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Transcription
- 主人公:
- 箱舟から艦長室に戻ってきた。
ドアが閉まると、騒々しかった外の音は遮断されて、一気に静かになる。 - よいしょっと……
- 主人公:
- 椅子に座り、モニターを点けると、隊員たちの姿が映し出されていた。
各自がそれぞれの方法で休暇を楽しんでいる。 - …今日も楽しかったな…。
- 主人公:
- 休暇も残りわずか。数日もすればまた……仕事と戦闘の日々が始まる。
- ………
- 主人公:
- みんなとても幸せそうな顔をしている。
そんな様子を見ていたら、俺も自然と笑っていた。 - 主人公:
- 改めてこの笑顔を守るためなら、俺はどんなことでもすると、固く誓った。
- そろそろ寝るか……
- 主人公:
- 日が暮れて大分経つが、隊員達はまだまだ眠りそうにない。
- 主人公:
- 残りの休暇を全力で楽しむなら、今日はもう寝た方がいいだろう。
- 主人公:
- モニターを消して、ベッドに横たわる。
- 主人公:
- 箱舟に来てからの色んな出来事と明日からのことを考えながら、
ゆっくりと眠りについた。 - ??:
ご主人様、起きてください。
- 主人公:
- 俺を呼ぶ声がする……。朝か……?
- 主人公:
- 無職生活の間についた習慣で、すぐに起きないつもりだったのだが、
続いて聞こえてきた別の声を聞いて、ゆっくりと意識が覚醒していく。 - ??:
早く起きなさいよ、司令官。
- ??:
ワンワン!
- ??:
あっ、ボリ、だめよ!
- 主人公:
- ハッハッハッ……という息遣いの音と体の上にのしかかる重量感……
- 主人公:
- 俺の体の上に乗った「何か」は俺の口と顎を執拗に舐め回した。
- ??:
うーわ……これでも起きないなんて……
- ??:
ふふ、お疲れのようですし……もう少し後で来ましょう?
- ??:
ダメよ。もう全部準備終わってんだから、みんな待ってるでしょ。
- ??:
そうね……う~ん……どうしたらいいのかしら……?
- ??:
ハッハッ……
- 主人公:
- 俺の顔がヨダレまみれということは見なくても分かった……
- 主人公:
- これ以上舐められる前に、仕方なく起きることにした。
- 主人公:
- すると……予想していた通りの光景が目に入ってきた。
- 主人公:
- 寝ている俺を見下ろすグリフォンとコンスタンツァ。それからボリ。
- 主人公:
- こうやって起こされるのも、もう日常と化していた。
でも今日は何故か、心の片隅が温かくなるような…そんな感じがした。 - コンスタンツァS2:
ご主人様、おはようございます。どうぞ。
- あ、うん。おはよぉ……
- 主人公:
- まだぼーっとした状態で温かいおしぼりを受け取って、
ヨダレだらけの顔を拭いた。 - P/A-00グリフォン:
全然拭けてないじゃん?
- P/A-00グリフォン:
ほら、貸して。私が拭いたげる。
- ああ……ありがとう。
- 主人公:
- 大人しくじっとしていると、グリフォンは丁寧に俺の顔を拭いてくれた。
- コンスタンツァS2:
ふふ、グリフォン。今日はやけに優しいのね?
- P/A-00グリフォン:
……だ、だって……
- P/A-00グリフォン:
今日は特別な日だから……
- むぐっ。
- 主人公:
- 最後に力を入れて俺の顔を拭くと、グリフォンはおしぼりを置いた。
- コンスタンツァS2:
ふふ……さっぱりされましたか?
- 少しは……
- 主人公:
- 人間とは、なんて弱いのだろうか……?
ちょっと無職生活が続いただけで、こんなにも起きられなくなるものなのか…… - 主人公:
- なんとか睡魔を振り切り、上体を起こした。
- P/A-00グリフォン:
……
- …どうした?
- P/A-00グリフォン:
……何でもない。
- コンスタンツァS2:
グリフォンは寝起きのご主人様が好きなんですよ。だから今日も一緒に来るって―
- P/A-00グリフォン:
そ、そんなんじゃないし!そんなの好きなわけ……
- P/A-00グリフォン:
さ、さっさとシャワー浴びてきなよ?
- 主人公:
- 目を逸らすグリフォンに笑いかけ、シャワールームに向かった。
- P/A-00グリフォン:
ちゃんと目が覚めたんなら行くよ。
- P/A-00グリフォン:
みんな待ってるから。
- …さっきから行くって何の話?どこに?
- P/A-00グリフォン:
ええ!?
- コンスタンツァS2:
はい?
- 今日は特に予定はないだろ。……あ、そうだ。
- P/A-00グリフォン:
うわああっ!?
- コンスタンツァS2:
きゃっ…?
- 主人公:
- 二人を抱き寄せて、ベッドに寝転がった。
- 二人も予定ないだろ?
- 主人公:
- さっきから感じていた妙な感覚の原因が分かった。
- 主人公:
- 3年前、俺を見つけてくれたのはこの二人だった。
初めて目覚めた時のあの光景が思い出される。 - 主人公:
- あの時から今に至るまで色々なことがあった。深くため息を吐くグリフォンと
困った顔で笑うコンスタンツァ……二人のこんな顔が見られるだなんて、 あの時の俺には想像もできなかった……ってあれ?ため息と困った顔……? - P/A-00グリフォン:
はぁ……司令官、あんた…本当にバカなんだから。
- コンスタンツァS2:
ふふ。
- え、何で…?
- P/A-00グリフォン:
予定がないィ~?一番大切な日でしょ。
- P/A-00グリフォン:
ほら!早く起きるよ!
- コンスタンツァS2:
そうですよ、ご主人様。さ、起きてください。
- ……?
- 主人公:
- 混乱している俺にコンスタンツァはスーツを渡してきた。
- コンスタンツァS2:
こちらをお召しください。特別な日である、今日のために準備しました。
- 着るのは問題ないけど……特別な日?
- 主人公:
- 思い出そうとしても何も思い出せない…………まさか!?
- チョコレート!?ダメ!やめて!!お願い!!
- 主人公:
- 俺の本気の怯え方を見て、呆れた顔をしているグリフォン。
- P/A-00グリフォン:
え、本当に分からないの?
- P/A-00グリフォン:
今日はあんたの誕生日だよ。
- ………え?
- 主人公:
- ……誕生日?