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P-49スレイプニール
みんな、準備はできてる?

Transcription

  1. P-49スレイプニール:

    みんな、準備はできてる?

  2. P-49スレイプニール:

    もう数時間後には本番よ!

  3. P/A-00グリフォン:

    ふ~……緊張する……

  4. P/A-00グリフォン:

    歌詞飛んじゃったらどうしよ……。

  5. EB-48Gフレースヴェルグ:

    何億回も練習したじゃないですか。きっと大丈夫です。上手くいきます。

  6. EB-48Gフレースヴェルグ:

    ……モモ……、見てくださいね……!

  7. P-22ハルピュイア:

    客席がこの前よりもずっと広く見える……。

  8. P-22ハルピュイア:

    これが満席になると思うと……うぅ……

  9. P/A-8ブラックハウンド:

    うん!すごく楽しみね~!

  10. P-22ハルピュイア:

    緊張しないの……?

  11. P/A-8ブラックハウンド:

    緊張はするけど、ワクワクの方が大きいわ!

  12. P-29リントヴルム:

    リンティもすごく楽しみですよ!ボクのプリティさをみんなにアピールできる最高の機会ですから!

  13. P-29リントヴルム:

    あ、プロデューサーさん!

    1. もうすぐリハーサルだ。準備はいいか?
  14. P/A-8ブラックハウンド:

    はい。問題ありません。

  15. P-22ハルピュイア:

    プロデューサー……

  16. P-22ハルピュイア:

    みんな……見に来るのよね……?

    1. うん。警備要員を除いてみんな来る。
  17. P-22ハルピュイア:

    うああ……

  18. P-29リントヴルム:

    ……………。

  19. P-29リントヴルム:

    はは~ん?わかりましたよ?この前みたいに緊張してるのを言い訳にして、ステージ裏で「頑張れるようにプロデューサーの体温、分けて……?」ってするつもりですね!?

  20. P-22ハルピュイア:

    私がいつそんなことした!?

  21. P-29リントヴルム:

    違うっけ?じゃなかったらぁ……

  22. P-29リントヴルム:

    あぁ!そうそう!ライブが終わった後で、「プロデューサー…私もう隠しきれない。ステージの上でもずっと…」って……

  23. P-22ハルピュイア:

    リンティ~!

  24. P-29リントヴルム:

    えへへ!

  25. P/A-8ブラックハウンド:

    緊張が少しほぐれたみたいね。よかったわ。

  26. P/A-8ブラックハウンド:

    プロデューサー、ステージに上がればいいんですか?

    1. ちょっと待て。音響と照明の準備が出来たら連絡が来ることになってる。
  27. 主人公:

    - ステージのあちこちで隊員たちが慌ただしく最終チェックを行っている。

  28. P-49スレイプニール:

    そうそう!裏方をやってくれてるみんなに差し入れをしようと思って!おやつを……

  29. P-49スレイプニール:

    ああっ!!部屋に置いてきちゃったぁ!!!

  30. EB-48Gフレースヴェルグ:

    私とグリフォンがちゃんと持ってきましたよ。

  31. EB-48Gフレースヴェルグ:

    プロデューサー、スタッフの皆さんに……

  32. 主人公:

    - フレースヴェルグが後ろに積まれた箱を指差した。

    1. すごい量だな……
  33. P/A-00グリフォン:

    私たちのへそくり全部叩いたわよ……。

    1. …よかったのか?
  34. P/A-00グリフォン:

    ……ダイエットだと思えば、大丈夫……

  35. P-49スレイプニール:

    みんなには本当に感謝してるの。……私たちのためにここまでしてくれて……アザズたちは特に大変だったと思う。

    1. はは……。それはどうなんだろうな……
  36. P-49スレイプニール:

    え?

  37. 解体者アザズ:

    別に皆さんのためにしてるわけではありませんよ。

  38. 解体者アザズ:

    それはそれとして、おやつはありがたく頂戴します。

  39. マキナ:

    こんな日常的な…。

  40. マキナ:

    いいえ、むしろ今の私たちにとっては非日常的になるでしょうか?

