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Transcription
- 主人公:
- ウォッチャーオブネイチャーが出発してそれほど時間が経たずに、
箱舟の入口に到着したとの連絡が入ってきた。 - 主人公:
- ただ入口は固く閉ざされており、人間の認証が必要というので
護衛と一緒に箱舟へと向かった。 - 人間なら誰でもいいのか?権限とかそういうのは必要なくて?
- エンプレス:
箱舟は遠い未来の文明に危機が訪れた時に備えて作られたの。
- エンプレス:
その時の生き残った人間が文明を再建しようと思ってせっかくやってきたのに、
権限がないから中に入れないなんておかしいじゃない? - それはそうだな……でも何でそれを黙ってたんだ?
- エンプレス:
あ、その……えへへ、黙ってたんじゃなくて、言うの忘れてたの☆
- はぁ…
- 主人公:
- エンプレスの頭にゲンコツするフリだけして入口のパネルに手をかざす。
すると長い歳月を孤独に耐え抜いてきた扉がゆっくりと開いた。 - 主人公:
- 先発隊を先に入れて、安全との報告を受けた後、
箱舟の中へと足を踏み入れた。 - …みんな、ちょっと歩きにくいんだけど……。
- 天空のエラ:
す、すみません。何だか怖くて……
- セティ:
私もです……
- エンプレス:
ふん。ただ暗いだけじゃん!こんなの全然―ぴひやぁっ!?
- 主人公:
- 水滴が落ちる音に驚いたエンプレスは飛び上がって、
慌てて俺の背中に抱きついた。 - ……
- 主人公:
- 両腕と背中に隊員をぶら下げ、合体ロボ状態で奥へと歩いていく……
- 主人公:
- 通路がだんだん明るくなってきたかと思うと、
古城のロビーのような空間が現れた。 - 隊員たち:
わぁ……
- すごい……
- エンプレス:
司令官、あれ見るの。
- あれは……?
- 主人公:
- ロビーの中央に一人の女性が、まるで蜃気楼であるかのように
静かに立っていた……。 - ムネモシュネ…か?
- セティ:
はい。そのようです……。
- エンプレス:
うわぁ、すごい冷たそうなの……
- 主人公:
- 遠くからぺこりと頭を下げたムネモシュネはゆっくりと俺達の方へ歩いてくる。
- ムネモシュネ:
「記憶の箱舟」へようこそ。
- 会えて嬉しいよ。
- ムネモシュネ:
本モデルの識別名、ムネモシュネ、この施設の維持と管理を担当しております。
- 主人公:
- 無機質な表情でもう一度頭を下げたムネモシュネが手を差し出した。
- ムネモシュネ:
本モデルに関するあらゆる権利、および箱舟の閲覧権限譲渡のための手続きを
開始いたします。 - ええと……手を握ればいいのか?
- ムネモシュネ:
……
- 主人公:
- 透き通るような瞳で俺を無言で見つめるムネモシュネの手を握った。
- ムネモシュネ:
遺伝子分析開始……完了。権限ID、アベル。
- ムネモシュネ:
特級権限が確認されました。同調…完了。
- ムネモシュネ:
本モデルに対するすべての権利および箱舟の閲覧権限を取得されました。
管理者様を歓迎いたします。 - ちょっと待て、アベル?特級権限?何のことだ?
- 主人公:
- 俺の問いに対し、ムネモシュネは少し視線を逸らした。
- ムネモシュネ:
……回答不可。本モデルには管理者様の疑問に対し回答する権限が存在しません。
- ……
- ムネモシュネ:
本来、権限確認の後は箱舟の施設について案内することになっております。
- ムネモシュネ:
しかし特級権限を取得された管理者様の要請がある場合、
この手続きを省略することができます。 - 主人公:
- 少し悩んだ後、俺は頷いた。
- 主人公:
- 詳しいことはあとで特級権限を利用して調べてみるか。
- とりあえず案内を頼む。
- ムネモシュネ:
要請を承認。
- 主人公:
- ムネモシュネはゆっくりと左側にある通路へと歩いていった。
- エンプレス:
……いかにも冷たいって感じがするの。
- セティ:
バイオロイドじゃなくて機械みたいです……
- 天空のエラ:
でも……うぅ~ん……
- どうした?
- 天空のエラ:
うぅ、何でもないです。ただの気のせいです。
- 主人公:
- 首を横に振ったエラは床に座り込んだ。
- 天空のエラ:
あの……私、もう限界ですぅ……
- エンプレス:
それもただの気のせいじゃないの?
- 天空のエラ:
そうだったらいいですぅ……
- セティ:
ああっ……!地べたは冷たいですよぉ!
- 主人公:
- セティは座り込んでしまったエラに笑いながら手を貸す。
- セティ:
すみません、司令官様。エラが休める場所を探してきます。
- 分かった。偵察部隊が箱舟の内部を捜索中だから、聞いてみるといい。
- エンプレス:
じゃあ私もここまでなの!息絶えた仲間を見捨てて行くことなんてできないの。
- 天空のエラ:
まだ死んでませんよぉぉ……
- 主人公:
- 雑談をしている間もムネモシュネは通路の真ん中で静かに俺を待っていた。
- 悪い、待たせたな。
- ムネモシュネ:
謝る必要はありません、管理者様。では案内を再開いたします。