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T-13アルヴィス
み、道が険しい……

Transcription

  1. T-13アルヴィス:

    み、道が険しい……

  2. ダッチガール:

    大丈夫?荷物持とうか?

  3. T-13アルヴィス:

    うぅ……ううん、大丈夫…このくらい……

  4. LRL:

    よく言った!使い魔よ……!

  5. LRL:

    この真祖の軍勢に属する者が……はぁ……よ、弱った姿を見せるのは恥…なのだ!

  6. LRL:

    だ、だから……

  7. LRL:

    はぁ……はぁ……ふぅ…。

  8. ダッチガール:

    大丈夫?手伝おうか?

  9. LRL:

    ……永劫の時を……ひぃ…生きてきた…よ、余は…。

  10. LRL:

    うむ………

  11. ダッチガール:

    ちょうだい、私が持つ。あ……

  12. ダッチガール:

    そういえば元々の計画だと、探検はここまでだったと思うけど……タチ、そうだよね?

  13. タチ:

    [僕はコンコン。そうだよ。マスターが許可したのはここまでだったよ。]

  14. タチ:

    [俺はトントン。そうだ。これ以上はマスターの許可が下りるまで待機しろ。]

  15. LRL:

    ふっふっふっ……。両手に死者の霊魂を宿し、操るとは!さすがは余の咆哮の剣!相当なやり手であるな!

  16. ダッチガール:

    ただの腹話術じゃん。

  17. LRL:

    うぐっ。しかし、余の眷属のための探険……待機など―

  18. タチ:

    [マスターがお前の眷属だと?]

  19. LRL:

    うむ……ひっ、ひぃっ…!?な、何故剣を抜くのだ……?

  20. T-13アルヴィス:

    ちょっと待ったぁ!

  21. T-13アルヴィス:

    司令官様にプレゼントする宝物を探すための探険でしょ?仲間同士で喧嘩しちゃダメだよ~!

  22. タチ:

    [プレゼント……]

  23. LRL:

    そ、そうだぞ!

  24. LRL:

    この旅はこの真祖の眷属であり、オルカ号の司令官、咆哮の剣のマスターのための探険。

  25. LRL:

    眷属が喜ぶ宝物を見つけるのが目的なのだ!見よ!余が手に入れたこの宝の地図を!

  26. T-13アルヴィス:

    うわぁ~!すごーい!なになに?そんなのがあったんだね~?

  27. タチ:

    [……!]

  28. T-13アルヴィス:

    あれ?これって昨日LRLが寝る前に描いてたやつじゃない?

  29. LRL:

    うぐっ……

  30. LRL:

    …よ、余は啓示を受けたのだ!ここに伝説の宝物があるという啓示を!

  31. LRL:

    真祖のプリンセスを疑うものではないぞ!余に続く準備はできておるのか!?使い魔たちよ!

  32. T-13アルヴィス:

    ついてく、ついてく!チョコレートもたくさんあるよね?

  33. LRL:

    もちろん!

  34. LRL:

    さぁ……遠征は終わらぬ!我らが胸に宝物への野心ある限り!余に続け、我が軍勢!

  35. T-13アルヴィス:

    わぁ~い!

  36. タチ:

    [チョコレート…。]

  37. タチ:

    [マスター…!]

  38. ダッチガール:

    おーい。みんな、司令官が予定にない所に行く時は連絡しろって言ってたはずだよ。

  39. ダッチガール:

    ……真っ暗な所は嫌だな。

  40. LRL:

    うわああぁぁ…!すごく綺麗……海と繋がってるみたい!

  41. LRL:

    ……はっ!

  42. LRL:

    …ど~だ!使い魔たちよ!美しいと思わないか!

  43. T-13アルヴィス:

    うんうん!司令官様も呼んじゃう?

  44. タチ:

    [……。]

  45. タチ:

    […マスターが喜ぶプレゼント。]

  46. ダッチガール:

    あ……。1人で行動したら危険だよ。

  47. ダッチガール:

    それからタチ、君は私と一緒で現場監督を任されてるんだから……

  48. LRL:

    余の剣よ、1人でどこに向かおうというのかね!

  49. T-13アルヴィス:

    あそこにもう1つ洞窟があるよ~

  50. T-13アルヴィス:

    タチが発見したみたい。私たちも行こう!

  51. LRL:

    その提案、寛大な余は受け入れてやろう。

  52. LRL:

    行け、白き野獣よ!

  53. T-13アルヴィス:

    うん!わかった!

  54. T-13アルヴィス:

    あっ、違うか!白い野獣、行っくぞ~!