  41. マキナ:

    そんな時間を過ごせて、私の方がお礼をしたいほどです。とても楽しくて素敵な時間でした。ありがとうございました。

  42. 解体者アザズ:

    マキナさんの言う通りです。模型だけじゃなく、たまにはこういう大きなものも作りたくなりますし。ちょうどよかったです。

  43. 解体者アザズ:

    もぐもぐ……それにしてもこれ美味しいですね。もっと貰いますが、いいでしょうか?

  44. P-49スレイプニール:

    あ、うん……す、好きなだけ食べて……

    1. はは……。みんな、やりたくてやってるんだよ。
  45. P-49スレイプニール:

    ……うん。ありがとう、プロデューサー。

    1. 俺は何もしてないよ。その気持ちはライブでみんなに。
  46. P-49スレイプニール:

    うん!最高のステージにしてお返しするわ!

  47. 解体者アザズ:

    ふふ、楽しみにしてます。

  48. マキナ:

    私も最高の演出で皆さんをサポートします。

  49. 解体者アザズ:

    それから―あら?

  50. 主人公:

    - アザズは甲板を転がっていた部品を拾い上げると、突然黙り込んだ。

  51. 解体者アザズ:

    ……。

  52. マキナ:

    アザズさんのこういう姿にはまだ慣れませんね……。

  53. マキナ:

    それでも最近は色々と話をするようになりましたけど……

    1. ステージの話?
  54. マキナ:

    はい。プライベートでも仲良くさせてもらうようになりまして、何度かお部屋にもお邪魔しましたが、たまにこんな感じで急に考え込むんです。

  55. マキナ:

    ……新兵器開発のインスピレーションでも湧いたのでしょうか?やっぱり……「解体者」ですからね。

    1. う~ん。どうだろう……
  56. 主人公:

    - ……あれは模型のアイデアが浮かんだ顔な気がする……。ランパリオンとタイラントを合体させて、グレートランパリオンとかそういう……

  57. 解体者アザズ:

    すみません、急用ができたのでちょっと失礼します。

  58. 解体者アザズ:

    また後で。

  59. マキナ:

    あ……

  60. マキナ:

    きっとドクターさんのところに相談しに行ったんでしょうね……一体どんな新兵器が……

    1. いや…たぶん部屋に戻って楽な格好に着替えるんだと思う…
  61. マキナ:

    ……?

  62. P-49スレイプニール:

    ねぇ、さっきから会話についていけてないんだけど……?

    1. 大丈夫……それが普通だから……
  63. ドラキュリナ:

    あいつの話を理解しようだなんて、思わない方がいいわよ。

  64. P-49スレイプニール:

    ドラキュリナ!!ボイトレだけじゃなく、裏方までやってくれてありがと~!!

  65. P-49スレイプニール:

    ほら、これ受け取って!

  66. ドラキュリナ:

    ふん、ま、まぁ美味しそうじゃない?

    1. 作業の方はどうだ?
  67. ドラキュリナ:

    当然、このドラキュリナ様が完璧にセッティングしておいたわ。あとはリハーサルで最終調整すれば終わりよ。

  68. P-49スレイプニール:

    ありがとう!

  69. ドラキュリナ:

    これくらい、どうってことないわよ。

  70. ドラキュリナ:

    それはそうと……この前も思ったけど、それ、ずっと着てるつもり?

  71. P-49スレイプニール:

    うん。なんだか気に入っちゃって……。ライブが終わってもずっと着てよっかなって!

  72. ドラキュリナ:

    それがいいと思うわ。あの…出撃する時に着てるペンギンみたいな……?ビニールみたいな服に比べたら、100万倍可愛いから。

  73. P-49スレイプニール:

    ペ、ペンギン……!?

  74. P-49スレイプニール:

    ちょっと!?どこがペンギンよ!だいたい、空飛ぶペンギンなんているわけないでしょ!?

