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ペレグリヌス
遺憾であるな。ハーピーの王であるこの俺様が鳥だなどと。

Transcription

  1. ペレグリヌス:

    遺憾であるな。ハーピーの王であるこの俺様が鳥だなどと。

    1. あ……
  2. 主人公:

    - 正体不明のAGSは戦闘を終えた後、隊員達と一緒に大人しくロビーまでやって来た。

  3. ペレグリヌス:

    俺様の名はペレグリヌス。偉大なるハーピーの王である。

    1. ふむ……ああ、そういう設定、なんだな?
  4. ペレグリヌス:

    はははっ!まぁそういうことだ。この世界にハーピーなんかいねぇからな!

  5. 主人公:

    - 快活に笑いながらペレグリヌスは俺の前にすとんと座った。

  6. ペレグリヌス:

    「ドラゴンスレイヤー」って作品は知ってるか?ビスマルクと伝説の合作だ。

    1. ドラゴンスレイヤー…ああっ!!!!
  7. 主人公:

    - LRLが持ち歩いていた漫画のタイトルを思い出した。

  8. ペレグリヌス:

    知ってるようだな。俺っちはそれの登場キャラクターだ。

  9. 主人公:

    - 何となく違和感のある自己紹介だな……

    1. ところで、ここへは何の用でやってきた?
  10. ペレグリヌス:

    それはこっちが聞きてぇ。どうして人間がまだ生き残ってる?

    1. ……
  11. ペレグリヌス:

    はははっ!言いたくなければ無理強いはしない。どうしてここに来たか知りてぇんだったな?

  12. 主人公:

    - ペレグリヌスは深いため息をつくような動作をした後、話を続けた。

  13. ペレグリヌス:

    人間たちが全滅した後、自由に空を飛び回っていたかったんだが、グラシアスの姐さんに捕まっちまってな。

  14. ペレグリヌス:

    あの姐さんは慈悲深い面もあるんだが、意外と結構頑固なところがあってな、契約を履行するためだって俺っちまで連れ回されてんだ。

    1. 契約?何の契約だ?
  15. ペレグリヌス:

    人間ではない存在から人間と人間が遺したものを守護する。

  16. ペレグリヌス:

    レモネードデルタがここを攻撃したって知らせを聞いて、ソッコーで駆け付けたんだが遅かったみたいだな。

  17. 主人公:

    - 俺っちたちは情報の入手がどうも苦手でな~と開き直るペレグリヌス。その言葉にある疑問が生じた。

    1. レモネードデルタと戦ってるのか?
  18. ペレグリヌス:

    結果的にはそうだ。

  19. ペレグリヌス:

    鉄虫が現れるまでは、まだ味方とも言えたんだが……

  20. ペレグリヌス:

    レモネード達が勝手に行動するようになってからは、まぁ、この通りだ。

    1. それはどうして?
  21. ペレグリヌス:

    「人間ではない」存在から人間と人間が遺したものを守護する。

    1. ……
  22. ペレグリヌス:

    姐さんに課せられた契約……実はビスマルクの会長の命令なんだが。んまぁ……なんつーかよ。

  23. ペレグリヌス:

    あいつは鉄虫のことを言いたかったんだろうが……自分が作った設定に酔っちまったんだな、カッコつけて命令したのが災いのもととなった。

  24. ペレグリヌス:

    それが残っている以上、レモネード達が勝手をするなら、俺達とは敵対するしかない運命だったってわけだ。

    1. 命令を曲解したってことだな。
  25. ペレグリヌス:

    まぁ、そういうことだ。俺達は命令される通りに動くピエロ、ただの道具に過ぎねぇ。だからといって何も考えないわけでもない。

  26. ペレグリヌス:

    世の中には、越えちゃならねぇ「ライン」ってもんがある。

  27. ペレグリヌス:

    お前も見ただろ?マリオネット。

  28. ペレグリヌス:

    しかもあれはデルタのやり方で、あれよりもさらに酷いことが人間がいなくなった世界では起きている。

  29. ペレグリヌス:

    こんなこと言っちゃあアレだが、鉄虫にやられた方がまだマシだ。

    1. ……
  30. ペレグリヌス:

    だからこそ……問おう、人間。

  31. ペレグリヌス:

    お前は……「どっち側」だ?

  32. 主人公:

    - その瞬間、ペレグリヌスの軽い雰囲気が一変した。

  33. 主人公:

    - 上体を起こし、冷酷な目で見下ろすペレグリヌスに、周りにいた隊員達は一斉に銃口を向けた。

  34. ペレグリヌス:

    ……ほぉ。

  35. 主人公:

    - しばらく隊員達を見回したペレグリヌスは肩をすくめ、再び深く座り込んだ。

  36. 主人公:

    - 同時に緊迫した空気が一気に弛緩した。

  37. ペレグリヌス:

    よ~く分かった。

  38. ペレグリヌス:

    お前はこいつらにとって大切な存在のようだな!

    1. 敵が多すぎて諦めただけじゃないのか?
  39. ペレグリヌス:

    はっははははははっ!もちろんそれもある!

  40. 主人公:

    - ペレグリヌスは豪快に笑い、手を差し出した。

  41. ペレグリヌス:

    改めてよろしく頼むぜ。正義はおろか何も残っていない世界、俺は人間でもないが……

  42. ペレグリヌス:

    正義に生きようじゃねぇか。

    1. …あぁ。こちらこそよろしく。
  43. 主人公:

    - ペレグリヌスが差し出した手を握った。

  44. 主人公:

    - 冷たい金属の手からは、決して揺らぐことのない信念と意志を感じた。