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主人公
- ステージの設置状況を確認するため、甲板に向かうエレベーターに乗った。

Transcription

  1. 主人公:

    - ステージの設置状況を確認するため、甲板に向かうエレベーターに乗った。

  2. 主人公:

    - アザズの話では、昨晩から作業を始めたらしい……

  3. 主人公:

    - エレベーターのドアが開くと、目の前には驚くべき光景が広がっていた……。

    1. 完成してる……
  4. ??:

    まだ完成はしてませんけど?

  5. 解体者アザズ:

    仕上げの作業が少し残っています。

    1. かもしれないけど……昨晩から作業を始めたんじゃ……
  6. 解体者アザズ:

    AGSの方達にも少し手伝ってもらいました。あっ、これ要請書です。先に提出しておくのを忘れていました。

    1. ……しかも専用の様式じゃないし……。
  7. 主人公:

    - アザズが手渡してきた紙には手書きで「AGS数人と一緒に作業します。アザズ」と書いてあるだけだった。

  8. 解体者アザズ:

    あら、様式があったんですか?失礼しました。

    1. ……
  9. マキナ:

    アザズさん、あちらに……あ……。

  10. マキナ:

    おはようございます。

    1. おはよう。特に問題はない?
  11. マキナ:

    はい。アザズさんが協力してくれたおかげですべて順調です。

  12. マキナ:

    あの「解体者」と一緒に働くことになるなんて……

  13. 解体者アザズ:

    その二つ名、実はあんまり好きじゃないんです。

  14. 解体者アザズ:

    解体よりも作る方が好きなので。

  15. マキナ:

    そ、そうでしたか……

  16. P/A-00グリフォン:

    プロデューサー!これ何……?まさか……

    1. そのまさかだ。
  17. P/A-00グリフォン:

    こんなに大きいの……?

  18. 主人公:

    - 呆然とステージを見上げるグリフォンの後に続いて、スカイナイツのメンバーたちが続々と甲板に上がってきた。

  19. P-22ハルピュイア:

    す、すごくおっきい……。

  20. P/A-8ブラックハウンド:

    甲板の上に、こんな大きなステージを設置するなんて……。

  21. P-49スレイプニール:

    すごぉ…………。じゃなくて!

  22. P-49スレイプニール:

    こ、これくらいの大きさで驚いちゃダメよ!!私たちがパフォーマンスするんだから!これくらいはなきゃ!まだまだ小さいくらいよ!

  23. EB-48Gフレースヴェルグ:

    こ、これほど巨大とは……

  24. EB-48Gフレースヴェルグ:

    圧倒されてしまいますね。

  25. P-29リントヴルム:

    キャ~、素敵~!

  26. P-29リントヴルム:

    プロデューサーさん!ちょっと上がってみてもいいですか?

  27. 解体者アザズ:

    まだダメです。

  28. P-29リントヴルム:

    ええ~?なんでですか~?もう完成してるじゃないですか~!

  29. 解体者アザズ:

    安全検査前ですので。

  30. P-49スレイプニール:

    ねえ……ていうか……これ、一晩で作ったの?

  31. 解体者アザズ:

    はい。夜行性ですから。

    1. 昼間に会えたらラッキーだぞ。
  32. 解体者アザズ:

    ふふ、夜ならいつでも歓迎しますよ。司令官なら大歓迎です。

  33. 解体者アザズ:

    いいえ、う~ん……

    1. どうした?
  34. 解体者アザズ:

    そういえば、必ずしも夜である必要はない気がしまして……。

  35. 解体者アザズ:

    そういえばまだ、昼間私が寝ている時にしてもらってないですね。待っているのですが?

    1. ……な、何の話してる……?
  36. 主人公:

    - 突然違う話をしだしたアザズに、冷や汗をかいていると、ドラキュリナが鼻息を荒くしてやってきた。

  37. ドラキュリナ:

    あんたねぇ!何ぺちゃくちゃお喋りしてんのよ?

  38. ドラキュリナ:

    あんたの作業が止まってるせいで、私の作業が全然進まないじゃない!

  39. 解体者アザズ:

    あら、そうでしたか。私の作業、何か止まってました?

  40. ドラキュリナ:

    外部配線よ!早くやって!音響機器を接続しないと―

  41. 解体者アザズ:

    それなら夜明け前に終わらせておきました。えっと……6時間20分前ですね。

  42. ドラキュリナ:

    は、はぁ……?嘘言わないで。確かに私が……

  43. ドラキュリナ:

    …ほ、本当だわ!?終わってる……どういうこと……?

  44. 解体者アザズ:

    ふふ、問題なく作業が進められますね?

