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Transcription
- 主人公:
- 適当なところで仕事を終え、ミューズの部屋に行くことにした。
- そういえば、まだちゃんと話したことないな…。
- 主人公:
- ドアの前に到着すると、部屋の中から歌が聞こえてきた。
- ……初めて聞く歌だ。
- 主人公:
- 歌が終わったのを見計らってドアをノックした。
- ミューズ、いる?
- ミューズ:
アッ……!?
- ミューズ:
こ、こ、こ、こんにちは……!?
- ミューズ:
…も、もも……もしかして聞こえてましたか……?
- 少しだけ。聴いちゃダメだった?
- ミューズ:
い、いいえ……そういうわけでは、ありませんが……
- ミューズ:
は、は、はははは入りますか……?それとも……
- あ、ありがとう。
- 主人公:
- もうすっかり大量の機材に埋め尽くされてしまった部屋に入って、適当に座った。
- 主人公:
- そっとドアを閉めると、ミューズはまた遠くに離れて座った。
- ミューズ:
あ、あの……
- ミューズ:
……ほ、本日はどういった、ご、ご用件で……?
- いや、まだミューズとちゃんと話してないなって思って。
- 主人公:
- 初めて会った時は会話どころじゃなかったし、その後すぐに部屋に
閉じこもってしまったから…… - ミューズ:
…!す、すみません……
- ミューズ:
こうやって、安心して過ごせてるのも……プロデューサーのおかげなのに……
- それは気にしないで。作業の方はどう?
- ミューズ:
……はい。ユニット曲をチェックしながら、こ、これを……
- これが例の新曲?
- 主人公:
- ミューズが微かに頷きながら、俺にモニターを見せた。
- …うーん。楽譜なのは分かった。
- ミューズ:
ふふ。
- ミューズ:
…あっ、あぁ……すみません。わ、笑ったのは、その……
- その?
- ミューズ:
その……えっと……
- ミューズ:
あうぅ……
- ……
- 主人公:
- ここは話題を変えた方が良さそうだな……。
- ユニット曲はどんな感じ?俺もまだ最後まで聞いてないんだ。
- ミューズ:
ユニット曲、は……
- ミューズ:
全部、本当に素敵な曲ばかりです。
- そうなんだ?すごいな……みんなにそんな才能があったなんて…
- ミューズ:
そ、その……えっと……
- ミューズ:
技術面、では……まだまだ足りない部分があるのは事実です……
- ……やっぱそうだよな?
- ミューズ:
はい……
- ミューズ:
で、でも……!
- ミューズ:
みなさんの曲には……真心がこもっています。
- 真心?
- ミューズ:
はい。たった一人のためだけに……不器用ながらも精一杯の想いを込めた、
真心です。 - 主人公:
- ミューズのその言葉に、さっき聞いた曲の歌詞を思い返してみた。
- ……
- ミューズ:
メロディーに真心をのせ……心の底からの、本当の想いで歌うこと……
- ミューズ:
それこそが真の歌なんです……だから、あの歌はきっと素敵な歌になります。
- ……うん。俺もそう思う。
- ミューズ:
…あっ……
- ミューズ:
す、すみません……雰囲気に流されて変な事を……。
- ううん。いい話が聞けたよ。それが君の……音楽観なんだろ?
- ミューズ:
……はい。
- ミューズ:
私は、真心を込めて歌いたくなる……そんな曲を作りたいんです。
- うん。楽しみにしてるよ。
- ミューズ:
あ……もう行かれるん、ですか……?
- そろそろステージの設置をしないといけなくてね。どうかした?
- ミューズ:
あ、いいえ……ただ……。
- ミューズ:
………。
- 主人公:
- ミューズはまだ何か言いたそうにそわそわしていた。
立っていたら、さらに慌ててしまいそうだし、もう一度腰を下ろすことにした。 - 主人公:
- …………どれくらい待っただろうか……?
ついにミューズは蚊の鳴くような声で話しはじめた。 - ミューズ:
こ、今度また……
- ミューズ:
また……来てくれます、か…?
- 行ってもいいの?
- ミューズ:
……!はい……!
- ミューズ:
も、もちろんです……。
- 分かった。ミューズも艦長室に来ていいから。いつでも。
- ミューズ:
………。
- じゃあまた。
- 主人公:
- ミューズは小さく頷き、俺も頷き返すと部屋を出た。
- 主人公:
- 前髪の隙間から見えたあの日と同じ澄んだ目は、
嬉しそうに笑っていたような気がした。