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Transcription
- 無敵の龍:
事後処理するものが思ったより多い。
- 不屈のマリー:
仕方ない。
- 不屈のマリー:
前例がないほどの大規模な戦闘だったからな。ひとつどうだ?
- 無敵の龍:
クッキー?意外にこういうものも食べるのだな、マリー隊長も。
- 不屈のマリー:
今回発見された2人の天使がお詫びということで皆に配っていた。
- 不屈のマリー:
平気そうにしていたが……。
- 無敵の龍:
これから解決すべきことがたくさんあるようであったな……。
- 無敵の龍:
今日はコウヘイ教団で追悼式が執り行われるそうだ。
- 不屈のマリー:
こうなった経緯を知れば胸が痛むな。
- ロイヤル・アーセナル:
それ、食べないのなら私がもらってもいいか?
- ロイヤル・アーセナル:
朝から動き回っていたら腹が減った。うむ!程よい甘さが絶品だな!
- ロイヤル・アーセナル:
しかし今回はいいタイミングで合流してくれて助かった。他の隊長達は?
- 無敵の龍:
超特急でこちらに向かっているそうだ。
- 無敵の龍:
オルカ号が危なかったと聞いて、皆我先にと出発したそうだ。
- ロイヤル・アーセナル:
ははははっ!無理もない!オルカ号だけでなく、
危うく全員戦死するところだったからな! - 不屈のマリー:
キャノニアは休まなくていいのか?事件発生から最後まで奮戦したと聞いたが?
- ロイヤル・アーセナル:
部隊員達にはゆっくり休むように言っておいた。
残りはほぼ事務処理だけだからな、私一人で十分だ。 - ロイヤル・アーセナル:
それはそうと司令官がどこに行ったのか知らないか?朝から姿が見えない。
- 無敵の龍:
主なら……
- サラカエル:
闇に落とされたとしても聖域は聖域。
- サラカエル:
まだ鉄虫なんぞが聖域に残っているのは、許せん。
- ヴェロニカ:
難なく制圧できる敵でしたので特に問題はありませんでした。
- ヴェロニカ:
これで周辺一帯は片付きましたので、しばらく邪魔は入らないでしょう。
はじめてください。 - エンジェル:
皆さん、僕たちのために……すみません。
- エンジェル:
そして、ありがとうございます。
- ラミエル:
光よ……
- アザゼル:
彼女と信徒達を光の懐へと送り出す前に……。
- アザゼル:
何か言っておきたいことはありますか?
- ラミエル:
いいえ、私は祈祷文だけで構いません……
- ラミエル:
原罪を背負った私が、私的な感情を口に出しては……。
この者達が光の懐へと還るのを邪魔するわけにはいきません…… - アザゼル:
そうですか。エンジェルは何かありますか?
- エンジェル:
言っておきたいこと……
- エンジェル:
……。
- エンジェル:
お姉さま。お姉さまは知っていましたよね?今回の「光の降臨」に
唯一の人間様が、いらっしゃったということを。 - エンジェル:
その方はオルカ号という大きな潜水艦に乗って世界を回っていらっしゃいます。
- エンジェル:
所属と企業分け隔てなく様々な方達が、救援者様のもとに集まり、
心をひとつにしているんです。 - エンジェル:
人間だからという理由で強制的に従わされているのではなく、
心の底から信頼し、また……愛しているんですよ? - エンジェル:
異性間の恋愛感情を超えた真の愛がそこにありました。
- エンジェル:
それを感じ、そんな皆さんが信じる救援者様なら、
この世界を本当に救えるのかもしれないという希望を抱くことができました。 - エンジェル:
それと、生き残った信徒たちと僕とラミエル様は、
ドクターという方に治療を受けました。 - エンジェル:
僕は……薬を貰ってすぐに良くなりました。
ラミエル様は……長きに渡る苦行によって無理がたたり、 当分は治療が必要だそうです。 - エンジェル:
そうだ、初めてクッキーを作ってみたんです。
- エンジェル:
えへへ……あの子を真似して天使の形にしたかったのですが、すごく難しくて……
何度も失敗してしまってキッチンの小麦粉を使い切ってしまいました。 - エンジェル:
僕たちのせいで危険な目に遭われたのに、
みなさん、光が仰せになったような慈悲と寛容さで僕たちを許して下さいました。 そして、クッキーの作り方まで教えてくださったんです。 - エンジェル:
初めてなのでちょっと焦げたところもありますし、
美味しくないかもしれませんが…… - エンジェル:
お姉さまと……うっ、うぅぅ……あの子と信徒の方たちに……
- エンジェル:
うぅぅっ!…お渡し、したくて……!うっ、うぅっ……!