  45. 解体者アザズ:

    では私は安全検査を開始します。あまりお待たせすると、スレイプニールさんがどうにかなってしまいそうですし。

  46. 主人公:

    - アザズが安全検査が終わったと言うや否や、スカイナイツはステージに上がった。

  47. 主人公:

    - 臨時で設置されたスタッフ席に座っていると、一緒に座っていたアザズがおもむろに口を開いた。

  48. 解体者アザズ:

    公演も楽しみですけど……それが終わったら、このデッキで日光浴を楽しみたいです。

  49. 解体者アザズ:

    ふふ、想像しただけで気持ちよくなってきました。

    1. 夜行性の話はどこに行った……?
  50. 解体者アザズ:

    そうですね……起きられないかもしれませんけど、司令官と一緒に寝て、起こしてくれたら解決しますね。

  51. ドラキュリナ:

    聞き捨てならないわね!あの子たちのライブが終わったら、次は私のライブなんだから!約束、忘れてないでしょうね?このデッキに納まるようなステージじゃ満足しないわよ?

  52. ドラキュリナ:

    ねぇ、あなたもわかってるでしょうね!?次はこのドラキュリナ様のために―あっ、気が利くじゃない、ありがとう。

  53. 主人公:

    - 俺が用意していたトマトジュースを差し出すと、ドラキュリナは幸せそうな顔で飲み干した。

  54. 主人公:

    - いつも「ステージを建てるなら、あそこをコンクリートで……」みたいな話をしてたから、てっきり俺はステージの設営がしたいんだと……

  55. マキナ:

    皆さん……楽しそうですね。

    1. そうだな。
  56. 主人公:

    - ステージの上では、スカイナイツのみんなが楽しそうにハシャギ回っている。

  57. マキナ:

    ……こういうのが……私が望んでいた風景なのかもしれません。

  58. マキナ:

    些細なことに喜びを感じ……日常の中で幸せを見つけ、笑い合う。

  59. 解体者アザズ:

    司令官はどうですか?皆さんが、あんな風に楽しそうにしている姿を見て……

    1. ……
  60. 主人公:

    - そう聞かれ、しばらく考えているとステージの上のスレイプニールと目が合った。

  61. 主人公:

    - スレイプニールが満面の笑みで俺に手を振ると、それに気が付いた他のメンバーたちも俺を呼びながら手を振った。

    1. ……幸せ……かな。
  62. 主人公:

    - ……手を振り返しながら、思わず言葉が出た。

  63. 解体者アザズ:

    ふふ、そうだと思いました。

  64. マキナ:

    本当に素敵な方ですね、あなたは。

    1. こほん……あ、そうだ。ドラキュリナ。
  65. 主人公:

    - 二人が急に微笑みながらそんなことを言うものだから、話題を変えることにした。

  66. ドラキュリナ:

    何よ?

    1. 歌いたかったんだよな?どうする?特別ゲストとして参加するか?
  67. ドラキュリナ:

    ……ふん!さっきも言ったでしょ?この程度のステージじゃ満足しないわ!それにこのステージはあの子たちのもの。そこに喜んで参加するほど、私も野暮じゃないわ。

  68. ドラキュリナ:

    だから……もっと大きくて、最高のステージを用意しなさい。そしたら歌ってあげるわ。

  69. 解体者アザズ:

    ドラキュリナさんには私もステージを作ると約束していますから、私も手伝いますよ。

  70. ドラキュリナ:

    当ったり前でしょ!?約束守りなさいよね?破ったら絶対に許さないんだからね!あと、あんたも!演出担当だからね!

  71. マキナ:

    ふふ、わかりました。

  72. ドラキュリナ:

    ふん。

  73. P-49スレイプニール:

    プロデューサー!

  74. P-49スレイプニール:

    凄い凄い!最高のステージだわ!!

  75. P/A-00グリフォン:

    は…はは、今から足が震えちゃってるわ……。

    1. 気に入ってくれた?
  76. P-49スレイプニール:

    うん!!

  77. P/A-8ブラックハウンド:

    ミューズにも見せてあげたいので、迎えに行こうと思うんですが。大丈夫ですか?

    1. もちろん。一緒に見てあげて。
  78. P/A-00グリフォン:

    プロデューサーは?仕事?

    1. うん。そろそろ戻るよ。
  79. P-49スレイプニール:

    - 立ち上がり、うーんと伸びをしてからエレベーターに向かおうとすると、誰かに服の裾を掴まれた。

  80. P/A-00グリフォン:

    あんまり無理しないで。

  81. P/A-00グリフォン:

    ……また倒れてライブ…見れなくなったらどうするのよ。

    1. そんなことにはならないよ。
  82. P/A-00グリフォン:

    ふん。いっつも口だけは達者なんだから……

  83. P/A-00グリフォン:

    じゃあ、頑張って。