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宝蓮
カット終わりました、いかがでしょ~!お兄さ~ん。

Transcription

  1. 宝蓮:

    カット終わりました、いかがでしょ~!お兄さ~ん。

    1. ありがとう。さっぱりしたよ。
  2. 宝蓮:

    次はシャンプーで~す。こちらへどうぞ~。

  3. 主人公:

    - 宝蓮が椅子の背もたれを倒し、特別に設置したシャンプー台へ押して行こうとすると、艦長室のドアが開いた。

  4. P-49スレイプニール:

    プロデューサー!ミーティングしに来たわ……よ?

  5. P-49スレイプニール:

    スタイリストってやっぱり宝蓮よね!!嬉しいわ!!

    1. あ、もう来たのか、少し待ってて。
  6. 宝蓮:

    私も嬉しいです~!あのスカイナイツのスタイリストが出来るなんて~!お兄さんのシャンプーもすぐ終わりますので~。少々お待ちくださ~い!

  7. 主人公:

    - 宝蓮がそう言うと、目の前が急に真っ暗になった……。顔面に柔らかくてフニフニして、大きくて重みのあるものが乗っている。

  8. 主人公:

    - これは……あれだな……?

    1. 絶景だぁ……。
    2. あの……、顔に……。
  9. 宝蓮:

    えへへ、気持ちいいですか~?

  10. P-49スレイプニール:

    プ、プロデューサー……?もしかしてだけど、お楽しみ中だったの……?

  11. P/A-00グリフォン:

    あのニヤけた口見て……。相当楽しんでるわ……。

  12. P-29リントヴルム:

    リンティもあれくらい余裕でできるのに……

  13. 宝蓮:

    シャンプー流しますね~。

  14. 主人公:

    - 宝蓮が後頭部を流すため、俺の頭を持ち上げた。

  15. 主人公:

    - そのおかげでさらに……

    1. もむっ!?
  16. P-22ハルピュイア:

    私たちにコレを見せたくて呼んだの……?

  17. EB-48Gフレースヴェルグ:

    プロデューサー……もしや見られたがりなのですか……?

  18. P/A-8ブラックハウンド:

    うーん……もう少し後で来た方がいいんじゃない?

    1. ンッ!ンンッ!!
  19. 宝蓮:

    や~ん♡くすぐったいですよぉ、お兄さ~ん♡

  20. 主人公:

    - 幸い、みんなが呆れて帰る前に宝蓮が離れてくれた。

  21. 宝蓮:

    あっ、すみません。お兄さん♡

  22. 主人公:

    - 宝蓮は素早い手つきでトリートメントをすすいで、髪を乾かしてくれた。

  23. 主人公:

    - その手際の良さに感心する間もなく、床に落ちた髪から道具までを素早く片付けて、宝蓮は俺の隣に立った。

    1. んじゃ改めて、スタイリングを担当する宝蓮だ。
  24. 宝蓮:

    よろしくお願いしま~す!皆さんのスタイリストということで、気合入ってまーす!

  25. 主人公:

    - 別に初めて会ったわけでもないので、堅苦しい挨拶もなく、スカイナイツと宝蓮はミーティングを始めた。その様子を見守りながら、近くにあった鏡に自分の頭を映してみる。

    1. おお……
  26. 主人公:

    - 今回はいつもとちょっと違う感じにしてもらったが、これはこれで…以前はバトルメイドに切ってもらってたから、こういう注文は出来なかったんだよな…

  27. P-29リントヴルム:

    なるほど……リンティのセンスにドンピシャですねぇ!

