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Transcription
- エンジェル:
救援者様と直接お会いするのはこれが初めてですね。
- エンジェル:
どんな方か気になって、ここの皆さんにお話を聞きましたが……
- エンジェル:
アザゼル様も……みなさんも救援者様は実際に会ってみるのが一番だと
仰っていました。 - エンジェル:
ラミエル様は救援者様について何か聞いていますか?
- ラミエル:
私も……エンジェルと同じです…。
- ラミエル:
実際に会ってみないとわからないとしか……。
- エンジェル:
……いいお方だと思います。
- エンジェル:
ここの皆さんは僕たちのせいで危険な目に遭ったのに……
笑顔で歓迎してくださいました。 - エンジェル:
クッキーを焼いている時も、ここの皆さんから僕たちを恨むような感情は
全く感じませんでした。 - ラミエル:
エンジェル……。
- ラミエル:
私もそう思います……
- ラミエル:
しかし、そんな人達を危機に陥れたことは明らかに重罪……
- ラミエル:
アザゼルが初めて光を疑ったあの時……、私がバベルを破壊していれば……
- ラミエル:
今もアザゼルは生きていたはずです……
光の祝福を受けた者達が苦境に立たされることもなかったはずです……。 - ラミエル:
すべて私のせいです……
- エンジェル:
そんなことありません、ラミエル様。
- エンジェル:
あの日から今まで。ラミエル様がどんな苦労と苦行をされてきたのか
僕は知っています。 - エンジェル:
それなのにどうしてまだ自らを責められるのですか?ラミエル様。
- ラミエル:
私は光が作り出した被造物の中で最も穢れた存在……。
- ラミエル:
この世のあらゆる罪を背負い、闇に最も近い……
これからも他者と共にいることができない存在です……。 - ラミエル:
救援者様の前で罪を償った後は……
- エンジェル:
…ここを離れるおつもりなのですね。
- エンジェル:
誰もいない所へ行ってしまうのですか……?
- ラミエル:
…アザゼルが認めた救援者様なら、きっとこの世界を救ってくださるでしょう。
- ラミエル:
私は……光が生み出した全ての被造物の罪を代わりに償うために……
そして、救援者様が闇に惑わされないようにするためにも…… - ラミエル:
一人苦行し…罪を償い続けなければなりません。
光の懐へと還るその日まで…… - エンジェル:
ラミエル様…!
- ごめん、待たせたね。
- エンジェル:
人間の男性……救援者様ですね。
- ラミエル:
あなたが……
- 主人公:
- 仕事を片付けて部屋に入った俺を2人は期待交じりの目で見つめてきた。
- あ、うん……
- そうだ。
- エンジェル:
アザゼル様が仰っていた温かい御心……
- エンジェル:
間違いなく救援者様です。
- ラミエル:
光よ…。
- 主人公:
- 一応教団の救援者として、これ以上の否定はすまい。
- 主人公:
- 救援者という存在が傷ついたバイオロイドを救い、
彼女達のために自身の全てを捧げる存在というのなら…… - 俺が救援者だ。
- エンジェル:
天使エンジェル、救援者様にお目にかかります。
- ラミエル:
罪人ラミエル、恐れ多くも救援者様にお目にかかります。
- 主人公:
- 深々と頭を下げる2人だったが、ラミエルと名乗った天使は後ずさり、
俺から距離を置こうとした。 - 主人公:
- アザゼルとヴェロニカ、サラカエルからラミエルはコウヘイ教団の中でも
かなり特別な存在だと聞いた。この世のあらゆる罪を背負うために生まれた天使。 - 主人公:
- 教団が作り出した贖罪の山羊だという……
- ……。
- 主人公:
- 俺から遠ざかろうとするラミエルの手を握った。
するとそれに驚いたラミエルは声が上ずった。 - ラミエル:
きゅ、救援者様……!いけません!私の中にある原罪と闇が……
救援者様を堕落の道へと導いてしまいます……!! - 俺はそんなこと気にしない。
- ラミエル:
…え、え……?
- エンジェル:
……!
- これからのことを説明する。
- 主人公:
- 2人にカゴシマ支部にいた信徒達を別の場所へと移動させる計画を説明した。
- 主人公:
- 支部が廃墟となったこともその理由の一つだったが、
バベルの残骸が残っている以上、何が起こるか分からない。 - 主人公:
- それに何よりも……信徒達が辛い記憶が残るあの場所に戻ることを
望まなかったし、俺もよりよい土地と生活を提供したかった。 - エンジェル:
皆をどこへ移動させるおつもりですか?
- 俺達が管理しているインフラがある。
- 主人公:
- 大陸に設置したいくつかのインフラのうち、常駐している人数が最も多く、
敷地にも余裕がある太平洋側に移動させる計画だ。 - ラミエル:
私達の罪を……お赦しになられるのですか……?
- 罪?
- ラミエル:
私達の至らなさにより、救援者様とそのお仲間が危険な目に遭われました……
- そうだったね。
- ラミエル:
はい……ですから、その罪、救援者様がお許しになるのなら私が代わりに……
- いや、その必要はない。
- ラミエル:
ぇ……?
