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主人公
- ついにミューズの復元が完了し、安定化と各種検査が終わって面談となった。

Transcription

  1. 主人公:

    - ついにミューズの復元が完了し、安定化と各種検査が終わって面談となった。

  2. 主人公:

    - しかし…。

    1. ミューズ…だよな?
  3. P-49スレイプニール:

    むむむ……そんな気もするし、違う気もする……。

  4. ミューズ:

    あ、うぅ……。

  5. ミューズ:

    …う、はい…私……

    1. ん?ごめん、よく聞こえない。
  6. ミューズ:

    ひぃぃっ……!

    1. ……
  7. 主人公:

    - 少し体を近付けただけで悲鳴をあげられ、ちょっとショック……

  8. P-49スレイプニール:

    プロデューサー、初対面なんだからそんな怖がらせちゃダメじゃん。こういうのは私に任せて。

  9. P-49スレイプニール:

    はじめまして!もしかして私のこと知ってたりする?私、あなたのすごいファ―

  10. ミューズ:

    ひぃぃっ…!

  11. P-49スレイプニール:

    ………。

    1. 人見知りが激しいな。
    2. 初対面なんだから、そんな怖がらせちゃダメじゃん~
  12. P-49スレイプニール:

    う、うん。そうね…。うん……人見知りが激しいのよ。

    1. このくらい離れて話しかけるなら大丈夫かな?
  13. P-49スレイプニール:

    ぐぬぬぬ……。

    1. ふふん。
  14. 主人公:

    - わなわなと震えるスレイプニールの姿を見て、勝利の喜びをしっかりと噛みしめた後、改めてミューズに話しかけた。

  15. ミューズ:

    ……はい。

  16. 主人公:

    - 約3メートル離れて話しかけるという少しシュールな光景だが、そのおかげでミューズはさっきよりも安定していた。

    1. アミューズアテンダントのミューズで合ってる?
  17. ミューズ:

    ……。

  18. 主人公:

    - 辛うじて首を縦に振ったように見えたが、ミューズの視線は俺の目ではなく依然として部屋の片隅に向けられていた。

    1. 身体年齢は?データには23歳と記載されてるけど。
  19. ミューズ:

    それで合って…る…はずです。

    1. 作曲は復元されて間もないため、まだ経験はなしってことでいい?
  20. ミューズ:

    わ、私たちはAGSと同じで……定期的に初期モジュールが更新されてきました。だ、だから……

  21. ミューズ:

    正確にどの時点なのかは、わきゃり…分かりませんが……曲を作った……経験自体は……ありません……

    1. そっか。今回初めて―え?何……?
  22. 主人公:

    - 何故かおかしな視線を感じ、スレイプニールを見ると、俺のことを変な目つきで見ていた。

  23. P-49スレイプニール:

    ねぇ……わざとでしょ?

    1. 何がだよ……
  24. P-49スレイプニール:

    これって完全に……完全に……!

  25. ミューズ:

    う、ぅぅ……

    1. ……え?何か変な事した?
  26. P-49スレイプニール:

    …ううん、何でもない。

  27. P-49スレイプニール:

    もう……肝心なところで常識がないんだから……

    1. え?何?ホント何?教えてよ……俺、記憶ないんだからさ。
  28. 主人公:

    - 過去に関することは記録だけでしか知らない。だから、スレイプニールみたいに滅亡前の常識を知っている隊員の目には、おかしく見えるところはあるだろう。

  29. 主人公:

    - それに滅亡前から生きていなくても、バイオロイド達は基本的に滅亡前の生活様式を基準にして復元される……

  30. ミューズ:

    ……

    1. 知らない間に不快な思いをさせてたかも、ごめんな。
  31. ミューズ:

    大丈夫、です。

    1. えっと、簡潔に言うと。作曲を手伝ってもらいたい。
  32. ミューズ:

    ……はい。分かりました。

  33. 主人公:

    - 思いのほかあっさりといい返事が返ってきて、無意識に深いため息をついた。

  34. 主人公:

    - 悲鳴をあげられた時はどうなるかと思ったが……

    1. ……よかった。
  35. 主人公:

    - それにしても、スレイプニールが言ってた常識って、結局何だったんだ……。

  36. P-49スレイプニール:

    ありがとう~!私、スレイプニールって言うんだけど……

  37. P-49スレイプニール:

    私のこと……知ってる?

  38. ミューズ:

    あ……はい。スカイナイツの……、ソロでも活動されてた……

  39. P-49スレイプニール:

    …ひ、ひひ……。

    1. 分かった分かった。スレイプニールはすごいすごい。
  40. 主人公:

    - これでもかというほどのドヤ顔をこちらに向けてくるスレイプニールを適当に褒めておく。

    1. あ、スレイプニールを見るために、行列が何キロも出来たってのも本当?
  41. ミューズ:

    そ、そこまで詳しいことは……

    1. …そっかぁ……残念。
  42. P-49スレイプニール:

    …ぅ、ふう……。

    1. 今ため息ついたろ。
  43. P-49スレイプニール:

    わ、私が?全然?

  44. P-49スレイプニール:

    ね、ねぇ、そんなことよりミューズ。あっ、ミューズって呼んでもいいかしら?

  45. ミューズ:

    っ……はい……

  46. P-49スレイプニール:

    まず私たちの紹介をするわね。曲作りで歌い手に関する情報は重要でしょ?

  47. ミューズ:

    はい…その通り―

  48. P-49スレイプニール:

    私がいくつか簡単に作っておいた曲があるんだけど、それもちょっと見てくれない?参考になるかもしれないわ。

  49. ミューズ:

    あう……。そう―

  50. ミューズ:

    ちょ、ちょっとまっ…。

  51. P-49スレイプニール:

    もしよかったら、振り付けとかもお願いできる?へへ、流石にそこまでは無理か。ダンスはやっぱりこのわた―やんっ!?

    1. 熱心なのは大変結構だが、ミューズが何か言いたそうにしてる。
  52. 主人公:

    - 「避けようと思ったら避けられたんだから……」とぶつぶつ言っているスレイプニールを腕の中で静かにさせつつ、ミューズに話を促す。

  53. ミューズ:

    その…まだ、機材が……

    1. あ、そうだった。
  54. 主人公:

    - オルカにある作曲関連の機材は、かなり古くて1つしかなかった。いつか使う時が来るかもしれないと保管されていたものだ。

  55. 主人公:

    - そしてそれは今スカイナイツが使っているため、新しく用意する必要がある。

  56. P-49スレイプニール:

    それなら私に任せて。すぐに見つけてくるから!

    1. じゃあ頼む。ミューズはここに慣れるのが優先かな。
  57. ミューズ:

    はい…。