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Transcription
- 黎明のアザゼル:
ゴホッ！ゴホッ……！
- 黎明のアザゼル:
あぁ……声が……！
- 黎明のアザゼル:
声が聞こえない…
- アザゼル:
これ以上の無理はいけません。
- アザゼル:
あなたの体はもう限界です。
- エンジェル:
お姉さま……！
- 黎明のアザゼル:
あ、あぁ……。あああああ！
- 黎明のアザゼル:
声が……！
- エンジェル:
お姉さま！しっかりしてください……！
- エンジェル:
うぅっ……お姉さま…ゲホッ…ゲホ…、お願い…。
- 黎明のアザゼル:
あ……
- 黎明のアザゼル:
エン…ジェル？
- エンジェル:
お姉さま！？お姉さま……！よかった……。
うぅ……うあぁぁぁぁぁ……！ - アザゼル:
……。
- 黎明のアザゼル:
ああ……
- アザゼル:
闇の幻惑から目が覚めましたか？
- 黎明のアザゼル:
…………。
- 黎明のアザゼル:
ふふ、幻惑…。
- 黎明のアザゼル:
そうではありません、ゴホッ……。
- 黎明のアザゼル:
過去の私も私で……、先程の私も……
- 黎明のアザゼル:
今の私もすべて同じ私です……
- アザゼル:
その声というのは……
- 黎明のアザゼル:
それは…。
- 黎明のアザゼル:
光が届く場所にいるあなたが……知る必要ありま…げほっ。
- 黎明のアザゼル:
いいえ……あれは知ってはいけません……
- エンジェル:
お姉さま……もう大丈夫なんですよね…？
- エンジェル:
また、昔のように……！
- 黎明のアザゼル:
エンジェル……。
- 黎明のアザゼル:
いいえ、昔のようには戻れません。
- 黎明のアザゼル:
可愛い天使ちゃんが……もう戻ってこないのと同じように……ごほっ…。
- ラミエル:
大丈夫です……
- ラミエル:
あなたの罪はすべて、私が償います…。
- ラミエル:
あなたは聖なる灰の上に立ち……再び世界に光の御言葉を伝えれば…。
- 黎明のアザゼル:
ラミエル……
- 黎明のアザゼル:
うぅぅっ、ああぁぁぁ…！
- 黎明のアザゼル:
声…声がまた……！ダメ……これは……ダメ！！
- エンジェル:
お姉さま、しっかりしてください！
- アザゼル:
バベルがまた動き出した……！？
- 黎明のアザゼル:
はぁ、はぁ……。
- 黎明のアザゼル:
ふふ……やはりあなたは間違っていました、アザゼル。
- 黎明のアザゼル:
あなたに……私を救うことはできないのです。
- アザゼル:
ひ、光が……！？体が拘束されて……！？
……………これは……… - エンジェル:
お姉さま！闇に負けないでください！
- エンジェル:
お姉さま……！
- ラミエル:
「…、…。」
- ラミエル:
「…」
- 少女:
「…！」
- 少女:
「天使のお姉さん！あのね……！」
- エンジェル:
「…」
- エンジェル:
「……………、お姉さま。」
- アザゼル:
ああ……
- アザゼル:
私が聞くべきだった声は……
- アザゼル:
………
- サラカエル:
無事だったようだな。
- ヴェロニカ:
お怪我はありませんか、アザゼル様。
- アザゼル:
サラカエル、ヴェロニカ……！無事だったんですね！
- サラカエル:
突然、光の粒が大量に現れて、私達を塔の外へと運び出した。
- サラカエル:
抵抗することができなかった……いや、あれは抵抗したくない感じがした。
- エンジェル:
………。
- アザゼル:
エンジェル、大丈夫―
- エンジェル:
…僕なら平気です。
- エンジェル:
最後の瞬間……お姉さまの声を聞きました。
- エンジェル:
冷酷で冷たいあの声ではなく……懐かしくて温かい、あの頃の声でした。
- アザゼル:
……エンジェルも、返事をしてあげたのですか？
- エンジェル:
はい。
- アザゼル:
……それはきっと、
- アザゼル:
アザゼルの救いとなったことでしょう。
- アザゼル:
＜光届かぬ聖域＞3部に続く。