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主人公
- しばらくすると、満面の笑みの宝蓮がミューズと共に艦長室に戻ってきた。ミューズは必死に前髪を下へ下へと下ろしている。

Transcription

  1. 主人公:

    - しばらくすると、満面の笑みの宝蓮がミューズと共に艦長室に戻ってきた。ミューズは必死に前髪を下へ下へと下ろしている。

  2. 宝蓮:

    これは絶対に我慢できません。

  3. 宝蓮:

    頭のてっぺんからつま先まで、スタイリングと集中ケアが必要です!

  4. ミューズ:

    ひぃ……

    1. ははは……えっと。久しぶり。
  5. ミューズ:

    …う、うぅ……はい……

  6. 主人公:

    - 自分もステージに上がると知ってから、部屋から出てこなくなってしまったと聞いていたが……

  7. 主人公:

    - 出てきてくれたんだな……よかった。

    1. ごめんな。ステージの件は時間を置いてから話そうと思ってたんだ。
  8. ミューズ:

    ……。

  9. 主人公:

    - ミューズは依然として俺から目を逸らしながら、微かに首を振った。

    1. もしそんなに嫌だったなら今からでも……
  10. ミューズ:

    ……!

  11. ミューズ:

    あっ……ぁぁぁぁ……

  12. 主人公:

    - 俺の言葉にミューズは激しく首を横に振った。その勢いで前髪が激しく揺れ、顔が少し見えた。

  13. 主人公:

    - ミューズは慌てて前髪を引っぱって顔を隠そうとするが、宝蓮はそれを見逃さなかった。

  14. 宝蓮:

    ほら~!お客さ~ん、やっぱり美人さんじゃないですか~!!

  15. 宝蓮:

    特に目がとっても魅力的ですよ~!何で隠してるんですか~?もったいな~い!前髪だけでもいいですから、少しいじってみましょうよ~、ちょっとだけ、ね?

  16. ミューズ:

    そ、そんなこと……ありません……

    1. 俺もいいと思うけどな?試しにやってみたらどう?
  17. 主人公:

    - 必ずしもスカイナイツみたいな姿でステージに立つ必要はないと思うが、正直ミューズの素顔は見てみたい……

  18. ミューズ:

    ううぅ……で、では……

  19. 主人公:

    - しばらく躊躇っていたミューズは、前髪を押さえていた手をゆっくりと下ろした。

  20. 宝蓮:

    オッケー!それでは~、とりあえずこちらに座ってくださ~い!

  21. ミューズ:

    う……

  22. 宝蓮:

    ではお客さ~ん。始める前に~。

  23. 宝蓮:

    念のためお聞きしますけど~。

  24. ミューズ:

    あっ、あうあぁ……。

  25. 宝蓮:

    お望みのスタイルなどはありますか~?

  26. ミューズ:

    ………。

  27. 主人公:

    - 宝蓮にそう言われると、ミューズは助けを乞うように涙目で俺を見てきた。

    1. ……面白そうだし、もう少し見守っていよう。
    2. とりあえず、前髪の雰囲気を変えてみるのはどう?
  28. 宝蓮:

    お客さ~ん?

    1. あれ、こんなところにゴミが……
  29. 主人公:

    - 俺が聞こえないふりをすると、前髪の隙間から覗くミューズの目が絶望の色に染まっていた。

  30. ミューズ:

    そ、その……

  31. ミューズ:

    ……わ、私……そういうことは…よく……

  32. 宝蓮:

    見たところ、それなりにケアはされているようですが……リンスは使ってますか?

  33. ミューズ:

    り、りん……

  34. ミューズ:

    プ、プロデューサー……。

    1. やっぱりまだ肩が……ストレッチでもするか。
  35. 宝蓮:

    悩んでらっしゃるのでしたら、お待ちしてますよ~?

  36. ミューズ:

    あああああぁぁぁ……。

  37. 主人公:

    - …これ以上は泣き出しそうだ。そろそろ助けてあげよう。

    1. とりあえず前髪だけ整えてみてくれ。
  38. 宝蓮:

    ですね~、流石お兄さん。

  39. 宝蓮:

    それだけでもガラッと印象が変わるはずですよ~。ほら。

  40. ミューズ:

    ……。

  41. 主人公:

    - 宝蓮が前髪を両耳にかける、するとミューズの顔が現れた。

  42. 主人公:

    - 目尻が少し下がった澄んだ瞳が、俺を恐る恐る見上げた。

    1. 全然いいじゃん。
  43. ミューズ:

    ……!?

  44. 宝蓮:

    前髪はカットしようかと思いましたけど、こっちの方がお似合いですね。

  45. 宝蓮:

    髪も染め直して、ボリュームを少し調整して……そうね……うーん。

  46. 宝蓮:

    お客さん、ピアスとかはどうですか?

