Transcription

1. P-49スレイプニール:

   これで全部？よし！終わったわね！

2. P-49スレイプニール:

   さ！帰るわよ。ほら、急いで急いで！

3. P-22ハルピュイア:

   すごく嬉しそう……。

4. P/A-00グリフォン:

   あんだけやりたがってたアイドルを人間がやるって言いだしたんだもん。そりゃ無理もないでしょ。

5. P-22ハルピュイア:

   グリフォンも楽しみ？

6. P/A-00グリフォン:

   わ、私？私は全然楽しみなんかじゃないわ。んなことして何になるの？面倒くさいだけ。

7. P-22ハルピュイア:

   あはは、そう？そっか～

8. P/A-00グリフォン:

   な、何よ。何か文句あんの？

9. P-22ハルピュイア:

   別に～

10. P-22ハルピュイア:

    でも、アイドルになるって具体的に何をしたらいいのかしら？そういう本ってあるのかな……？

11. P/A-00グリフォン:

    歌とかダンスの練習とか、そういうのやるんじゃないの？

12. P-22ハルピュイア:

    え？えぇ……ダンスは自信ないんだけどなぁ……

13. EB-48Gフレースヴェルグ:

    それについては、私から説明してもよろしいでしょうか？

14. P/A-00グリフォン:

    うわあっ！？びっくりした！

15. P-22ハルピュイア:

    私もびっくりした……その眼鏡は何？

16. P/A-00グリフォン:

    ちゃんと前見えてんの？

17. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ご安心を、これは何かを解説する時の自己暗示用ツールです。では始めます。

18. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ふむふむ……アイドル。……Idol。それは「偶像」という意味です。

19. EB-48Gフレースヴェルグ:

    アイドルというのはそもそも憧れの象徴。ステージの上で歌や演技を披露し、自身の魅力をアピールしなければなりません。

20. P-22ハルピュイア:

    う～ん……とりあえず、歌とかダンスとか、一生懸命練習すればいいのかしら？

21. P/A-00グリフォン:

    聞いてる限り、スカイナイツが昔やってた事と大して変わらないじゃない。

22. P/A-00グリフォン:

    エアショーとかそういうのでしょ？

23. EB-48Gフレースヴェルグ:

    断じてNO！まったく違います！アイドルとはズバリ、商品です。

24. EB-48Gフレースヴェルグ:

    大衆が望む姿、大衆が望むキャラクターを演じるため、まるで工場の生産ラインの如く、魂とビジュアルをその身に注入し！具象化され、世に出荷される！

25. EB-48Gフレースヴェルグ:

    それがアイドルというもの！

26. P-22ハルピュイア:

    そ、そういうものなの？でも私たちは本物のアイドルじゃないし……そこまで明確にやらなくてもいいんじゃ……

27. EB-48Gフレースヴェルグ:

    概念の定義というものを怠ってはいけません！

28. EB-48Gフレースヴェルグ:

    これを真に理解しなければ！アイドルになることなど、できませんよ！！

29. P/A-00グリフォン:

    面倒くさ……

30. EB-48Gフレースヴェルグ:

    そういう意味でも、司令官様からのプロデュースの話は本当に時宜を得たと言えます。

31. EB-48Gフレースヴェルグ:

    戦隊長以外は未経験の私達が、セルフプロデュースでアイドルをするのは何かと至らない点が多いでしょうから。

32. P/A-00グリフォン:

    ん～……すっごい語ってるけどさ……

33. P/A-00グリフォン:

    あんた、アイドルじゃなくてモモオタクでしょ？ホントにちゃんとわかってんの？

34. EB-48Gフレースヴェルグ:

    な、何のことでしょう！？モ、モモのことが好きな、ただの一般人ですが！？

35. P-29リントヴルム:

    難しく考えることないんじゃないですか？司令官にボクたちの魅力を思いっきりアピールできるチャンスですよ！

36. P-29リントヴルム:

    可愛くメイクして～可愛い衣装もオードリーさんに作ってもらって～、練習は～……ちょっとだけして～

37. P-29リントヴルム:

    あとはステージの上で可愛くダンスして可愛く歌えば、

38. P-29リントヴルム:

    司令官はリンティにもうメロメロでしょ～！

39. P-29リントヴルム:

    そして、感動して感極まった司令官は、リンティに……でへへ……

40. ??:

    そこまで！

41. P-49スレイプニール:

    駄目よ……全然駄目。

42. P-49スレイプニール:

    リンティ、フレースヴェルグ。2人ともそんなマインドじゃ駄目よ！

43. P-49スレイプニール:

    アイドルはファンのために存在するのよ。ファンからの愛こそが！存在意義そのものなの！！

44. P-49スレイプニール:

    だから、概念の定義とか司令官をメロメロとかそういうのじゃなく、その愛に応えるために一生懸命――

45. P-29リントヴルム:

    だ～か～ら～ファンっていうのは、司令官のことじゃないですか。

46. P-29リントヴルム:

    リンティは司令官の愛さえあれば、もうそれで充分ですよ。

47. EB-48Gフレースヴェルグ:

    それはただの理想論ですね。情熱だけでやっていけるほど、アイドルは甘くありませんよ！（メガネクイッ

48. P-49スレイプニール:

    ううう……！

49. P-22ハルピュイア:

    みんな、とりあえず帰ってから話さない？

50. P-22ハルピュイア:

    司令官の話も聞いてみなくちゃ。

51. P/A-8ブラックハウンド:

    うん。そうだね。

52. P/A-8ブラックハウンド:

    戦隊長も、ほら。

53. P-49スレイプニール:

    う、うん……