  75. ドラキュリナ:

    な、何よ……。飛ぶとか飛ばないとかどっちでもいいでしょ……。

  76. P-49スレイプニール:

    ………。

  77. ドラキュリナ:

    じゃあね。あんたたちのライブ、このドラキュリナ様が楽しんであげるんだからせいぜい頑張りなさい?

  78. ドラキュリナ:

    あとあなた。これだけじゃ全然足りないわよ。トマトジュースをもっと持ってきなさい。キンッキンに冷やしてね。

    1. あ、うん……。
  79. 主人公:

    - ドラキュリナはトマトジュースのパックを一気に飲み干し、悠々と立ち去った。スレイプニールはペンギンが余程ショックだったのか、床をじっと見つめていた。

  80. P-49スレイプニール:

    ペ、ペンギン…。

  81. P-49スレイプニール:

    プロデューサー……プロデューサーも私の戦闘服、ペンギンみたいだ……って思ってた……?

    1. ……うん。
    2. いや……ツバメじゃない?
  82. P-49スレイプニール:

    そ、そんな……

    1. えっとぉ……スレイプニールはどう思ってたんだ?
  83. P-49スレイプニール:

    特に何も……でも、ペンギンはなかったわ……空飛ぶペンギンなんていないじゃない……ペンギンは海でしょ?

    1. そういう問題なの……?
  84. P-49スレイプニール:

    …ううん、ペンギンでも何でもいいわ。私は私よ……!

    1. おお……
  85. 主人公:

    - さすがはスレイプニール……。溢れる自己肯定力で瞬く間に自信を取り戻した。

  86. P-49スレイプニール:

    ツバメ……?

  87. P-49スレイプニール:

    そうよ……!ツバメよ!ツバメだったのよ……!

  88. P-49スレイプニール:

    プロデューサー、私はツバメだったのよ!素早くて敏捷な!!

    1. あ、うん。それに……
  89. P-49スレイプニール:

    何?

    1. そのイヤリングもツバメの形だし。
  90. P-49スレイプニール:

    ……え?

  91. 主人公:

    - スレイプニールはイヤリングを見ようと体を捻ったり、首をブンブン振ってしばらくもがいたあと、リンティに手鏡を借りると悲鳴を上げた。

  92. P-49スレイプニール:

    これツバメだったの!?

    1. 知らないで着けてたのか?
  93. P-49スレイプニール:

    だって……服とセットになってたから……

  94. P-49スレイプニール:

    可愛いな~としか思ってなかった……

    1. ……
  95. 解体者アザズ:

    お楽しみ中のところすみません。最終チェックが終わりました。

    1. さっきの急用は?
  96. 解体者アザズ:

    無事に終わりました。

  97. マキナ:

    ステージ演出の方も準備完了です。

    1. よし。始めようか。
  98. P-49スレイプニール:

    うん!

  99. ??:

    プロデューサー!

  100. P/A-8ブラックハウンド:

    はぁ、はぁ……大変です!!

    1. どうした?
  101. P/A-8ブラックハウンド:

    ミューズが、ミューズがいないんです!!

  102. P-22ハルピュイア:

    なかなか来ないから部屋に行ってみたら居なくて……、私たちの部屋にも居ないし……

    1. トイレにでも行ってるんじゃないのか?
  103. P/A-00グリフォン:

    これを見て。

  104. 主人公:

    - グリフォンが小さな紙切れを差し出した。

  105. 主人公:

    - そこには見覚えのあるミューズの字で「ごめんなさい」と書かれていた。

    1. これは……。
  106. P/A-8ブラックハウンド:

    プロデューサー、どうしましょう……?

    1. …とりあえずリハーサルをしておいてくれ。俺が探してみる。
  107. P-22ハルピュイア:

    でも……

    1. 最終調整はしておかないと。それにすぐに見つかるかもしれない。
  108. P/A-00グリフォン:

    …分かったわ。

  109. P/A-8ブラックハウンド:

    …はい。