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主人公
- オルカ号、練習部屋。

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  1. 主人公:

    - オルカ号、練習部屋。

  2. 主人公:

    - スカイナイツのメンバーたちは、真剣に練習に取り組んでいる。

    1. …ハルピュイア、大変そうだな。
  3. 主人公:

    - ハルピュイアは他のメンバーにワンテンポ遅れながらも、必死にみんなのダンスについていっている。

  4. 主人公:

    - この前見た時は、ツーテンポ遅れていたような……着実に進歩してるな。

  5. 主人公:

    - ハルピュイア以外のメンバーの歌とダンスも、以前とは比較にならないほど安定している。

  6. 主人公:

    - フレースヴェルグは……後方でメンバーを見ながらニヤニヤしている……。

    1. 大丈夫かな……?
  7. 主人公:

    - 何事も真面目にやる性格だから特に心配してはいないけど……。あれはモモを遠目から見ている時の顔だ……

  8. 主人公:

    - 適当にタイミングを見計らい、練習部屋に入った。

  9. P-29リントヴルム:

    プロデューサーさん!

  10. P-29リントヴルム:

    あっ、リンティ今汗だくなので~、ちょっと待ってくださいね~。シャワーを浴びたらプリティ成分補給のハグをしてあげますから~。

  11. P-22ハルピュイア:

    プロデューサー……

    1. 頑張ってるね。
  12. 主人公:

    - ハルピュイアは俺の姿を見るや否や、フラフラと寄って来て力なく抱きついた。

    1. みんな、すごく上達してる。
  13. EB-48Gフレースヴェルグ:

    はい、プロデューサーの仰る通りです。

  14. EB-48Gフレースヴェルグ:

    この調子でいけば、きっと最高のステージに出来るでしょう。

    1. …フレースヴェルグは練習しないのか?
  15. EB-48Gフレースヴェルグ:

    わ、私は私なりの練習をしていますので……

  16. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ズバリ……イメージトレーニングです。

    1. う~ん……
  17. 主人公:

    - 俺が疑いの視線を向けると、フレースヴェルグはかけていた眼鏡を外した。

  18. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ふ……。ではお見せいたしましょう。

  19. EB-48Gフレースヴェルグ:

    私の「実力」を。

    1. おお……
  20. 主人公:

    - フレースヴェルグのダンスは、確かに自慢できるレベルで素晴らしかった。

  21. P/A-00グリフォン:

    こんなんだから私たちも何も言えないのよね……。

  22. P/A-00グリフォン:

    そもそも、ポジションとか動線を全部考えてくれてるから、私たちの中で一番上手いのよ……。

  23. EB-48Gフレースヴェルグ:

    つい本気を出してしまいました。お恥ずかしい。

    1. まさか歌もイメージトレーニングしてるのか?
  24. EB-48Gフレースヴェルグ:

    はい。毎晩寝る前に、ステージの上で歌う自分の姿を―

  25. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ……あ、何でもありません。

  26. P-49スレイプニール:

    あ、私、知ってる!

  27. P-49スレイプニール:

    寝る前に妄想するとスッと眠れるアレでしょ?ステージの上で大歓声を浴びたり、誰かをカッコよく助ける状況とか……そういうの。

  28. EB-48Gフレースヴェルグ:

    も、妄想だなんて!イメージトレーニングです!失礼な……

  29. P/A-00グリフォン:

    なるほどね……アイマスクしてニヤけてたのは、そういうことだったのね……。

  30. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ……!み、見られていた……だと……!?

  31. EB-48Gフレースヴェルグ:

    そ、そんな……!

  32. P/A-00グリフォン:

    ……そろそろ楽になったら?あんたがヤバいのはもうバレてるわよ。

  33. P/A-8ブラックハウンド:

    プロデューサー、最初に歌う曲はもう聴かれました?

    1. うん。よかったよ。
  34. P/A-8ブラックハウンド:

    はぁ……よかった。じゃあこの曲の……そうだった、曲のタイトルを決めたんです。

    1. そうなんだ!
  35. P-29リントヴルム:

    LoverLover!

  36. P-29リントヴルム:

    エル・オー・ブイ・イー・アール!エル・オー・ブイ・イー・アールです!

    1. ものすごくストレートだな……
  37. 主人公:

    - 確かにLoverLover……って歌ってたな……ドストレートだ……

  38. P/A-8ブラックハウンド:

    ということでLoverLoverはかなり形になったので、ユニット曲と新曲を集中的に練習していこうと思ってます。

  39. P-22ハルピュイア:

    えぇぇぇぇ……。まだLoverLoverも上手く出来てないのにぃぃぃぃ……

  40. P-29リントヴルム:

    ダンスしてる時もそういう風に体動かしたらいいのに……。

  41. P-22ハルピュイア:

    だから、思い通りに体が動かないんだってば~。

  42. P/A-8ブラックハウンド:

    頑張ろう。どんどん良くなってきてるから。

    1. 俺もそう思う。あっ、それから……
  43. P/A-8ブラックハウンド:

    あっ。

  44. P/A-8ブラックハウンド:

    ついに全員の衣装が揃ったんですね!