  28. 宝蓮:

    よかった~!リンティさんも気に入ってくれるって思ったんですよぉ~。

  29. P/A-00グリフォン:

    てかさ、ヘアスタイルまで変える感じ?私は今のままが楽でいいんだけど……

  30. P/A-00グリフォン:

    ……まぁ?プロデューサーの頼みなら仕方ないけどさ……?ウィッグつけてロングヘアとかカラーリングとか……

  31. 宝蓮:

    えっとですね、皆さん既にそれぞれのスタイルが確立していらっしゃるので……

  32. 宝蓮:

    大きく変化させるよりは、基本的なケアとセットをするのがいいかと思ってます~。

    1. うん。俺もそう思う。みんな今でも十分可愛いから。
  33. P/A-00グリフォン:

    …っ……最近、リップサービスが上達したんじゃない?

  34. P-22ハルピュイア:

    リップサービスでも嬉しいわ。

  35. P-22ハルピュイア:

    些細なことにも気づいてくれるし、いつも見てくれてるって気がするじゃない?

  36. P/A-00グリフォン:

    わ、私だって嫌だとは言ってないわよ!

  37. P-49スレイプニール:

    へへへ、やっぱ美貌でスカイナイツに敵う部隊なんてそうはいないわね!

  38. 宝蓮:

    あっ、ちょっといいですか……

  39. P-49スレイプニール:

    どうしたの?

  40. 宝蓮:

    スレイプニールさんの髪……。

  41. P-49スレイプニール:

    どう?サラサラでしょ?自慢なのよ~。

  42. 宝蓮:

    かなり傷んでます。これ、ちゃんとケアしてませんね?

  43. P-49スレイプニール:

    えっ…。

  44. 宝蓮:

    髪の毛……ちゃんと私がオススメしたシャンプー使ってますか?

  45. P-49スレイプニール:

    い、いや……あれなくなっちゃって……そこらへんのシャンプーで……

  46. 宝蓮:

    それじゃダメですよ~!自分の髪質に合ったものを使わないとぉ……!

  47. 宝蓮:

    ということは、リンスとトリートメントは?エッセンスは?オイルは!?ていうか、ちゃんと髪乾かしてます!?

  48. P-49スレイプニール:

    え……えっとぉ……

  49. P-29リントヴルム:

    リンティはいっつも言ってますよ?共用のシャンプーはダメだって……

  50. P-29リントヴルム:

    一日中風に当たることが、髪とお肌にどれだけダメージを与えてるのか知ってます?

  51. P-49スレイプニール:

    だって……面倒くさいんだもん……

  52. P-29リントヴルム:

    そういえば昔、ボクの化粧品とパックを大量に借りてって、1週間も経たないうちに返してきましたよね。

  53. P-49スレイプニール:

    うう……

  54. P-29リントヴルム:

    はぁ~……、これはリンティもサポートしないといけないですね。

  55. 宝蓮:

    そうですね!リンティさんは髪も肌も常に理想の状態ですから。毎日のケアの大切さはよく解っていらっしゃいますし!

  56. P-29リントヴルム:

    ふっ……!この可愛らしさを保つために、日々並々ならぬ努力をしていますからね!

  57. P-29リントヴルム:

    そう!湖面に浮かぶ美しい白鳥のように!

  58. 宝蓮:

    その通りです!

  59. 宝蓮:

    面倒くさくても手間暇をかけなければ、美しさを勝ち取ることなんてできませ~ん!

  60. P-49スレイプニール:

    …わ、わかったわよ……やってみるわ。

  61. 宝蓮:

    は~い!ではこちらをどうぞ~。

  62. 主人公:

    - スレイプニールは何故か顔を赤くしながら俺の方をチラチラ見つつ、宝蓮から大量の美容用品を受け取った。

  63. 宝蓮:

    そしてこちらへ~。まずは洗顔の基本から始めましょ~!

  64. P-49スレイプニール:

    せ、洗顔にも基本なんかがあるの!?

    1. ちょっと待った。そろそろ出撃の時間じゃなかったか?
  65. P-49スレイプニール:

    あ、そうだったわ……

  66. 主人公:

    - スケジュールを調整し、スカイナイツの出撃はできる限り減らしているが、それにも限界がある……。

  67. EB-48Gフレースヴェルグ:

    そうでしたね。今回は6人全員での出撃となっています。

  68. P-49スレイプニール:

    とりあえず出撃準備しなくちゃ……

  69. P-49スレイプニール:

    ……リンティ。風でお肌が荒れないようにするにはどうしたらいいの?

