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Transcription
- C-77紅蓮:
降伏してください。
- 薔花:
……
- C-77紅蓮:
降伏してください、薔花。
- 薔花:
降伏?
- 薔花:
は…ははははははははははははは!!
- 薔花:
降伏?ねぇ、アタシに今降伏しろって言った?
- 薔花:
テメェには死んでも降伏しない!
- 主人公:
- 薔花はリモコンのようなものを取り出し、スイッチを押した。
- 主人公:
- しかし、何も起こらなかった。
- 主人公:
- 薔花は少し慌ててもう一度スイッチを押したが、やはり何も起こらない。
- 主人公:
- ちょうどその時、通信が入ってきた。
- エリー・クイックハンド:
こちら、アールグレイ。
- エリー・クイックハンド:
建物の要所に設置されていた爆弾6つ、すべて解体しましたわ。
- エリー・クイックハンド:
別の命令があるまで待機していますわ。
- よくやった、エリー。
- 主人公:
- 手持ちの爆弾をすべて使い果たし、設置していた爆弾もすべて解体された。
- 主人公:
- 最後のカードが不発に終わった薔花は叫び始めた。
- 薔花:
さっさと撃てよ!殺せよ!テメェに命乞いするくらいなら死んだ方がマシ!
- C-77紅蓮:
薔花。
- 薔花:
殺せっ!!
- C-77紅蓮:
どうして死にたがるのです。
- 薔花:
うるさい!さっさと殺せっ!!
- C-77紅蓮:
薔花……聞かせてください。
- C-77紅蓮:
私が、紅蓮が……あなたに何か過ちを犯したのなら、謝罪させてください。
- 薔花:
はっ!謝罪させてくださいだ?最後の最後まで善人ぶりやがって!
- 薔花:
そういうのが一番ムカつくんだよ!!
- 薔花:
何でも謝れば解決できると思ってんのか?
- 薔花:
相手がキレてたら全部謝んのかよ?
- 薔花:
テメェの頭ん中、想像以上にお花畑みてぇだな……
- C-77紅蓮:
どうすれば……あなたの憎しみは晴れるのですか?
- 薔花:
死ね!
- C-77紅蓮:
それはできません。
- C-77紅蓮:
あなたの私に対する恨みの原因は……一体何なのですか?
- 薔花:
テメェとアタシが違うことだよ!!
- 薔花:
テメェが誰からも愛されて幸せなことだよ!!
- 薔花:
テメェはどんな失敗をしても!何回殺されてもまた新しい奴がやってきて!
同じようなことをほざく! - 薔花:
アタシなら幸せになれる?アタシを助けてあげる?守ってあげる?
幸せになってもらいたい!? - 薔花:
ふざけるのも大概にしろよ……
- 薔花:
誰のせいで不幸なのかわかってんだろうが!
- 薔花:
自分は汚れてないから!幸せだから!アタシの今までを理解できないから!
……だからそんなふざけたことが言えんだろ!! - 薔花:
テメェはアタシとは違って、“そっち側”にいるから!!
何をやっても愛されて、褒められて!幸せだから!! - 薔花:
テメェが“そっち側”にいる限り、アタシは惨めで悲惨で不幸になるんだよ!!
だからせめて惨たらしく死ねよ!死ね!死ね!!! - C-77紅蓮:
……理解できていないのはあなたの方です。
- C-77紅蓮:
私が汚れていない?何をやっても愛される?褒められる?
- C-77紅蓮:
あなたが!私のことをどれだけ知っているというのですか!
- C-77紅蓮:
私が愛されて幸せ?
- C-77紅蓮:
確かにそう見えるかもしれません。
いいえ、実際私には、私を愛してくれる人がいます。 - C-77紅蓮:
ですが、愛される分だけ痛みが増すこともある。
あなたはそんなこと知らないでしょう? - C-77紅蓮:
私は……私もあなたと変わりません。
- 主人公:
- 画面の向こうからは二人の息遣いだけが聞こえた。
- 主人公:
- そして……そう短くもない時間が経過したあと、紅蓮が沈黙を破った。
- C-77紅蓮:
ブラックリバーが設立した部隊の中にラーテルチームというものがありました。
- 主人公:
- 紅蓮がそう言うと、俺の横にいたシラユリが小さくため息を吐いた。
- シラユリ:
……。
- シラユリ:
紅蓮さん…あなたは……告白するのですね?皆の前で……
- シラユリ:
……それも悪くはないでしょうね。
- シラユリ:
ここには……オルカには……
- シラユリ:
……司令官がいますから。
- C-77紅蓮:
ブラックリバーは無政府地域の民間人たちをテロリストに仕立て上げ、
彼らがテロを起こすと、ラーテルチームを投入しました。 - C-77紅蓮:
ラーテルチームはそのテロリストたちを対象に実戦データを蓄積し、
その練度を上げ、完成しました。 - C-77紅蓮:
そして…そのテロリストの中には……
- C-77紅蓮:
ラーテルチームが過去にテロから救出した人たちもいました……
- C-77紅蓮:
その事実を知ったラーテルチームのメンバーは徐々に壊れていきました。
- C-77紅蓮:
自分が救出した人たちがテロリストになったのを見て……
- C-77紅蓮:
自分が助けた人たち、救わなければならなかった人たち……
それを殺さなければならないという矛盾。 - C-77紅蓮:
事の理不尽さに気が付かない者。
- C-77紅蓮:
自分のせいではないと目を背ける者もいました。
- C-77紅蓮:
これが正しいのだと信じて疑わない者もいました。
- C-77紅蓮:
命令だからと盲目的に従う者もいました。
- C-77紅蓮:
そして……
- C-77紅蓮:
贖罪をしなければならないと自らを責める愚かな作戦官がいました。
- 薔花:
……
- C-77紅蓮:
その作戦官はブラックリバーの人間にその真情を吐露しました。
そのせいで、チームの作戦効率まで落ちてしまっていると…… - C-77紅蓮:
それに対してブラックリバーはどうしたと思いますか?
