シーンビューアの使い方
- 背景画像・セリフ下のNEXT・選択肢をクリックでセリフ送り
- 過去のセリフの選択肢・BACKをクリックでログジャンプ
Transcription
- 主人公:
- 生態保存区域の芝生で名前も知らない小動物が何匹か駆け回っている。
- 主人公:
- 後で名前を調べてみようだとか、ムネモシュネは好きなのかな?とか……
- 主人公:
- セティとあの動物たちで戦ったら誰が一番強いかな?とか……、
普段よく考えるようなことも今は頭に浮かんでこない。 - 悪い、ちょっと一人にしてくれないか?
- グラシアス:
盟友よ。
- グラシアス:
……
- グラシアス:
そなたの悩みに答えが出るよう……私が手を貸してもいいだろうか?
- ……まさかグラシアス、君も―
- 主人公:
- 「君も全てを知っていて、エヴァみたいに俺を弄ぶのか?」という……
「俺」らしくない言葉をグッと飲み込んだ。 - いや、ごめん。
- グラシアス:
無理はない、いや……それが正常な反応だろう。
- ……何か知ってるのか?
- グラシアス:
先に謝っておこう。私はここに来る前……一人の女に出会った。
- グラシアス:
その者は……まるで私が通りかかる事を知っていたかのように、
雪原のど真ん中に立っていた。 - …まさか!
- グラシアス:
そう、そなたの想像通りその女は……自分のことをエヴァだと言っていた。
- エヴァが……何と言っていた?
- グラシアス:
ここ、記憶の箱舟がレモネードに攻撃されていると……。
- 情報の入手が苦手だと言っていたのはそういうことだったのか。
- グラシアス:
そうだ。二人きりで動いている私達に、海の向こうで何が起きているのか
知る術などない。 - …どうして最初に言ってくれなかった?
- グラシアス:
……
- 主人公:
- 少し躊躇っていたが、グラシアスは決心したように話し始めた。
- グラシアス:
頼まれたのだ。
- 頼まれた?
- グラシアス:
疑いというものは思考を偏らせる。
- グラシアス:
もし私が最初にこのことを話していたなら、そなたはこの箱舟はもちろん、
私とペレグリヌスを含め、すべてに対して疑念を抱いただろう。 そして、それから… - 主人公:
- その通りだ。あのメッセージとグラシアスの話を先に知っていたなら、
俺は今頃オルカ号で仕事をしていた。 - 主人公:
- そして、今なんか比較にならないくらいに徹底的に箱舟と……
グラシアス、ペレグリヌスを調査しただろう。 - ……それから?
- グラシアス:
……そなたのことをよろしく頼むと言っていた。
- グラシアス:
直接会って自分で言ったらどうだと返したが、エヴァは悲壮な顔をしていた。
- ………
- グラシアス:
盟友よ。そなたにエヴァの行動の真意が理解できるか?
- …いや、俺はよく分からない。
- ??:
理由は簡単だ。
- ペレグリヌス:
なぁ、姐さん。
- グラシアス:
……ペレグリヌス。
- ペレグリヌス:
黙って見てりゃあ……じれったいったらありゃしねぇ。
そんな風に回りくどい話し方してたら分かるもんも分かんねぇだろ。 - ペレグリヌス:
最初に言っとくが……すまん、相棒。
- ペレグリヌス:
俺はその時のエヴァは……正しいと思った。
- 正しい?
- ペレグリヌス:
ああ。話の内容と言やぁ、お前が大切な存在で、
助けが必要だってことだけだったが…… - ペレグリヌス:
切羽詰まってる感が半端なかった。とても頼みを聞かないなんてことは
俺達には出来なかった。 - ……
- ペレグリヌス:
エヴァがそんなことをする理由……何だと思う?俺にはすぐわかった。
- 主人公:
- ペレグリヌスは区域の中央にある噴水を指差した。
- ネレイド:
わぁ……このカフェ、このまますぐ使えそうじゃん?
- MH-4テティス:
へへ、ですよね~?私がもうツバをつけておい―
- MH-4テティス:
ああっ!ここは私達がもう確保したんです~!だめです~!
- シャーロット:
さぁ、みんな~、こちらですよ~
- シャーロット:
この辺りにピクニックシートを敷きましょうか。
はい、お手拭きです、どうぞ~ - フォーチュン:
はぁ~草の匂い。なんだか懐かしいわぁ~。やっぱいいわね~?
- T-9グレムリン:
トミー、嗅覚モジュールはちゃんと作動してる?
- トミーウォーカー:
草の匂いは、しない。
- トミーウォーカー:
原因、グレムリンの香水の匂いが濃すぎる可能性。
- T-9グレムリン:
えっ…!?
- フォーチュン:
ふふっ、だから少しだけにしなさいって言ったのよ?
- フォーチュン:
どれどれ……この疲労度をちょっと調整して……
- 魔法少女マジカル白兎:
ふむ、バニーガールというものが流行っているのね……良い兆候だわ。
- 魔法少女マジカルモモ:
私たちもバニーガールって言ってもいいのかな……?