  70. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ではプロデューサー、行ってきます。

    1. うん。これ以上は減らせなかったんだ。ごめんな。
  71. EB-48Gフレースヴェルグ:

    そんな、謝らないでください。これが本来の仕事なんですから。

  72. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ……。

  73. EB-48Gフレースヴェルグ:

    あの、宝蓮さん……?

  74. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ……私のような見た目でも、可愛く見えるメイクの仕方などはありますか……?

  75. EB-48Gフレースヴェルグ:

    具体的に申しますと、モモのようにですね―

  76. 主人公:

    - スカイナイツが艦長室を出て行ったのを確認して、宝蓮に話しかけた。

    1. あのさ、お願いがあるんだけど、マッサージを―
  77. 宝蓮:

    マッサージ!?いいですよ!します!いえ!やらせてください!

  78. 宝蓮:

    どこをマッサージしますか?ていうか、フルコースでいいですよね?フルコースにします!

    1. あ…うん。でも、ただ受けるだけじゃなくてやり方を教えてほしい。
  79. 宝蓮:

    え……?それって……お兄さんに……されちゃうってことですか……?

    1. うん。みんな疲れてるだろうし、俺も出来たらなって…
  80. 宝蓮:

    ………あ、本当にマッサージを……

    1. え……?うん……どうした?
  81. 主人公:

    - 少し恥ずかしそうに俺を見つめていた宝蓮は、すぐに笑みを浮かべた。

  82. 宝蓮:

    い、いえ……何でもありません……。お兄さんってそういう人ですもんね♡

  83. 宝蓮:

    ではでは、いつも凝りが酷い肩からマッサージしますね~。

  84. 主人公:

    - 宝蓮はそう言うと、俺の後ろに回って肩に手を置いた。

  85. 宝蓮:

    さぁ~、体の力を抜いてくださ~い。

    1. あぁ……すごく気持ちいっ……
  86. 宝蓮:

    うわぁ……ほんっとすごい……。石かと思いましたよ。

    1. ちょっ………あぁぁっ……
  87. 主人公:

    - 宝蓮はほとんど力を入れていないはずなのに、優しく肩を揉まれるたびに全身に激痛が走り、声を漏らしてしまう。

  88. 宝蓮:

    こんな風に親指を優しくクルクル回しながら、凝り固まった筋肉をほぐしてあげてください。

    1. ん……ふぁぁぁぁ……。そんな……あぁぁ
  89. 主人公:

    - やっと痛みに慣れてきたところでまた別の刺激が走る……その繰り返しでとても正気でいられる状態ではなかった。

  90. 主人公:

    - 気を失いそうになるのを何とか堪える……。もううめき声しか出せず、緊急呼出しボタンを押すかどうか考え始めた頃、突然宝蓮の手が止まってくれた。

  91. 宝蓮:

    あっ……

    1. はぁ……はぁ……ふぅ……。どうした……?
  92. 主人公:

    - 宝蓮がドアの方を見つめている。その視線の先には、ドアの隙間から俺たちを覗くミューズがいた。

    1. ミューズ?
  93. 主人公:

    - 覗いているのがバレて約3秒ほどモジモジしていたミューズは、目をキュッと閉じて走り去った。

  94. 宝蓮:

    あああっ!?

  95. 宝蓮:

    ちょっと待って!

  96. ミューズ:

    ごめんなさい!何も見てません!!

  97. 宝蓮:

    違います!お客さん!ちょっと待ってくださ~いっ!お客さ~ん!!

  98. 主人公:

    - 通路から聞こえる2人の声は、どんどん遠ざかっていく。

    1. ……お?
  99. 主人公:

    - 肩が少しスッキリしている気がする。待ってる間、仕事でもしておくか……。