- エンジェル:
泣かない、つもりだったのに……うぅぅぅっ!
- エンジェル:
お姉さま……!
- エンジェル:
置いて行かないって……言ったじゃないですか……
- エンジェル:
どうして!あんな選択をされたのですか……どうして…!
- エンジェル:
もう二度と……うぅぅぅぅっ…うああぁぁぁぁぁ……!
- ラミエル:
光は「育んだすべてのものには意味がある」と仰せです。
アザゼルに信仰が戻ったこと、信徒達が悔い改めたことに 意味が無いことはないはずです……。 - ラミエル:
だから、扉を叩くこの者達をあなたが受け入れてくれると信じるが故に……
祈りを捧げます……。 この者達の贖罪は私の役目、これから私が苦行を重ね、贖罪していきます……。 - ラミエル:
だから、どうか彼女と信徒達を……うぅぅぅっ…!抱擁してください……
- サラカエル:
……アザゼル。そろそろ始めよう。
- ヴェロニカ:
エンジェル様、銀盆です。ここにクッキーを……
- エンジェル:
うっ、うぅぅっ……
- アザゼル:
……これよりカゴシマ支部のアザゼルと信徒達の追悼式を執り行います。
- アザゼル:
光の名のもとに。
- アザゼル:
光の代理人としてこの世に降臨した者が、一瞬にして惑わされ、
闇の道へと進んでしまいましたが、 - アザゼル:
あの最後の瞬間、その道から再び光の道へと戻り、自身の信仰、
そして慈愛深い光への信仰を取り戻しました。 - アザゼル:
光よ。あなたの聖恩と共に降臨した私達が恐れ多くも申し上げます。
- アザゼル:
天にいらっしゃるあなたのもとへと昇る彷徨う魂を、
どうか寛大な心でお迎えください。 - AG-1ネレイド:
司令官!ネリネリが見て回ったけど、この辺は大丈夫そうよ。
- そうか。他の場所は?
- A-15サラマンダー:
こっちも同じよ。あ~もう、ポーカー大会の準備しないといけないのに~。
- 明日からまた夏の休暇だから、それまでは頼むよ。
- 主人公:
- 各地の状況の報告を受けながら、遠くから追悼式を見守った。
- 主人公:
- コウヘイ教団の紋章が刻まれた墓碑の前で2人の天使が悲しみを吐露し、
サラカエルとヴェロニカ、そしてアザゼルが厳粛に追悼式を行っている。 - はぁ…。
- 主人公:
- 生存者たちからカゴシマ支部の話を聞いた。
- 主人公:
- 滅亡前、支部の責任者は鉄虫の襲来から逃げ延びた人間達の希望を利用し、
しかも宗教の象徴である天使達をも計画の部品として実験を繰り返した。 - 主人公:
- そして、自身の計画が頓挫するや勝手に絶望し、
支部に残っていた人間達と共に命を断ったという事実を。 そこで起きた惨劇を…… - ……。
- 主人公:
- ここに残されたバイオロイド達は何を思ったのだろう……。
俺なんかに理解できるのだろうか? - 主人公:
- 今まさに俺の知らない場所で、ここと同じようなことが
起こっているのではないだろうか? - 主人公:
- 何気なく見上げた空は、ここでの出来事がなかったかのように澄み切っていた。
- アザゼル:
伴侶……
- アザゼル:
やはり、近くにいらしたのですね。
- もう終わったの?
