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Transcription
- 主人公:
- …事の真相はこうだ。
- 主人公:
- 昨年の今頃、俺に思いもよらない試練が降りかかっていた。
- 主人公:
- そう。鉄虫との戦いとは比べ物にならないほど過酷な…黒い試練が…
- シャーロット:
陛下ぁ~ん。私のチョコレート、食べて下さぁ~い♡
- セラピアス・アリス:
巨乳さんが作ったチョコレートは、中がスカスカで全然美味しくありません。
- セラピアス・アリス:
それに比べて私のチョコレートは…とっても濃厚で…やみつきになること
間違いなしです♡ - 主人公:
- 最初は…本当に嬉しかった。
愛する者たちから、ありったけの愛情がこもったチョコレートを貰って、 嬉しくない男がいるだろうか? - オードリー・ドリームウィーバー:
司令官、少々、お時間いただけるかしら…チョコレートを作ってみたんです。
テイスティングしていただけます? - 主人公:
- しかし…過ぎたるは猶及ばざるが如しという言葉があるように、
何事にも限度がある…。 - キルケー:
お客様~このチョコレートにはお酒が入ってますので食べすぎはダメですよ~
- キルケー:
まぁ…私は気にしませんけど~
- キャロルライナ:
司令官~チョコレート……あ…
- キャロルライナ:
ワオ…たくさん貰ったんだね…凄い量……
あはは、じゃあ頑張って食べてね!応援するよ~!フレ~フレ~! - ポックル大魔王:
あの、社長…
- ポックル大魔王:
はい、どうぞ。チョコレートです。
へへへ…、思ったより作るの大変でした… - ………
- 主人公:
- 結局オルカに所属する隊員全員からチョコレートを貰い、
艦長室はチョコレートで足の踏み場もなくなってしまった。 - 主人公:
- だが、みんなが一生懸命作ってくれたチョコレートを
食べないわけにもいかない。 - 主人公:
- 一日三食…ついでに間食まですべてチョコレートにしても、食べる速度が
貰う速度にまったく追いつかず、チョコレートの洪水は数週間に渡って続いた。 - 37式ダイカ:
司令官…こちら…チョコレートです…
- 37式ダイカ:
隊長の分も…ありますので…どうぞ…
- これで………最後か…
- 主人公:
- 俺の体は血じゃなくてチョコレートが流れているのではないかと思い始めた頃、
ようやくチョコ地獄から抜け出せた。 - 主人公:
- …これが昨年の春の話。
- 主人公:
- そして時は流れ、去年の冬。
運命の日が刻々と近づく中、俺は緊張していた…。 - コンスタンツァS2:
では次の議題に移ります。2月までの日程を決めたいと思いますが、
いつもと同じように私たちがおおまかに決めた後、ご主人様に最終確認を― - ちょっと待った。
- 主人公:
- 現在、俺の指揮下にいる隊員の数は、前回とは比べ物にならないほど増えた。
いや、増えてしまった。 - 主人公:
- 通常の救出作戦で救助した隊員に始まり、龍が率いる艦隊、
夏に出会ったセレスティアの「妖精の村」のメンバーなど… - 主人公:
- 抵抗軍の司令官である俺としては嬉しい限りだが、俺個人としてはこれは悲劇。
もはや黒の厄災。 - その…み、みんな忙しいだろ?今回は俺が決めるよ。
- コンスタンツァS2:
え…?
- レモネードアルファ:
旦那様…?旦那様はそんなことよりももっと重要な任務に神経を―
- アルマン枢機卿:
まぁまぁ、みなさん。ここは陛下に従いましょう。
- アルマン枢機卿:
…んふふふっ…。
- 主人公:
- それに俺に向けられる隊員たちの想いもまた、より深いものになっている
というのは肌で感じている…。 - 主人公:
- もちろんありがたいし、とっても嬉しいことだ…
しかしその結果、黒の厄災の量は激増するわけで… - 主人公:
- コンスタンツァS2:
まぁ、新年イベント…ですか?
- うん。新年。祝わないとね。新年だし。
- アルマン枢機卿:
この日付でしたら…………陰暦ですね。
- レモネードアルファ:
そうですね。旦那様が発見された場所付近にあった国々では、
陰暦で新年をお祝いするところがありましたね。 - 主人公:
- 嘘はついていない。陰暦で新年を祝う文化は実際にあったんだから。
- 主人公:
- もちろん俺にとって重要なのは、バレンタインデーと日にちが重なる
ということだった。 - 主人公:
- そして今。
- 主人公:
- 俺は再びチョコの山に埋もれていた。
- 失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した…
- アルマン枢機卿:
あら、今年も大人気ですね。
- こうなるってわかってたのか…?