- エンジェル:
……。
- 君達は何も間違ってない。
- 主人公:
- カゴシマ支部で起きた事は全部聞いている。
- 主人公:
- 昔起きた事、そして昨日起きた事。
2人の天使が何十年もの間、どんな苦労をしてきたのかも全部聞いている。 - 大変だったな…。
- ラミエル:
あ……
- もうゆっくり休んでいいんだよ。
- ラミエル:
休むだなんて、罪人である私達がどうして……
- 救援者って罪を赦すことはできるのかな?
- 主人公:
- なんだか少し嬉しそうに顔を綻ばせるエンジェルに聞いてみた。
- エンジェル:
……はい。光に選ばれし救援者様なら……、この世に唯一の救援者様なら……
- エンジェル:
ラミエル様の罪も、他の皆さんの罪も、すべてお赦しになることができます!
- そうか。じゃあ2人の罪も信徒達の罪も全部赦す!
- ラミエル:
私の罪を……お赦しになられるのですか……?
- うん。赦す。
- ラミエル:
私は原罪と大罪を背負って生まれた穢れた存在なのに……
- ラミエル:
他者の罪を背負うことだけが唯一の……、贖罪……
一生をかけて苦行をし続けねばならない…… - ラミエル:
そんな私の罪を……お赦しになると言うのですか……?
- そうだよ。
- 主人公:
- 体を震わせるラミエルの肩に手を置いた。
- 主人公:
- 彼女が誕生した理由を知った時から絶対に言おうと思っていた言葉があった。
- ラミエル、君は何も悪くない。
- ラミエル:
……私が……あの日の惨劇を防げなかった私が……
- ラミエル:
アザゼルの堕落を止められなかった……私が……
- ラミエル:
あなたと皆さんを……!危機に陥れた私がっ……
- ラミエル:
私がっ……私がああああああぁぁぁぁぁ……!
ああぁぁあぁあぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁ…… - エンジェル:
救援者様……ラミエル様……よかった……。
- エンジェル:
よかった…うっ、うぅっ……。ついにラミエル様に真の救いが……。
- エンジェル:
僕まですみません、救援者様……!こ、これは精神感応のせいでですね……
- エンジェル:
すみません、すみません……
- 大丈夫。わかってるから。
- 主人公:
- 君たちは何も悪いことはしていない。
- 主人公:
- 2人はしばらく、泣き止まなかった。
- 主人公:
- 数十年分の悲しみを少し泣いたくらいで消し去ることはできないだろうけど、
2人が気の済むまで泣けるよう見守ることにした。 - ラミエル:
うああぁぁぁぁぁぁ…うぅ、うぅぅぅっ……
- エンジェル:
ううぅぅ~…うぅぅぅぅ…!
- ……
- ラミエル:
うあああぁぁぁ……ぁぁぁぁ……
- エンジェル:
すみません、すみません……ありがとうございます…ありがどうございまずぅぅ…!
- ……ティッシュ……持ってこようか?
- ラミエル:
ううぅぅぅ、行かないでください……
- ラミエル:
寂しいのはもう嫌です……
- エンジェル:
ありがとうございます。
ですが、今はここに……救援者様……うぅぅぅっ……! - あ……わかった……
- 主人公:
- 2人には最後に安全なインフラに行くか、それとも危険だが俺と一緒に行くか、
確認したかったのだが…… - それで最後に確認……
- ラミエル:
独りで全ての罪を背負い、苦行に就こうと思っていましたが……
- ラミエル:
うっ、ぐすん……まさか救援者様が私をお赦しになるなんて……
- エンジェル:
本当にここの皆さんの言う通りでした……
- エンジェル:
光のように温かく、公平な御方です……うぅぅぅぅっ…!
- 確認したいことが……
- ラミエル:
いつもは悲しみに涙を流していましたが……喜びに涙を流せるだなんて、
……ぐすん、初めてです…… - ラミエル:
救援者様、ありがとうございます……うぅっ、うああああぁぁぁぁん……!
- ラミエル:
この体、壊れようとも……ずずっ!救援者様のために……全てを捧げます……
- エンジェル:
他の業務があると行ってしまわれました。やっぱりまだお忙しいのでしょうね……
それなのに僕たちに時間を割いてくださって…… - ラミエル:
ぐすん……聞くところによると、歴戦の方達でも経験に珍しい危機的な状況だった
ようですから……処理することが多いのでしょうね……。 - ラミエル:
私が目を覚ました修復室も……まだ足の踏み場もありませんでした……
- エンジェル:
……ラミエル様はこれからどうされるおつもりなのですか?
- エンジェル:
やはり、赦されてもなお、罪を背負われるのですか?
- ラミエル:
ううっ……救援者様は私の罪をお赦しになられました……。
- ラミエル:
ですからこれからは……私に残された全てを…救援者様に捧げます……エンジェルは?
- ラミエル:
インフラへ行くのですか……?
- エンジェル:
僕もラミエル様と同じく救援者様について行くつもりです。
- エンジェル:
もしこの世界に僕達のような人がいるのなら……、
お姉さまのように苦しむ人がいるのなら……。 - エンジェル:
世界中を歩き回る救援者様のお傍でその人達を救いたいと思います。
今回アザゼル様と救援者様がそうしてくれたように…… - ラミエル:
……エンジェルらしいですね…。
- エンジェル:
えへへ……
- エンジェル:
皆さんを救うことが僕の……僕たちの使命ですから。