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Transcription
- 主人公:
- 灼熱の太陽!輝くビーチ!
そして、楽しそうに休暇を満喫する隊員たち! これこそ夏のバカンス!!! - 主人公:
- そして俺は……!
- ……暑い。
- 主人公:
- 夏のバカンスらしく、ビーチに設置したパラソルの下で休むことにしたのを
今さらながら後悔している最中だ。 - 主人公:
- 近くにある火山の影響で、地下に温泉が流れているとの報告を受けていたが、
そのせいだろうか。単純に夏だからという理由だけではない気がする。 - ちょっと歩くか……。
- 主人公:
- アウローラがくれたかき氷も、だいぶ前からただの甘い水になっている。
- 主人公:
- 命綱のミニ扇風機を持って起き上がろうとした瞬間、
俺よりももっと暑そうな隊員が蜃気楼の如くふらふらと姿を現した。 - 天香のヒルメ:
妾は…悟ったのだ……。
- 天香のヒルメ:
胡蝶の夢という言葉を知っておるか?自分が夢の中の蝶なのか、
それとも夢の中の蝶が自分なのかと思案した言葉だ。 - 天香のヒルメ:
しかし……結局は自分が自分であることを証明するためには、
誰にも否定されない真実が必要だ。 - 天香のヒルメ:
妾は思う……それ故に妾は、存在する……。
- 天香のヒルメ:
つまり、妾はこの世界の神だ。物質世界に存在する妾が、
非物質に対して思案するのだ。 - 天香のヒルメ:
妾の思考によって、物質世界が動くのである……!
- 天香のヒルメ:
そう。妾は……ヒック!神だったのだ…!
- ポイ:
ちょいちょい~、しっかりして~?
- ポイ:
あっ、ご主人様♡
- これはまた…珍しい組み合わせだね。
- 主人公:
- 顔を赤くしてふらふらと歩いて来るヒルメの後ろからポイが手を振った。
- 天香のヒルメ:
あははははは、ぬしよ~。妾はぬしがここにおるのはわかっておった!神だからな!
- 天香のヒルメ:
欲しいものはないか?この世界の神である妾が何でも叶えてやろう。
- ……。
- ポイ:
はぁ……。
- ヒルメ、酔っぱらってる?
- ポイ:
そうみたいですね~。
- 何か嫌なことでもあったのか?
- ポイ:
ニャハハ。酔っぱらいは放っておきましょ~。
代わりにポイがぁ~ご主人様のためにと~っても冷たいカクテルを持ってきましたよ♡ - 天香のヒルメ:
嫌なことでもあったのかだと!?神に対してその口の利き方は何事だ!
- 天香のヒルメ:
妾は……妾と一生を共にするあやつのために何時間も邪を払う舞をしたのだぞ!
- 天香のヒルメ:
そして……ヒック……。
あやつを探しておったら……よく冷えた水があって、飲んだらな…… - それが酒だったわけか?
- ポイ:
そうみたいです~。
- 主人公:
- ポイの視線の先を見やると、ビーチのあちこちに置かれている
クーラーボックスの中にビール瓶があるのが見えた。 なるほどね…… - 天香のヒルメ:
あやつは一体…どこにおるのだ……
- 天香のヒルメ:
きっとこの灼熱地獄の中を彷徨いながら……ヒック。妾を恋しがっておるはずだぁ……
- 天香のヒルメ:
………あっ!
- 天香のヒルメ:
ぬしよ……!ついに見つけたぞ……!
- さっきからいたけどな……
- ポイ:
あっ……ズルい!
- 主人公:
- 一気に駆け寄ってきたヒルメが抱きつくと、
もふもふの毛にこもった熱気が伝わってきた。 - うわっ、燃えてるみたいだな……
- 天香のヒルメ:
えへへ……狐は体温が高いと知らんのか?
- 天香のヒルメ:
ハッ……!妾のことを温かくて気持ちいいと言った言葉……
まさか嘘だったのか…!? - ポイ:
……。
- ヒルメ、とりあえず涼しい場所に移動して休もう。
- 天香のヒルメ:
ううん……嫌だ!妾はここにおる!
- 天香のヒルメ:
ぬしの傍に…永遠に……。
- 天香のヒルメ:
おる……。
- …寝たな。
- 主人公:
- 俺に抱きついたまま眠ったヒルメを抱き上げビーチマットの上に寝かせた。
- 主人公:
- その横にミニ扇風機を設置していると、なぜか背中がゾクっとした。
- ポイ:
あれ~?何もしないんですかぁ?
- ポイ:
ポイはここから大人しく見物しようと思ってたのに~。
- はぁ……
- 主人公:
- 俺がさっきまで座っていたビーチチェアに腰かけたポイが
少し拗ねた顔で話を続けた。 - ポイ:
ポイのことは気にしないでくださ~い。
お騒がせ猫は一人寂しく静かにしていま~す。 - 主人公:
- あの状態では、いつもみたいになだめても意味なさそうだな。
- 主人公:
- ちょっと違う方法でアプローチしてみるか。
- そうだ。ポイ、もうすぐ水着が完成するらしいね?
- ポイ:
ニャハッ、そうですよ~?
- ポイ:
まぁ、狐さんが良いみたいですから?もう必要ありませんけどね~?
- そうなの?結構楽しみにしてたのに。
- ポイ:
ふぅ~ん…?ご主人様がこんなお騒がせ猫の水着を楽しみにしてる~?
- ポイ:
ニャハハッ!そんなわけないじゃないですか~?狐さんが良いんでしょ~?
ポイはもふもふしてませんもんね~?ツルツルしてますもんね~? - ………。
- 主人公:
- う~ん、これくらいじゃダメか……それなら……
- ポイ:
ミャアッ!?
- 主人公:
- ビーチチェアに座っていたポイを押し倒し、
鼻が触れるほどの距離まで顔を近づけ、小声で囁いた。 - 本当だって…水着のポイなんて見たら…ヤバいかも…
- ポイ:
ミャッ……
- 主人公:
- しばらく体をもじもじとさせて、ぼーっと俺を見上げていたポイは、
すぐに普段の明るい笑顔に戻った。 - ポイ:
ニャハハッ!ご主人様がそこまでおっしゃるんなら~、も~仕方がニャイですねぇ~!
- 主人公:
- 俺が体を離すと、ポイは猫のようにうつ伏せになって伸びをした。
- 主人公:
- いや、本当に猫なのかもしれない。性格も気まぐれだし……。
- ポイ:
じゃあポイぃ~、行く前にちょっとだけ♡
- あっ……
- 主人公:
- そう言うや否や、あっという間に近づいて俺の胸に頬ずりを始めた。
ペロもたまにするが、無意識にやってしまうようで、終わった後必ず恥ずかしがる。 - 主人公:
- ポイはマーキングを終えると、満足気な顔で体を離した。
- ポイ:
ニャハ……、あのぉ~……ご主人様はぁ……
- ポイ:
ポ・イ・の・も・の♡
- 主人公:
- 大胆不敵に宣言をしたポイが立ち去り、俺はシートの上にどさっと座り込んだ。
- 天香のヒルメ:
ううん…ぬしよ…。
- 主人公:
- 夢心地のまま指を絡ませてきたヒルメの手を握り返し、
ふさふさとした尻尾の横に寝転んだ。 - まぁ、休暇だしいっか!
- 主人公:
- 適当に時間を潰していると、遠くの方からスチールラインオンラインの大会の
開始を知らせるアナウンスが聞こえてきた。