- アルマン枢機卿:
まぁ五分五分だったのですが…残念ながらこちらに傾いてしまいましたね。陛下。
- 主人公:
- そう言うとアルマンは机の上に大きな包みを置いた。
- アルマン枢機卿:
もともと今日を忘れていなかった隊員たちが用意したチョコレートです。
この量なら陛下もそこまでご負担にはならないと思います。 - 数時間前まではね…
- アルマン枢機卿:
ふふっ。
- 主人公:
- 舌をペロッと出して笑うアルマン。
俺は震える手で包みを開けた。 - 俺は…幸せ者です…
- 天香のヒルメ:
なぜそんな死にそうな顔をする?こんなにも愛されているというのに。
- …全部食べたらわかる。…ちょっと食べる?
- 天香のヒルメ:
全部ぬしのために用意されたものだ。他人にあげるなど罰当たりな。
喜んで食べるがよい。 - うぅ…
- 天香のヒルメ:
それに妾は狐である。あれほど勉強しておったのにもう忘れたのか?
狐はイヌ科だ。 - でもハチコとフェンリルはチョコレート食べてたぞ…
- 主人公:
- なぜか上機嫌のヒルメは話を続けた。
- 天香のヒルメ:
くくくくく…。妾を滅茶苦茶にした時のあの威勢の良いぬしはどこに行った?
- 滅茶苦茶にした覚えはないが…?
- …また同じ目に遭いたいみたいだな!
- 天香のヒルメ:
決して忘れんぞ!抵抗できぬ妾を何度も…い、いたぶりおったではないか!
- 天香のヒルメ:
ど、どこからでもかかってこい!い、いつまでも妾が怖がると思ったか?
- 主人公:
- しばらく俺の周りを上機嫌にぐるぐる回っていたヒルメは、
飽きたのかソファーに座った。 - 天香のヒルメ:
結局、ぬしの願いは叶ったのか?
- このチョコの山を見てよくそんな事言えるな…。
- 天香のヒルメ:
誤魔化すでない。わざわざ新年の行事を企画したのは別に意味があるのだろう?
願い事くらいしたはずだ。 - 天香のヒルメ:
まさか本当に「今年はチョコレートを食べたくありません」とかいう
幼稚な願いではなかろう? - ……
- 天香のヒルメ:
ほれ、正直に言ってみろ。願いを喋った瞬間、叶わなくなるみたいな迷信を
信じているのなら話は別だが? - そういうわけじゃないけど…
- 天香のヒルメ:
では何を戸惑っておるのだ。さぁ早く教えよ。あっ、そうだ。
- 天香のヒルメ:
妾の神聖な力でぬしの願いを叶えてやることができるかもしれぬぞ?
- 大したことないから…聞くだけ無駄だって。
- 主人公:
- 俺が渋っていると、ヒルメは静かに笑って待っていた。
- 主人公:
- その笑顔には本当に神秘的な力でもあるのだろうか…、
いつの間にか俺は話してしまっていた。 - …俺の願いは―
- 主人公:
- 俺の願いを聞いたヒルメは呆れかえったような、
でもどこか嬉しそうな笑みを浮かべた。 - 天香のヒルメ:
本当に大したことないな。
- うっ…だから言っただろ…
- 天香のヒルメ:
だが…
- 天香のヒルメ:
それだけに大切なことでもある。
- 主人公:
- そう言ってヒルメは俺の手を取った。
- 天香のヒルメ:
妾の願いも聞いてくれるか?
- 何だ?
- 天香のヒルメ:
妾は…ほんのひと時でいい…、心から安心して過ごしたい。
- 天香のヒルメ:
それが人のおかげでも、場所のおかげでも、それ以外のものでも…
何のおかげでもいい。 - 天香のヒルメ:
どうだ?妾の願いも大したことないだろう。
- ふっ…、そうだな。
- 天香のヒルメ:
そ、そんなすぐに納得されると、それはそれで心外だな…。
少なくとも妾はぬしのように2つ願ったりと欲張りではないぞ。 - …俺は欲張りなんだよ。
- 主人公:
- 俺は欲張りだ。ヒルメの言う通り、図々しくも新年にする願い事が2つもある。
- 主人公:
- だが…その願いがあったからこそ、俺たちはここまで来ることができた。
- 主人公:
- 誰一人として失いたくないという願い、
オルカのみんなとこれからも仲良くしたいという願い。 - 天香のヒルメ:
ふふ、そうだな。ぬしには欲張りという言葉がぴったりだ。
- 天香のヒルメ:
どうせ、その願いが叶ったあとの願いもあるのだろう…。そうだろ?
- そうだな…数え切れないくらいある。
- 天香のヒルメ:
だったら…
- 主人公:
- ヒルメは重ねていた手をゆっくり滑らせて、俺と指を絡めた。
触れ合う一本一本の指から温もりが伝わってくる。 - 天香のヒルメ:
妾がそれを叶えてやろう。
- 天香のヒルメ:
…ぬしが願う、その厚かましい願いを。
<誰かが望んだ願い> END。