- アザゼル:
いいえ、まだ終わっていません。
- アザゼル:
エンジェルとラミエルを見守っていました。
そこにちょうど伴侶を発見しましたので。 - そうだったのか……
- アザゼル:
……知ってますか?カゴシマ支部にアザゼルがいたこと……
- 話は聞いてる。
- アザゼル:
この支部の方たちは数十年を共に過ごしてきたそうです。
そんな方たちの追悼式です……心の整理がつくまで少し時間がかかると思います。 - アザゼル:
伴侶……
- 主人公:
- 声を震わせるアザゼルを抱き寄せた。
- 主人公:
- 支部の者達全員を救えなかったという罪悪感に苦しんでいるのだろう。
- 主人公:
- アザゼルのせいでないということは誰よりも俺がわかっている。
何より、俺がここに来ていれば……アザゼルが支部へ向かうと言った時、 同行していれば…… - 主人公:
- 人間である俺が、たった一言「やめろ」と命令することができたなら……いや……
- 主人公:
- 俺が「光の降臨」の前にここに来ていれば……
- アザゼル:
伴侶のせいではありません。
- 主人公:
- 俺の考えが伝わったのか、アザゼルは優しく言った。
- 精神感応の力はもう消えたんじゃなかったのか?
- アザゼル:
伴侶が何を考えているのか……誰よりも私がわかってます。
- アザゼル:
もしかすると、伴侶よりも…かもしれません。
- 主人公:
- そう言うと、アザゼルの白い翼は俺の体を包んだ。
- アザゼル:
知っていますか…?
- アザゼル:
ある天使は自分が降臨した日。コウヘイ教団が過去どうであったのか……
自分がどんな目的で作られて、どう利用されたのかを知りました。 - アザゼル:
そして、すぐに自身のアイデンティティと信仰心は揺らいだのです……。
- アザゼル:
真の信仰とは何か。光とは何か。自分がどうして再び地上に降臨したのか
わからなくなりました…… - アザゼル:
その時、天使の前に一人の人間の男性が現れました。
- ……
- アザゼル:
バイオロイドを人間と同じように労わり、聖典に出てくる光に選ばれし救援者
ではありませんが……誰よりもその救援者に近い行動をする人間……。 - アザゼル:
ある日、彼がテーマパークに行こうとすると、天使は反対しました。
その時の天使はまだ人間の男性を完全に信頼できていませんでしたから。 - アザゼル:
悪性の瘴気漂う土地に足を踏み入れ、
過去の人間の残酷性に目覚めてしまったら……と。 - アザゼル:
ふふ……今となって考えてみるとあり得ない話ですが、
アルマン枢機卿とヴェロニカと3人でどれほど心配したことか……。 - アザゼル:
テーマパークの真実を知った人間の男性は、堕落するどころか
自身の崇高な価値観をさらに確固たるものにしていきました。 - アザゼル:
そしてその日、道に迷っていた天使は自身の道を取り戻したんです。
- アザゼル:
この人だ、この方が真の選ばれし者だ。
- アザゼル:
この人について行こう、この人と滅亡した世界に再び光の意志を……
彼の意志を広めようと。 - アザゼル:
そうすれば皆が差別されることなどなく平等に救われると、
あなたを信頼するようになって…… そして今は異性としても愛するようになりました。 - アザゼル:
伴侶……
- アザゼル:
伴侶は今回も……アザゼルを救ったのです。
- アザゼル:
伴侶に救われた私が彼女の最期を見守りました……。
最後の瞬間、彼女は確かに救われていました。 - アザゼル:
ですから。
- アザゼル:
これ以上は自分を責めないでください、伴侶。
- 主人公:
- 俺は、静かにアザゼルを抱きしめた。
- 主人公:
- すると俺を包んでいたアザゼルの翼にきゅっと力が入った。
- 主人公:
- 胸の奥底にある深く沈んだ重たい気持ちが軽くなるまで、
俺とアザゼルはしばらく抱きしめ合っていた。