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Transcription
- 主人公:
- まだ眠気が残っていたが、少し目が覚めてゆっくりと上体を起こした。
- あ……。
- 主人公:
- 隣にいる黄金色の尻尾が目に入り、ゆっくりと状況を把握した。
- 寝落ちしてた。
- 主人公:
- 確かパネルでスチールラインオンラインの大会中継を観てて……
- 主人公:
- 誰かが置いてくれた冷風機の電源を切り、
う~んと伸びをした瞬間、パネルの通知音がけたたましく鳴った。 - 非常事態……!?
- 主人公:
- のんびりと平和だったビーチに一瞬にして緊張が走った。
- 主人公:
- 戦闘配置を叫ぶ副官達の声と慌ただしく動く隊員達の騒動の中、
隣で寝ていたヒルメもいつの間にか目を覚まし俺の手を引っ張った。 - 天香のヒルメ:
ぬしよ、起きろ。早く安全を確保しなければ。
- わかった。
- 主人公:
- オルカ号に急いで向かいながらパネルを確認した。
- 何だ……これ……。
- 主人公:
- 周辺の地形を表示する地図は、敵対勢力を意味する赤い点で埋め尽くされ、
画面が真っ赤になっていた。 - 天香のヒルメ:
良くないものが一気に押し寄せて来ているようだな……。
- これ全部……鉄虫だ。
- 主人公:
- 俺も鉄虫とは何度も戦ってきた。
- 主人公:
- これまで様々な状況で様々な敵と戦闘を経験してきたが、今回のような状況は……
- ヒルメ、コンスタンツァから研修は―
- 天香のヒルメ:
優秀な成績で修了した。安心して任せてくれ。
- わかった。では……
- 主人公:
- ヒルメを通して各部隊の指揮官と直属部隊に命令を出した。
- 主人公:
- 普段の訓練が功を奏したのか、警戒人員は支援兵力が到着するまで
時間を稼ぐことができ、すぐにオルカ号が停泊中の海岸を 中心にして戦線が形成された。 - 天香のヒルメ:
海軍が到着すれば戦況を覆すことも可能とのアルマンからの伝言だ。
- …死傷者は?
- 天香のヒルメ:
詰所を防衛していた数人が重傷を負った。全員オルカ号に搬送され、
命に別状はないそうだ。そう心配するな。 - ……
- 天香のヒルメ:
ぬしのせいではない。
ぬしがいつも徹夜で準備していたマニュアルがなければ、 被害はもっと大きくなっていたはずだ。 - ありがとう、ヒルメ。
- 主人公:
- ヒルメはニコッと笑うと俺の頭を撫でた。
- 天香のヒルメ:
今日が休暇の初日だったのが不幸中の幸いだったな。
- 天香のヒルメ:
主なイベントはすべてビーチで行われ、
唯一外部のエリアに出ていた子供たちも全員帰ってきておる。 - そうだな……。今回も全員守れた。
- 天香のヒルメ:
とり残された者はいないとのことだ。これで―
- …ちょっと待て。
- 主人公:
- 外部のエリアに行った隊員……!
- 主人公:
- オルカ号に乗船していたその足を止め、
慌ててコウヘイ教団の支部がある方向を見る。 - 主人公:
- まるで俺が見るのを待っていたかのように巨大な塔が現れ、
それと同時に空に向かって真っ赤な光の柱が突き上がった。 - ??:
全員守る、ですか……。
- ??:
ふふ、いかにも救援者が言いそうな言葉ですね。
- ??:
しかし救援者もまた彼らと同じ呪われた血脈。
- ??:
神聖なこの日に降臨した光の使徒の手によって、光の懐へとお還りください。
- ??:
絶望に陥った子羊達を見殺しにした……
- ??:
落ちた光の懐へ。
<光届かぬ聖域>2部に続く。