- C-77紅蓮:
……
- C-77紅蓮:
新たなラーテルチームを作り、元々のラーテルチームを相手に訓練を行ったのです。
- C-77紅蓮:
テロリストがバイオロイドを使ってテロを起こしたという設定で……
- C-77紅蓮:
ラーテルチームは命令に従い、新たなラーテルチームと殺し合いました。
- C-77紅蓮:
……仲間と同じ顔をした相手を……
- C-77紅蓮:
そして、自分と同じ顔をした相手を……紅蓮を……殺しました。
- C-77紅蓮:
生き残った紅蓮はどちら側の紅蓮だったのか私も分かりません。
- C-77紅蓮:
どちらも同じような感情でしたから。
- 薔花:
……
- C-77紅蓮:
そうやってラーテルチームを養分にして、マングースチームは誕生しました。
- C-77紅蓮:
ラーテルチームは罪のない者たちの血によって作られた……
- C-77紅蓮:
そして……この私はラーテルチームの血によって生まれた。
- C-77紅蓮:
いくら足掻いても、人間の命令には逆らえません。
- C-77紅蓮:
いくら足掻いても、過去の罪を忘れることはできません。
- C-77紅蓮:
いくら足掻いても、犠牲者に許されることはありません。
- C-77紅蓮:
もういないのですから……
- C-77紅蓮:
私たちが……私が殺してしまったのですから……
- 薔花:
……
- C-77紅蓮:
これは、私が紅蓮であるが故の原罪。
- C-77紅蓮:
私はその贖罪の方法を探しています。
- C-77紅蓮:
もしかすると……死ぬまで見つけられないのかもしれません。
- C-77紅蓮:
もしかすると……そんなことは永遠に叶わないのかもしれません。
- C-77紅蓮:
だからといって、私が贖罪しなくてもいい理由にはなりません。
- 薔花:
……
- 薔花:
アタシも償える……?
- 薔花:
女帝の命令に従って罪のない人たちを殺して、あんたたちを殺したアタシも。
- C-77紅蓮:
それは私にもわかりません。
- C-77紅蓮:
あなたが殺してしまった人たちはもう…あなたを許すことはできませんから。
- C-77紅蓮:
ですが……贖罪を望むのなら……
- C-77紅蓮:
一緒に探しましょう。贖罪の方法を。
- 薔花:
でも、あんたは実際にその手で殺したわけじゃない……。
- 薔花:
アタシは……アタシはこの手で殺した。
- C-77紅蓮:
だからといって諦めるのですか?
- C-77紅蓮:
償えないからといって開き直り、罪を重ねていくのですか?
- C-77紅蓮:
諦めて、さっきのように死を選ぶのですか?
- C-77紅蓮:
どちらも違います。
- C-77紅蓮:
薔花。贖罪は生きているからこそ出来るのです。
- C-77紅蓮:
死んでしまえば罪と恨みの記録と記憶が残るだけです。
- 薔花:
あんたには手を差し伸べてくれる仲間がたくさんいる!
- 薔花:
アタシはいつだって独りだった!
- 薔花:
そんなアタシがあんたと一緒だと思う?
- C-77紅蓮:
あなたは私が幸せで愛されていると言いましたよね?
- C-77紅蓮:
幸せなのかどうかは分かりませんが……
- C-77紅蓮:
いえ、こんなことを言っては私を愛してくださる方に失礼ですね。
- C-77紅蓮:
確かに、愛してくれる人たちのおかげで私は幸せです。
- C-77紅蓮:
でしたらあなたも幸せに……そして愛されることだって出来ます。
だって、私は別にあなたより善人というわけではありませんから。 - C-77紅蓮:
あなたの言うように私は運良く、人に恵まれただけですから。
- C-77紅蓮:
そして、その人たちが私を愛してくれただけですから。
- C-77紅蓮:
薔花、幸せを、愛を感じたことがないと言うのなら……
- C-77紅蓮:
私が最初の人になってあげます。
- C-77紅蓮:
あなたを愛し、あなたを幸せにしてあげます。
- 薔花:
あんたは……
- 薔花:
あんたはどうしてアタシにそこまでするわけ?
- 薔花:
あんただけじゃない。どうして“紅蓮”は……アタシに優しくしようとすんの?
- C-77紅蓮:
あなたが私を見て憎むように……
- C-77紅蓮:
すべての“紅蓮”があなたを見ると、ただ助けてあげたいと思うんです。
- C-77紅蓮:
それでも、理由を付けるとしたら……
- C-77紅蓮:
似ているからでしょうか?
- C-77紅蓮:
だから……
- C-77紅蓮:
姉妹のように、想ってしまうんです。
- 薔花:
……
- C-77紅蓮:
だから、今は私と戻りませんか?
- C-77紅蓮:
笑顔で。
- 薔花:
……
- 薔花:
……うん。
- C-77紅蓮:
ありがとう、薔花。
- C-77紅蓮:
こちらマングースチーム。
- C-77紅蓮:
任務を完了しました。