  55. ダッチガール:

    みんな!ちょっと待って―

  56. ダッチガール:

    …はぁ……。司令官が私に監督を頼んだ理由が分かった気がする。

  57. :

    きゃあああぁぁぁぁぁぁ―!!!

  58. ダッチガール:

    悲鳴!?

  59. ダッチガール:

    みんな、どうしたの!?

  60. ダッチガール:

    みんな、大丈夫?

  61. タチ:

    [奇妙な祭壇を発見した。]

  62. タチ:

    [人間の……銅像みたいだね。]

  63. ダッチガール:

    人間を象った銅像……?でもこの様子って……

  64. ダッチガール:

    他のみんなは?

  65. タチ:

    [石に躓いて転んだみたい。]

  66. タチ:

    [祭壇を見て驚いたようだ。マスターに仕える者として容認しがたい醜態だな。]

  67. ダッチガール:

    LRL、大丈夫?ケガしてない?

  68. LRL:

    ふぃぃ…頭ぶつけちゃった……

  69. LRL:

    何でこんなところにこんなのがあるんだよぉ……

  70. T-13アルヴィス:

    そうだね~、宝物じゃなくて変な物ばっかり。

  71. ダッチガール:

    銅像の後ろにあるアレ……コウヘイ教団の装飾に似てる。

  72. ダッチガール:

    でも何か……ちょっと違うみたい。タチはどう思う?

  73. タチ:

    [分からない。]

  74. ダッチガール:

    あ、タチはまだ礼拝に参加したことなかったよね。

  75. ダッチガール:

    いつか参加してみてほしいな。司令官もたまに来るし。

  76. タチ:

    [マスターが……?]

  77. ダッチガール:

    うん。先週も来たよ。

  78. タチ:

    [……考えておく。しかし今はこれを調査するのが先だ。]

  79. タチ:

    [どうして人間同士で殺し合ってるんだろう?]

  80. ダッチガール:

    ……タチはこういうのには慣れてるの?

  81. タチ:

    [こいつは秘密組織に生まれて、暗殺の為の道具として育てられたからな。]

  82. タチ:

    [実際にこういう光景は何度も見てきたよ。ただ……]

  83. ダッチガール:

    ただ?

  84. タチ:

    [銅像になっているのは初めて見た。]

  85. ダッチガール:

    そうだね、この銅像は何かを訴えたいんだろうね……。

  86. ダッチガール:

    何を伝えたいんだろう……?それにどうしてこんな……?

  87. LRL:

    う、うむ。そうだな?それより…探険も終わったことだし早く帰るとしようか。

  88. LRL:

    残念である!結局ここでも千年の秘宝は見つからなかったか……。残念残念!帰るとしよう!

  89. タチ:

    [怖いのか?]

  90. LRL:

    こ、怖いだと!?千年の歳月を生きる吸血鬼の王、真祖のプリンセスがたかが―

  91. T-13アルヴィス:

    わぁっ!

  92. LRL:

    うああぁぁぁぁぁ~ん!

  93. T-13アルヴィス:

    ひひひっ、びっくりした?

  94. LRL:

    うはぁぁん、アルヴィスのバカ~!もう知らない!

  95. ダッチガール:

    あっ、だから1人で行っちゃ危険だって!

  96. ダッチガール:

    アルヴィス、LRLと一緒にいてあげて!

  97. T-13アルヴィス:

    分かったぁ!

  98. タチ:

    [……やっと静かに捜索できそうだね。]

  99. ダッチガール:

    手伝うよ。

  100. タチ:

    [こういうことには慣れてるのか?]

  101. ダッチガール:

    まぁね。炭鉱に閉じ込められるのに比べたら全然怖くないよ。

  102. ダッチガール:

    それにこれが何を意味するのかも……気になるしね。

  103. タチ:

    [銅像に特別な仕掛けはないみたいだよ。]

  104. ダッチガール:

    あのシンボルもそうみたいだね。ただ普通に彫られてるだけみたいだし。

  105. ダッチガール:

    とりあえず写真を撮って……何か持って帰れるものはないかな?

  106. タチ:

    [身動きの邪魔にならないものを持っていこう。]

  107. ダッチガール:

    このバッジはどう?

  108. タチ:

    [バッジ?]

  109. ダッチガール:

    バッジに教団の紋章が刻まれてる。あの銅像に彫られてるものと同じだよ。

  110. ダッチガール:

    う~ん……ただの考えすぎならいいんだけど……。ちょっと心配だな……

  111. タチ:

    [どんな危機が迫ろうと心配することはない。]

  112. タチ:

    マスターは私が守る。

  113. ダッチガール:

    え?今普通に喋った?タチの本当の声、初めて聞いたよ。

  114. タチ:

    [……帰ろう。]