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Transcription
- P-22ハルピュイア:
あの……プロデューサー?
- P-22ハルピュイア:
本当にこの人にダンスを教わるの……?
- P-29リントヴルム:
う~ん……ちょっと意外というか……ダンスのイメージがないですねぇ……
- EB-48Gフレースヴェルグ:
てっきりキャロルさんかサニーさんが来るかと思っていました……
- A-87バンシー:
こんにちは、A-87バンシーです。
- A-87バンシー:
本日は皆さんに、空中機動に関するノウハウをお伝えするように…
…との任務を受けました。 - P-22ハルピュイア:
空中機動なら……。
- EB-48Gフレースヴェルグ:
……おやおやおやおや……
- …と、とりあえず俺のアイデアを聞いてくれ…。
- 主人公:
- アイドルというのは、そもそも自分の個性をアピールする存在だと
俺は理解している。 - 主人公:
- スカイナイツは空を飛ぶことができる。
これは間違いなく誰にも真似できないユニークな個性だ。 - 主人公:
- というわけで、空を飛びながらダンスをするのはどうか……と説明すると、
みんな、あからさまに嫌そうな視線を俺に向けた。 - ……だ、だめ?やっぱ難しいかな?
- P-22ハルピュイア:
うーん。難しいっていうより……
- P-29リントヴルム:
せっかく可愛い衣装を着てるのに、飛行用装備を着けて歌って踊るのは
あまり気が進みませんね……。 - P-22ハルピュイア:
そうね……だって……ねぇ?
- EB-48Gフレースヴェルグ:
プロデューサー……乙女心というものを、全く理解できていませんね……
- うっ……
- 主人公:
- フレースヴェルグの言葉がグサリと胸に突き刺さる。
- 主人公:
- 思わぬクリティカルヒットを受けフラついていると、
静かに話を聞いていたバンシーが口を開いた。 - A-87バンシー:
では、私は外に出ています。
- P-22ハルピュイア:
せっかく来たんだし、もうちょっとゆっくりしていったらどう?
今日は出撃もないんでしょ? - A-87バンシー:
いえ、あります。皆さんとの練習飛行が……。
- P-22ハルピュイア:
……。
- EB-48Gフレースヴェルグ:
……。
- ……ごめん、バンシー…それ、キャンセルで。
- 主人公:
- みんなのじっとりとした視線に負け、俺のアイデアは没となった。
- P-22ハルピュイア:
ほら、ここに座って。
- P-22ハルピュイア:
そうだ。メイ隊長から聞いたわ。
あの本、読んでるんですって?どうだった? - A-87バンシー:
あの本……恋愛小説のことですか?
- A-87バンシー:
全部読みましたが、よく分からないところがありました。
- P-22ハルピュイア:
え……本当?あれって結構無難な方なんだけど……。
- P-29リントヴルム:
それ、リンティが前に借りたやつですか?
- P-29リントヴルム:
高慢なお金持ちのお嬢さまが、頑張って昇進した若い軍人と恋に落ちるって内容の?
- P-22ハルピュイア:
そうそれ。リンティも夢中になってたわよね。
- A-87バンシー:
隊長もすっかりハマッていました……
- P-22ハルピュイア:
だって、好みに合わせて貸してあげたからね。
- はい、飲み物持ってきたよ。
- P-22ハルピュイア:
あ、ありがとう、プロデューサー。
- P-29リントヴルム:
いただきま~す。
- A-87バンシー:
ありがとうございます、司令官様。
- 主人公:
- 飲み物を取りに行って戻ってくると、すっかりおしゃべりの時間になっていた。
まあ、ダンスレッスンはひとまず保留になったから、 ボイトレの順番待ちにちょうどいいか。 - 主人公:
- だが、一人だけ怪しい動きをしている人物がいる……
- …何してんの?