- 魔法少女マジカルモモ:
えへへ、イフリート兵長に怒られちゃうかもね。
- ポックル大魔王:
わぁ…!
- ポックル大魔王:
白兎、モモ!あれ見てください!野外ステージを設置するんですって!
- 主人公:
- 隊員達は久しぶりの休息を楽しんでいるようだ。
- オルカのみんなか?
- グラシアス:
正確には……私達がそなたと共に過ごす時間、だろう。
- ペレグリヌス:
姐さんの言う通り、俺達がエヴァに会ったことを最初に話してたら、
こんな時間は過ごせなかったはずだ。 - それはそうだ。
- ペレグリヌス:
はははっ、お前もそう思うだろ?言わなくて正解だったろ?
- ああ。だが、この嘘の代価はいつか払ってもらうぞ。
- ペレグリヌス:
オイオイ、相棒……。しみったれたこと言うなよ。結果良ければすべてよしだろ?
- 主人公:
- ペレグリヌスのその軽い言い方のおかげか、心の奥底でモヤモヤと
存在感を出していた黒くて重い物が消えた気がした……。 - ペレグリヌス:
難しく考えんなよ。結果的にはいい事しかなかったろ?
最近楽しいって言ってたじゃねぇか。 - まぁ…
- 主人公:
- 箱舟に着いてからを振り返ってみると……仕事は奪われてしまったが、
楽しい時間を過ごさせてもらったと思う。 - 主人公:
- それこそ毎日、一日中……この世界で最も大切な人たちと
日常と呼べる時間を共にした。 - ペレグリヌス:
もしこれが罠だったとしたら……。エヴァの息がかかった奴らが
油断した隙を狙って、奇襲を仕掛けてきたとしたら? - ペレグリヌス:
そん時は俺達がお前を守ってやる。
命を懸けてな……姐さんもそうだろ? - グラシアス:
もちろん。同意する。
- グラシアス:
難しく考えるなという言葉には同意できないがな。
- ペレグリヌス:
それは姐さんだからだろ?相棒は俺っちと似てるところがあるから、
同意してくれると思うけど?なぁ?相棒~ - ペレグリヌス:
……とにかく、途中で口を挟んで悪かったよ。俺っちの考えは分かってくれたな?
- ペレグリヌス:
よし、じゃあ俺っちはこのへんで。
- 主人公:
- ペレグリヌスはそう言うと振り返りもせず噴水の方に行ってしまった。
- いや、おい…。あいつ……言うだけ言って行きやがった……
- グラシアス:
ふふ。ペレグリヌスらしいな。
- グラシアス:
……心の荷は、少しは降ろせたか?
- うん。おかげでな。
- グラシアス:
それはよかった。だが……まだそなたの悩みには答えが出ていない。
- え?答えは……。あぁ、そうだったな……
- 主人公:
- 確かに今の話はエヴァの話だった。
- 主人公:
- エヴァのメッセージによって思い出してしまった自分自身についての答えは
まだ出ていない。 - グラシアス:
盟友よ、以前私が言ったことは覚えているか?
- グラシアス:
私が契約を守る理由……私がただの操り人形であろうが、
そのこと自体を大切に思っているからだと言ったこと。 - うん。覚えてる。
- グラシアス:
『ドラゴンスレイヤー』が空想の世界であるように、
そなたと私が住んでいるこの世界も空想なのかもしれない。 - グラシアス:
この世界に属する誰もがその真偽は分からないのだ。
- …………
- グラシアス:
そなたが誰なのか、どこから来たのかは重要ではない。
自分自身に投げるべき問いは、そなたが何を大切に思っているか、ただそれだけだ。 - グラシアス:
きっと、その問いに対する答えが、そなたの人生の意味そのものだ。
- グラシアス:
盟友よ、そなたにとって最も大切なものは何だ?
- 俺にとって……
- 主人公:
- 俺の視線は自然と隊員達が集まっている方に向かった。
- グラシアス:
そうだ、それが答えだ。
- ……答えはすでに持っていたんだな。
- グラシアス:
ふふ、そのようだな。
- 主人公:
- グラシアスは、ペレグリヌスの言う慈悲深キャラで笑いながら、
手を差し出した。 - グラシアス:
そなたの大切なもののところに行こうか。何か準備をしているようだ。
- たぶんパーティーの準備だと思う。年末パーティーができなかったから。
- グラシアス:
パーティーか……
- 気になる?
- グラシアス:
このような体になった記念に、ぜひとも経験してみたい。
- それがいい。
- 主人公:
- グラシアスの手を握り、隊員達の方へと向かった。
露に濡れた野花と、人工太陽光に反射して青々と映える木々が 俺達を見守ってくれている。 - 主人公:
- これからも続く、俺の……大切な人たちとのこれからを記憶するかのように。
- -:
冬スペシャルイベント第1部、< 箱舟と春待つ護り手 > END.
- -:
冬スペシャルイベント第2部へつづく。