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ドラキュリナ
私、もう帰る!

Transcription

  1. ドラキュリナ:

    私、もう帰る!

  2. 解体者アザズ:

    え?

  3. 解体者アザズ:

    もうすぐで到着するのに……何か急用でもあるのですか?

  4. ドラキュリナ:

    あんた達とずっと一緒にいたらこっちまでおバカになりそうだから!

  5. 解体者アザズ:

    おバカ……

  6. 解体者アザズ:

    すみませんが、もう一度仰ってくださいませんか?

  7. 解体者アザズ:

    初めて聞く組み合わせなので新鮮です。バカにわざわざ「お」をつけるなんて……新しいですね。インスピレーションが沸き起こってくる感じがします。

  8. ドラキュリナ:

    きぃ~!頭おかしくなる~!!!

  9. ドラキュリナ:

    はぁ……それにあの陰キャどうにかしなさいよ。さっきからずっとぼーっとしてるし!

  10. エタニティ:

    ご主人様……

  11. エタニティ:

    ふふ……

  12. 解体者アザズ:

    恋煩いをしている少女みたいで可愛いじゃないですか。

  13. 解体者アザズ:

    私もこの前、ラインリッターの派生型モデルを作ったんですが、まさにそんな感じです。

  14. ドラキュリナ:

    うぅ……頭痛が……

  15. ドラキュリナ:

    もういい!私帰る!おうち帰る!

  16. ドラキュリナ:

    陰キャは1人で鉄虫がうじゃうじゃいるところに入っていくし、あんたはあんたで新しい部品を見つけるって急に廃車を分解しだすし!

  17. ドラキュリナ:

    私が人気絶頂だった頃は私の世話をするメイドがお城にいっぱいいたんだから!わかる!?

  18. ドラキュリナ:

    そんな偉大なドラキュリナ様があんた達と一緒にこんなことしてるなんて……

  19. ドラキュリナ:

    何よ、なんで何も言わないのよ……

  20. ドラキュリナ:

    あぁ……

  21. ドラキュリナ:

    あああっ!もぉ~!!!!

  22. 解体者アザズ:

    ごめんなさい、鉄虫の足元に気になるものがありまして。

  23. 解体者アザズ:

    伝説サイエンスで作られたゴルタリオンの外骨格の破片が地面に落ちてまして、拾わずにはいられませんでした。

  24. エタニティ:

    大丈夫です。どうせみんないずれ死ぬ。人生一度きり、十分に理解できます。

  25. ドラキュリナ:

    なんであんたが助けたみたいに言ってんのよ!私があんた達を引きずり戻したのよ!?

  26. ドラキュリナ:

    それから陰キャ!あんた夢遊病なの?

  27. ドラキュリナ:

    ふらふら~ってとんでもない所に入って行ったの、もう10回は超えてるわよ!わかってる!?

  28. エタニティ:

    8回です。数字を水増ししないでください。

  29. ドラキュリナ:

    覚えてんのかい……!……ぐぁぁぁ、頭痛が……頭割れそう……

  30. エタニティ:

    思いに耽るのが趣味でして……、つい夢中になってしまうんです。ご迷惑をおかけするようですし……これ、直さないといけませんね。

  31. エタニティ:

    助けていただいたことには感謝しております。

  32. 解体者アザズ:

    どんなことを考えるのですか?

  33. エタニティ:

    ご主人様と一緒に棺の中で永遠に眠るという想像です。

  34. エタニティ:

    はぁ……想像しただけでもロマンチックで……

  35. エタニティ:

    ふふ……

  36. ドラキュリナ:

    ううう……鳥肌が……、怖いって……

  37. 解体者アザズ:

    その気持ち、わかります。

  38. ドラキュリナ:

    あんた、さっきからこの子の機嫌取ろうとしてない?バレバレよ。

  39. 解体者アザズ:

    好きなことを永遠にできるなんて幸せだと思いませんか?

  40. エタニティ:

    アザズさんは、永遠にしたいことはございますか?

  41. 解体者アザズ:

    いいえ、私にはありません。

  42. 解体者アザズ:

    好きなことは生きている間に最善を尽くして楽しむのが私のモットーですので。

  43. エタニティ:

    ふふ、わかる気がします。

  44. ドラキュリナ:

    何でわかるのよ、言ってること真逆じゃない!

  45. ドラキュリナ:

    ていうか、あんた達まともな会話になってないのに何でそんなに楽しそうなのよ……!私がおかしいの?そういうこと!?

  46. ドラキュリナ:

    まぁいいわ。早くやることやって帰らなきゃ。

  47. ドラキュリナ:

    あんた、私にステージ作るって約束、絶対に守ってよ?夏は暑いから今はいいけどさ。

  48. ドラキュリナ:

    ただでさえあの黒猫のせいでイライラしてんのに、何でこんな苦労しなくちゃいけないのかしら……

  49. ドラキュリナ:

    私はね!だいたいこんな労働みたいな―

  50. ドラキュリナ:

    ……本当に嫌になるわ、あいつら……

  51. 解体者アザズ:

    ついに到着しましたね。

  52. エタニティ:

    思ったより早かったですね。

  53. ドラキュリナ:

    ついに……?思ったより早い……?

  54. ドラキュリナ:

    あんたらが寄り道しなかったらもっと早く到着してんだけど!?

  55. 解体者アザズ:

    せっかちですね。もう少し余裕を持って生きた方がいいと思います。お肌に悪いですよ。たぶん。

  56. エタニティ:

    落ち着いてください。急激な血圧の上昇は寿命を短縮するだけです。

  57. ドラキュリナ:

    それがホントならあんたらのせいよ……!!ぐぬぬぬぬ……!

  58. ドラキュリナ:

    はぁ……もういいわ。で?これから何をすればいいの?

  59. 解体者アザズ:

    中に入りましょう。

  60. ドラキュリナ:

    え?

  61. ドラキュリナ:

    ちょっと待ってよ。まだここ、安全を確保してない場所でしょ?

  62. エタニティ:

    ご主人様の許可なしに危険な行動はできません。

  63. ドラキュリナ:

    珍しくまともなこと言うじゃない。

  64. エタニティ:

    もしここで命を落とし……ご主人様が私の遺体を見つけられなかったら大変ですから。

  65. 解体者アザズ:

    ここに警備装置があります。解除方法は……

  66. ドラキュリナ:

    素手でどうしようってのよ……え?

  67. ドラキュリナ:

    ドライバーなんて持ってたの?

  68. 解体者アザズ:

    作りました。

  69. ドラキュリナ:

    作った!?今?どうやって?

  70. 解体者アザズ:

    ふふ。

  71. ドラキュリナ:

    あぁ、やっぱりいい……。言わなくていいから……また頭痛くなっちゃう。

  72. エタニティ:

    ……!鉄虫の反応です。それも相当な数の……

  73. エタニティ:

    ああ、やはり私はここで独り寂しく死んでしまうのでしょうか……

  74. ドラキュリナ:

    縁起でもないこと言ってないで、さっさと戦闘準備しなさいよ!だいたいあんた強いじゃない!