- EB-48Gフレースヴェルグ:
いえ……バンシーさんにモモの特典小説をおすすめしたいと思いま―
- EB-48Gフレースヴェルグ:
あああ……何でもありません。
- もう隠せてないから……。
- 主人公:
- 堂々と飾られているモモのフィギュアを指差すと、
フレースヴェルグは顔をさらに赤らめた。 - EB-48Gフレースヴェルグ:
ンンンッ!えっと……
- EB-48Gフレースヴェルグ:
か、考えてみます……
- 主人公:
- フレースヴェルグは大きなトランクを持って部屋の隅の方に行くと、
そのまま背を向けた…… - 主人公:
- 中身が気になって仕方がなかったが、何とか我慢した。
そもそも「考えてみます」ってどういう意味なんだ……? - P-22ハルピュイア:
う~ん……そんな風に聞かれたら、なんて答えればいいのかしら……。
急に愛とは何かって聞かれても…… - P-29リントヴルム:
明確に説明しなくちゃいけないことなんです?
そういうのって心で感じるものじゃないですかぁ。 - A-87バンシー:
その感じすらよく分からないのです。
- P-22ハルピュイア:
ドゥームブリンガーの人たちには聞いてみた?
- A-87バンシー:
隊長は胸がドキドキして、頭がぼーっとすると言っていましたし、
シルフィードさんは胸の片隅がムズムズすると言っていました。 - A-87バンシー:
他の皆さんも概ね似たような答えでした。
- 難しい話をしているな……
- 主人公:
- バンシーがそんなことに悩んでいるとは……。
うーん。良い相談相手はいないものか…… - P/A-00グリフォン:
ガールズトークの盗み聞きなんて、趣味悪いわよ。
- あ…グリフォン。
- P/A-00グリフォン:
何よ。
- お前は愛って何だと思う?
- P/A-00グリフォン:
……!?!?!?はぁ!?いきなり何でそんなこと聞くのよ!?
- 主人公:
- 俺が隊員たちに感じている感情は、間違いなく愛だと思っている。
- 主人公:
- でも、それを言葉で説明しようとすると……うまく表現できない。
- ふ~む、ちゃんと言葉にしてくれそうな隊員は……
- P/A-00グリフォン:
ほら……その……あれよ。一緒にいるだけで嬉しくなったり……
- 主人公:
- アーセナルとかアレクサンドラか……?
いや、ダメだ…あいつらがちょっと変わってることはもうわかっている……。 - P/A-00グリフォン:
時々…バカみたいなことして、ムカついても……
顔を見たら、すぐ笑顔になっちゃったり…… - 主人公:
- ミホ……はレベルが高すぎると思うんだよな……。う~ん……
- P/A-00グリフォン:
…そういうこと……なんじゃない?
- ん?あ~……うん。
- P/A-00グリフォン:
……それだけ!?あんた聞いてなかったでしょ……
- ??:
見つけた……!!
- EB-48Gフレースヴェルグ:
これこそマスターピース・オブ・マスターピース……!
- EB-48Gフレースヴェルグ:
魔法少女マジカルモモシーズン2のリメイク版に収録された、特典小説!
- EB-48Gフレースヴェルグ:
外伝であるにも関わらず膨大な設定、さらにはモモ、白兎、ポックル大魔王、
マジックジェントルマンとの四角関係を流麗な文章と繊細な感情描写を通して 解釈した名作!! - EB-48Gフレースヴェルグ:
これをお勧めします!!
- A-87バンシー:
あ…ありがとうございます……。
- EB-48Gフレースヴェルグ:
ちなみに私はもう90回は精読しました。
- P-22ハルピュイア:
それ以上はもう読まないの……?
- EB-48Gフレースヴェルグ:
それはわかりません、いつの間にか手に取って読んでしまいますから……
参考までに、あくまでも参考までにお話ししますと、 ここのこの部分が本当に神なんです。皆さん、読んでみてください。 - P-22ハルピュイア:
え?私も?
- 主人公:
- 突然、フレースヴェルグによるマジカルモモ布教が始まった……。
さっきの「考えてみます」って開き直って布教するってこと……? - お、俺は予定があるから……頑張って……
- 主人公:
- 俺はなんとかそこから抜け出すことができた……。
- 主人公:
- バンシーが教えるはずだったのに生徒になってしまったが、まぁ悪くない。
ただ、ダンスの先生をまた探さないといけないな……。 - 主人公:
- 今はとりあえず仕事するか……みんなの様子はグループ練習の時に
また見に来よう。