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主人公
- スカイナイツたちの部屋を後にして、艦長室へ向かった。最初はどうなるかと思ったが、やる気になってくれてよかった。

Transcription

  1. 主人公:

    - スカイナイツたちの部屋を後にして、艦長室へ向かった。最初はどうなるかと思ったが、やる気になってくれてよかった。

    1. はあ……
  2. 主人公:

    - 無意識に深いため息を吐いてしまった。

    1. プロデューサーか……
  3. 主人公:

    - メンバーたちの前では大口を叩いたが、プロデュースなんてそう簡単に出来ることじゃない。勢いで「プロデューサーと呼んでくれ!」なんて言っちゃった……。

  4. 主人公:

    - 目覚めた瞬間から鉄虫との戦い方や、部隊を指揮する方法などは頭に入っていたが、アイドルのプロデュースの仕方なんて全然知らないぞ。

    1. …勉強しよ。
  5. 主人公:

    - プロジェクトはもう動き出してしまった。もう後戻りはできない。またため息が出そうなのをグッと飲み込んで、パネルからオルカのデータベースにアクセスした。

    1. 思ったより資料があるな?
  6. 主人公:

    - 滅亡前の記録保管所にあったデータサーバーをインポートして構築したオルカのデータベースには、全てとまでは言わなくとも相当な量の情報が記録されている。

  7. 主人公:

    - もちろん「プロデューサーになる方法!」みたいなマニュアル的なものはなかったが、アイドルや歌に関する資料は大量に見つかった。

  8. 主人公:

    - 資料を簡単に分類していざ読み始めると、艦長室のドアが開いた。

  9. オードリー・ドリームウィーバー:

    司令官、今忙しいですか?

    1. 大丈夫だよ。衣装のことかな?
  10. オードリー・ドリームウィーバー:

    そうです。

  11. 主人公:

    - 俺が返事の代わりに微笑むと、オードリーはソファーに座った。

    1. 順調に進んでる?
  12. オードリー・ドリームウィーバー:

    はい。公演前までには全て完成しますわ。

    1. そうか。いつもありがとう。
  13. オードリー・ドリームウィーバー:

    ふふ、好きでやってることですから。それに……

  14. オードリー・ドリームウィーバー:

    私のソウルメイトであるスレイプニールさんに、あの格好でステージに上がらせるわけにはいきませんので。

  15. 主人公:

    - オードリーの言葉を聞いて、スレイプニールと初めて出会った時に着ていた服といつも着ている服を思い出す……

    1. 俺は好きだけどな?
    2. 確かにあれじゃあね……。
  16. オードリー・ドリームウィーバー:

    それは司令官だからです。司令官はいつだって私たちのことをよく言ってくれますから。

    1. そ、そうかな?
  17. オードリー・ドリームウィーバー:

    私が最高にアメイジングな衣装を作りますから。ご心配なく。

  18. オードリー・ドリームウィーバー:

    衣装は着てくれましたか?

    1. うん。さっき着て見せてくれたよ。
  19. オードリー・ドリームウィーバー:

    ふふ、気に入ってました?

    1. うん。こっちまでドキドキした……。
    2. うん。他のメンバーの衣装も早く見たいよ。
  20. オードリー・ドリームウィーバー:

    ふ~ん……

    1. …どうした?
  21. オードリー・ドリームウィーバー:

    今回はもう本番前に汚したらダメですからね。スペアを作るほどの余裕はありませんから。

  22. オードリー・ドリームウィーバー:

    - 俺が初めて迎えた冬に開催したパーティーのことを思い出した。これからパーティが始まるというのに、オードリーとウンディーネの衣装を……

    1. はい……。
  23. オードリー・ドリームウィーバー:

    衣装は私が責任を持ってパーフェクトに準備しておきますから、司令官はプロデュースの方に集中してください。

  24. オードリー・ドリームウィーバー:

    それで?準備の方は順調なんですか?

    1. んまあ……何とか。
  25. 主人公:

    - オードリーにそう言われて、調べ物の途中だったことを思い出した。

    1. ステージはエンジニアチームに…ダンスと歌は……。
  26. 主人公:

    - いつの間にか、あれこれと資料を確認し始めてしまい、ついオードリーがいることを忘れてしまっていた。

  27. 主人公:

    - どれくらいの時間が過ぎたのか、ふと顔を上げるとオードリーが俺の顔をじっと見ていた。

    1. あっ、ごめん。つい夢中になってた……
  28. オードリー・ドリームウィーバー:

    ふふ、気にしないでください。何かに熱中している男性って、とても魅力的ですわ。

  29. オードリー・ドリームウィーバー:

    では私はこのへんで。司令官も―あっ。

  30. オードリー・ドリームウィーバー:

    宝蓮さんの方は特に問題ありませんか?

    1. うん。予定通りメイクを担当してもらうよ。
  31. オードリー・ドリームウィーバー:

    それを聞いて安心しました。宝蓮さんのテクニックなら、私の作った最高の衣装に合わせてこれますからね。

  32. オードリー・ドリームウィーバー:

    きっと皆さんを、キュートでビューティフルなアイドルにしてくれるでしょう。

  33. オードリー・ドリームウィーバー:

    それにしても突然、「アイドルのステージ衣装を作ってくれ」と言われた時は驚きましたわ?しかも6人分、今すぐにだなんて…………これは、それ相応のお礼が必要ですわね?

    1. 今さっき、好きでやってることって言ってなかったっけ?
  34. オードリー・ドリームウィーバー:

    ふふ、本当に意地悪ですわね。わかってるくせに……。これは宝蓮さんもセットでじっくりお礼を頂かないと。

  35. オードリー・ドリームウィーバー:

    宝蓮さんはマッサージのプロフェッショナル……。司令官、耐えられるかしら?楽しみですわね、グッドラック♡

    1. ……。
  36. 主人公:

    - そう言い残して、オードリーは艦長室を出て行った。

    1. 一体どんな……いや、今はそんな事どうでもいい。
  37. 主人公:

    - とりあえず、スカイナイツのみんなには自主練をしてもらっているが、これもただの時間稼ぎに過ぎない……。

  38. 主人公:

    - 本格的なレッスンに入る前に準備を万全に整え、バックアップ計画も立てなければ。

    1. まずは先生が必要だな……。
  39. 主人公:

    - パネルを操作し、隊員リストを開いた。