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???
独善もまた罪。

Transcription

  1. ???:

    独善もまた罪。

  2. ???:

    過ちを正しいと見なすのは悪と変わらぬことである。

  3. ???:

    思慮もなしに独善を追求する者に免罪などない。

  4. ???:

    生まれ持っての独善だとして、それが犠牲者に関係があろうか?

  5. ???:

    そして、独善的に行った悪を許す者はもう存在しない。

  6. ???:

    だから、贖罪は真に果たされることはない。

  7. ニッキー・トレイシー:

    じゃじゃ~ん!ようこそ~!ここがヨコハマUOU学園よ。支部はこの中にあるわ。

  8. シラユリ:

    ヨコハマは庭のようなものとか…言ってませんでしたか?

  9. シラユリ:

    行く先々で鉄虫と遭遇したのですが……

  10. ニッキー・トレイシー:

    安全なルートで間違いないわよ~。あなたたちを迎えに来た時もこのルートで来たんだから。

  11. ニッキー・トレイシー:

    たぶん、さっきの戦闘のせいで鉄虫たちの動きに変化があったんじゃないかな?

  12. ドクター:

    こんなことならタイタンに乗って来ればよかったよ。

  13. スカディー:

    ですが、私のハッキング

  14. ドクター:

    物理

  15. スカディー:

    で行く手を阻む鉄虫たちはすべて除去しましたからね。

  16. スカディー:

    ……ん?ドクターさん?今何か言いました?

  17. ドクター:

    え?私は自然科学を頭の中で分類してただけだよ?

  18. ドクター:

    物理、化学、天文学、地球科学、生物学……えっと……急に分かんなくなっちゃったな~?なんだっけ?

  19. シラユリ:

    はぁ、冗談はそのくらいにしてください。時間は誰にも平等なんです。

  20. シラユリ:

    私たちがこうしてお喋りしている間、味方は私たちを待っていて、敵は準備を進めています。急ぎましょう。

  21. トモ:

    わぁ~!シラユリ!なんだか色々思い出しちゃうね~!

  22. シラユリ:

    あなたは復元モデルでしょう。その記憶はあなたのものではなくて、記憶をアップロードしたトモのものです。

  23. トモ:

    でも私はその記憶を覚えてるじゃん!それに私には他のトモだった記憶はないし。だったらこの記憶は私の記憶って言ってもいいんじゃない?

  24. トモ:

    それにその記憶で思い出を思い出すんだから、この記憶は私の記憶と同じように“私のもの”って言えるんじゃない?あれだよ!“我は記憶する!故に割れ物!”

  25. トモ:

    あれ?なんかすっごい喋っちゃった……私、何言ってるんだろ?

  26. シラユリ:

    ……

  27. シラユリ:

    ニッキーさん、支部の入り口はどこですか?行きましょう。

  28. ニッキー・トレイシー:

    ここが支部よ。

  29. ニッキー・トレイシー:

    あ、でもあまり奥には入らないでね。

  30. ニッキー・トレイシー:

    許可がないまま接近すると、警備装置が作動するから。

  31. シラユリ:

    ……あそこにあるAGSの残骸は何です?何者かが侵入しようとしたのですか…?

  32. ニッキー・トレイシー:

    はは、あれは私。私も許可がないのよ~。だからお酒飲んで酔っ払った時にね、少し入っただけなんだけど……融通利かなくてさ~。

  33. ニッキー・トレイシー:

    ひとつ屋根の下に住んでれば、家族も同然なのに酷いわよね。

  34. シラユリ:

    そんな理論が通るなら、オルカ号の隊員は全員家族ですよ……

  35. シラユリ:

    ドクター、スカディーさん?セキュリティは解除できそうですか?

  36. ドクター:

    う~ん……

  37. スカディー:

    どれどれ……

  38. ドクター:

    昔と大して変わってないね。アップデートする人がいないから当然のことか。

  39. ドクター:

    詳しい事は時間もないし理解できる人が少ないだろうから説明は省略するけど、問題なのは補助システムだね。メインシステムにハッキングを試みると、物理的に接続が遮断される構造なの。

  40. ドクター:

    もし失敗したら接続が遮断されて、セキュリティも強化されちゃう。最悪の場合、資料が削除されるかもしれないね。

  41. スカディー:

    十分な時間があれば、そんな心配しなくてもいいのですが、今は余裕がありません。

  42. ドクター:

    でも全く方法がないってわけじゃないよ。

  43. スカディー:

    警備を突破して、奥にある端末に強制的に接続して、

  44. ドクター:

    物理

  45. スカディー:

    ハッキングすれば、遮断の心配もなく情報が手に入ります。少し危険が伴いますが……

  46. スカディー:

    ……ドクターさん?今絶妙なタイミングで妙なことを言いませんでした……?

  47. ドクター:

    え?妙?何が?私の研究室で授与できる学位の種類を考えてただけだよ?

  48. ドクター:

    物理学、数学、統計学、機械工学、化学……

  49. シラユリ:

    他に方法は?

  50. スカディー:

    探せばあるでしょうけど、今の状況ならこの方法が一番でしょうね。

  51. シラユリ:

    ……

  52. シラユリ:

    司令官?

    1. うん、聞いてる。
  53. シラユリ:

    少し強硬な手段をとろうと思いますが……許可いただけますか?

    1. 許可する。でも気を付けてくれ
  54. ニッキー・トレイシー:

    気を付ける程度は現場の私たちが判断してもいいわよね?

  55. ニッキー・トレイシー:

    よし。許可も下りたことだし。

  56. ニッキー・トレイシー:

    ウチの支部がどんな情報を隠してたのか見せてもらいましょうか~!