  47. ミューズ:

    そ、そういうのは着けたことがないので……

  48. ミューズ:

    穴を開ける時に、痛いんじゃないんですか……?

  49. 宝蓮:

    ちょっとチクッとするだけですよ~。

    1. シンプルなモノなら似合いそうだな。
  50. ミューズ:

    ……。

  51. ミューズ:

    じゃ、じゃあ……

  52. ミューズ:

    …や、やります。

    1. じゃあ宝蓮、それでいこう。それからこれ。
  53. 主人公:

    - ハンガーにかけておいたアイドル衣装を見るや、ミューズは目を丸くした。

  54. ミューズ:

    そ、それ……

    1. ミューズの衣装だよ。スカイナイツとお揃い。
  55. ミューズ:

    …私なんかがそれを着ても……い、いいんですか?

    1. もちろん。楽しみにしてるよ。
  56. ミューズ:

    ……はい。

  57. 宝蓮:

    じゃあ始めますね。

  58. 宝蓮:

    ちょっとひんやりしますよ~。

  59. 宝蓮:

    ふぅ、これは久々にやりがいがありましたね~。

  60. 宝蓮:

    まさにシンデレラでしたよ。ある程度予想はしてましたけど、ここまで変身するとは……

    1. ありがとう。お疲れ様。
  61. 宝蓮:

    とんでもないです~。では私は他の皆さんのスタイリングの準備をしてきますね。

  62. 宝蓮:

    またマッサージが必要な時はいつでも言ってくださいね~♡

    1. うん。また頼むよ。
  63. 宝蓮:

    は~い。

  64. 主人公:

    - 宝蓮が出て行ってしばらくすると、艦長室のドアが開いた。

  65. 主人公:

    - そして……

  66. ミューズ:

    …あ、あのぅ……

    1. おお……
  67. 主人公:

    - 恐る恐る入ってきたミューズは、見違えるほど変わっていた。

  68. ミューズ:

    ぁ、ぁうぅ……そんなにまじまじ見られると……。

    1. あ、ごめん。
  69. 主人公:

    - オルカの隊員たちは一人残らずみんな可愛いが、ここまで劇的に可愛くなる子は新鮮だ……。

  70. P/A-00グリフォン:

    プロデューサー、帰ってきたわ……よ……

  71. P/A-00グリフォン:

    どういうこと……

  72. P-49スレイプニール:

    プロデューサー!早速レッスンに―わあっ!?

  73. P-49スレイプニール:

    だ、誰……?え!?うそ……まさか……!?

  74. P-49スレイプニール:

    ミュ、ミューズ!?

  75. ミューズ:

    …はい。宝蓮さんとプ、プロデューサーが……

  76. P-49スレイプニール:

    最っっっっ高に可愛いじゃない!!どうなってるの!?魔法!?

  77. P/A-00グリフォン:

    全然別人なんだけど……

  78. ミューズ:

    ……ぁ、ありがとうございます。

  79. ミューズ:

    …あの、プロデューサー……ど、どう、ですか……?

    1. うん。可愛いよ。
  80. ミューズ:

    ………!!!

  81. P-49スレイプニール:

    あれ?ミューズ、どったの?

  82. P-49スレイプニール:

    ミューズ、ミュ~ズ~!もしも~し。

  83. P/A-00グリフォン:

    ……。

  84. P/A-00グリフォン:

    もう頭の中でプロデューサーと結婚して子供まで産んだ顔してるわね。

  85. ミューズ:

    えあっ……!?けっ………こ……

  86. P/A-8ブラックハウンド:

    ふ~ん、なるほどなるほど。

  87. P/A-8ブラックハウンド:

    よ~く分かったわ。

  88. ミューズ:

    ぷしゅぅぅぅ…………はっ……!?

  89. P/A-8ブラックハウンド:

    あっ、戻ってきた。

  90. P/A-8ブラックハウンド:

    おかえりなさい、衣装も髪もすごく似合ってるわ。

  91. ミューズ:

    あ……え……!?ありがとう、ございます……

  92. ミューズ:

    ………プ、プロデューサーも……

  93. EB-48Gフレースヴェルグ:

    これでやっと完全体になったってことですね。

  94. EB-48Gフレースヴェルグ:

    これまでの曲に加えて新曲も頑張って練習しましょう!

  95. P-49スレイプニール:

    うん!じゃあこの勢いで練習に行くわよ!

  96. P-49スレイプニール:

    ミューズも!

  97. ミューズ:

    わ、私もですか……?

  98. EB-48Gフレースヴェルグ:

    当然です。う~ん、新曲は7人で歌いますから、既存のポジションを調整しなければ……

  99. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ミューズさん、さぁ、行きましょう!

    1. 頑張ってね。また見に来るよ。
  100. P-49スレイプニール:

    うん!

  101. P-49スレイプニール:

    レッツゴー!