    1. うん。スレ―
  45. 主人公:

    - スレイプニールとフレースヴェルグは、俺が持っていた衣装を一瞬で掻っ攫っていた。

  46. P-49スレイプニール:

    ついに完成したのね!

  47. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ふふふ……ついに……こ、これで私も……アイドルフォームに……

  48. P-49スレイプニール:

    じゃあ着替えてくるわね!

  49. P-49スレイプニール:

    フレースヴェルグ!行こ!

  50. EB-48Gフレースヴェルグ:

    行きましょうか……!

    1. あ、ちょっと待ってくれ。
  51. EB-48Gフレースヴェルグ:

    はい?

    1. オードリーからの伝言だ。
  52. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ………まさか。

    1. うん。そのまま着るか着ないか、その二択しかないとのことだ。
  53. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ………。

  54. EB-48Gフレースヴェルグ:

    仕方ありませんね……

    1. でもこれだけは許してもらった。
  55. EB-48Gフレースヴェルグ:

    え……?何でしょう……

    1. はい。どうぞ。
  56. 主人公:

    - 俺がそれを手渡すと、フレースヴェルグの表情はゆっくりと明るくなった。

    1. ワッペンって言うのか?これを付けることは許してくれた。
  57. EB-48Gフレースヴェルグ:

    プロデューサー……

  58. 主人公:

    - フレースヴェルグはモモステッカー型ワッペンを握りしめて、眼鏡越しにニッコリと笑っていた。

  59. EB-48Gフレースヴェルグ:

    本当にありがとうございます。早速着替えてきますね。

    1. うん。俺も早く見たい。
  60. P-49スレイプニール:

    プロデューサぁぁぁぁぁぁ~!!!!

    1. うわっ!?
  61. 主人公:

    - あっという間に着替えてきたスレイプニールは、叫びながら俺の胸に飛び込んできた。

  62. P-49スレイプニール:

    プロデューサー……!!  ホントに愛してる!!

    1. 気に入った?
  63. P-49スレイプニール:

    うん!

  64. EB-48Gフレースヴェルグ:

    私からもお礼を言わせてください、プロデューサー。

  65. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ここまで気分が高揚するのは……初めてです。

  66. EB-48Gフレースヴェルグ:

    どうお返しすればいいのか……

    1. 頑張って練習してくれたら、それでいい。
  67. P-49スレイプニール:

    プロデューサー……!

    1. そうそう。スレイプニール達もユニット曲の練習してるんだよね?
  68. P-22ハルピュイア:

    うん……でも、まだ本格的に始めてないの……たぶん私のせい……

  69. P-49スレイプニール:

    違うって~!

  70. P-49スレイプニール:

    忘れたの?ダンスはないから。

  71. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ですが、楽器の演奏という課題があります。

  72. EB-48Gフレースヴェルグ:

    バンド曲という特性上、編曲作業にも難航が予想されます。

    1. そうだな。全員楽器を持って歌うのか?
  73. P-49スレイプニール:

    うん。一人一つずつ担当して、あとシンセサイザーも使う予定よ。

    1. ん?二つ担当してる人いない?
  74. P-49スレイプニール:

    え?うん。フレースヴェルグがやると思う。

    1. ……
  75. 主人公:

    - スレイプニールはさも当たり前のように言う……。それに対しフレースヴェルグは動じることもなく、いたって真面目な表情で口を開いた。

  76. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ついに「実力」をお見せする時が来ましたか……

  77. EB-48Gフレースヴェルグ:

    私の人生は常に音楽と共にありました。耳には自信があります。

  78. EB-48Gフレースヴェルグ:

    使い方さえマスターすれば、その程度……やってみせましょう。

  79. P-22ハルピュイア:

    楽器……どれが一番動かないで済むかしら……。

    1. 頑張れ……
  80. 主人公:

    - 弱々しく立ち上がるハルピュイア。俺も立ち上がって、膝やお尻の埃をポンポンと払う。

    1. じゃ、俺は行くよ。ユニットの練習もまた見に来るから。
  81. EB-48Gフレースヴェルグ:

    はい。いつでも大歓迎です。

  82. P-49スレイプニール:

    合奏練習する時は絶対見に来てね~!

  83. P-22ハルピュイア:

    演奏かぁ……歌は……ハウツー本をたくさん読んだからいいけど……。演奏のも探さないと……

    1. ……
  84. 主人公:

    - 寂しそうに手を振るハルピュイアに手を振り返してやり、艦長室へと向かった。