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Transcription
- ペレグリヌス:
遺憾であるな。ハーピーの王であるこの俺様が鳥だなどと。
- あ……
- 主人公:
- 正体不明のAGSは戦闘を終えた後、隊員達と一緒に
大人しくロビーまでやって来た。 - ペレグリヌス:
俺様の名はペレグリヌス。偉大なるハーピーの王である。
- ふむ……ああ、そういう設定、なんだな?
- ペレグリヌス:
はははっ!まぁそういうことだ。この世界にハーピーなんかいねぇからな!
- 主人公:
- 快活に笑いながらペレグリヌスは俺の前にすとんと座った。
- ペレグリヌス:
「ドラゴンスレイヤー」って作品は知ってるか?ビスマルクと伝説の合作だ。
- ドラゴンスレイヤー…ああっ!!!!
- 主人公:
- LRLが持ち歩いていた漫画のタイトルを思い出した。
- ペレグリヌス:
知ってるようだな。俺っちはそれの登場キャラクターだ。
- 主人公:
- 何となく違和感のある自己紹介だな……
- ところで、ここへは何の用でやってきた?
- ペレグリヌス:
それはこっちが聞きてぇ。どうして人間がまだ生き残ってる?
- ……
- ペレグリヌス:
はははっ!言いたくなければ無理強いはしない。
どうしてここに来たか知りてぇんだったな? - 主人公:
- ペレグリヌスは深いため息をつくような動作をした後、話を続けた。
- ペレグリヌス:
人間たちが全滅した後、自由に空を飛び回っていたかったんだが、
グラシアスの姐さんに捕まっちまってな。 - ペレグリヌス:
あの姐さんは慈悲深い面もあるんだが、意外と結構頑固なところがあってな、
契約を履行するためだって俺っちまで連れ回されてんだ。 - 契約?何の契約だ?
- ペレグリヌス:
人間ではない存在から人間と人間が遺したものを守護する。
- ペレグリヌス:
レモネードデルタがここを攻撃したって知らせを聞いて、
ソッコーで駆け付けたんだが遅かったみたいだな。 - 主人公:
- 俺っちたちは情報の入手がどうも苦手でな~と開き直るペレグリヌス。
その言葉にある疑問が生じた。 - レモネードデルタと戦ってるのか?
- ペレグリヌス:
結果的にはそうだ。
- ペレグリヌス:
鉄虫が現れるまでは、まだ味方とも言えたんだが……
- ペレグリヌス:
レモネード達が勝手に行動するようになってからは、まぁ、この通りだ。
- それはどうして?
- ペレグリヌス:
「人間ではない」存在から人間と人間が遺したものを守護する。
- ……
- ペレグリヌス:
姐さんに課せられた契約……実はビスマルクの会長の命令なんだが。
んまぁ……なんつーかよ。 - ペレグリヌス:
あいつは鉄虫のことを言いたかったんだろうが……自分が作った設定に
酔っちまったんだな、カッコつけて命令したのが災いのもととなった。 - ペレグリヌス:
それが残っている以上、レモネード達が勝手をするなら、
俺達とは敵対するしかない運命だったってわけだ。 - 命令を曲解したってことだな。
- ペレグリヌス:
まぁ、そういうことだ。
俺達は命令される通りに動くピエロ、ただの道具に過ぎねぇ。 だからといって何も考えないわけでもない。 - ペレグリヌス:
世の中には、越えちゃならねぇ「ライン」ってもんがある。
- ペレグリヌス:
お前も見ただろ?マリオネット。
- ペレグリヌス:
しかもあれはデルタのやり方で、あれよりもさらに酷いことが
人間がいなくなった世界では起きている。 - ペレグリヌス:
こんなこと言っちゃあアレだが、鉄虫にやられた方がまだマシだ。
- ……
- ペレグリヌス:
だからこそ……問おう、人間。
- ペレグリヌス:
お前は……「どっち側」だ?
- 主人公:
- その瞬間、ペレグリヌスの軽い雰囲気が一変した。
- 主人公:
- 上体を起こし、冷酷な目で見下ろすペレグリヌスに、周りにいた隊員達は
一斉に銃口を向けた。 - ペレグリヌス:
……ほぉ。
- 主人公:
- しばらく隊員達を見回したペレグリヌスは肩をすくめ、再び深く座り込んだ。
- 主人公:
- 同時に緊迫した空気が一気に弛緩した。
- ペレグリヌス:
よ~く分かった。
- ペレグリヌス:
お前はこいつらにとって大切な存在のようだな!
- 敵が多すぎて諦めただけじゃないのか?
- ペレグリヌス:
はっははははははっ!もちろんそれもある!
- 主人公:
- ペレグリヌスは豪快に笑い、手を差し出した。
- ペレグリヌス:
改めてよろしく頼むぜ。
正義はおろか何も残っていない世界、俺は人間でもないが…… - ペレグリヌス:
正義に生きようじゃねぇか。
- …あぁ。こちらこそよろしく。
- 主人公:
- ペレグリヌスが差し出した手を握った。
- 主人公:
- 冷たい金属の手からは、決して揺らぐことのない信念と意志を感じた。