    - 隊員同士が全員顔見知りというわけでもないし…

  11. 天香のヒルメ:

    あ、そうだ聞きたいことがあったのだった。

    1. 何だ?
  12. 天香のヒルメ:

    あの艦…除霊の儀式の必要はないか?妾はそういうこともできるぞ?

    1. …どういうこと?
  13. 天香のヒルメ:

    この耳ではっきりと聞いたのだ…。夜、廊下を歩いていると…どこからともなく不気味な悲鳴が聞こえてきてな…。

  14. 天香のヒルメ:

    ふふ…ぬしよ、幸運だとは思わんか?妾はこの世を彷徨う霊など恐れておらん。どうだ?妾に任せてみぬか?

    1. ………また今度、機会があったらお願いしようかな…
  15. 天香のヒルメ:

    遠慮するな。妾の光輝さえあれば悪霊などあっという間に追い払えるぞい。

  16. 天香のヒルメ:

    …それともぬしは妾が信じられないのか?

  17. 主人公:

    - すこし話は逸れるが、コンパニオンのように動物の遺伝子が混ざっている隊員は感情を把握するのが簡単だ。

  18. 主人公:

    - ハチコ、ポイ、フェンリルのような正直な子は言うまでもなく、ペロやスノーフェザーのように一見わかりにくそうな大人しい子も耳、尻尾、瞳などの微妙な動きは隠せていない。

  19. 主人公:

    - 今、ヒルメの耳は微かに震えていて、尻尾はゆっくりと揺れている。

  20. 主人公:

    - 今までの俺の経験と、この数日間の付け焼刃で得た知識によれば、ヒルメは…

    1. 誰かに認めてもらいたいんだな?
    2. 俺に惚れたか?
  21. 天香のヒルメ:

    ……

  22. 天香のヒルメ:

    あながち間違ってはおらんな。妾は…まともに主人というものに仕えたことがないからな…。

    1. …大変だったんだな。
  23. 天香のヒルメ:

    ……う、うむ。

  24. 天香のヒルメ:

    …そういうわけでだ。この前ぬしが言っていたではないか。ぬしが…妾と……

  25. 天香のヒルメ:

    い、いや…ぬしが妾を必要としておるのなら…い、一考の余地はある。

    1. うん。よろしくな。
  26. 天香のヒルメ:

    考慮してみると言っただけだ!承諾するとは言っておらん!

    1. わかったわかった。
  27. 主人公:

    - 声は怒っているようだが、ヒルメは頭を撫でる俺の手を振り払おうとはしなかった。

  28. 天香のヒルメ:

    何を言っておる!まったく…ぬしは本当によくわからぬ!

  29. 天香のヒルメ:

    なぜ急にそ、そんな言葉を恥ずかしげもなく…

  30. 天香のヒルメ:

    ……!

  31. 天香のヒルメ:

    そ、そうか!そうやって答えを誘導して、妾がぬしを惚れたと勘違いさせたあと…

  32. 天香のヒルメ:

    妾を…妾を…ぬ、ぬしの花嫁にしようとしておるのだな!?

    1. そうかもしれないな~?
  33. 天香のヒルメ:

    な…何…だと…?

  34. 主人公:

    - 言葉を失ったヒルメは顔を真っ赤にしていたが、頭を撫でる俺の手は振り払わずにいた。

  35. 主人公:

    - 草むらを歩きながら色んな話をしているうちに、辺りはすっかり暗くなっていた。

    1. そろそろ帰るか?
  36. 天香のヒルメ:

    …ぬしに任せる。

  37. 主人公:

    - からかわれて拗ねてしまったのか、ヒルメはプイッと他所を見ながら答えた。

  38. 主人公:

    - でもお前とか、貴様って呼び方じゃないから…大丈夫だろう。