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Transcription
- 主人公:
- 箱舟内部と外部の片付け、宿営地の建設、
さらには海の向こうの陸地まで慎重に偵察するなど…… 色々慌ただしくしていると、気がついたら翌日になっていた。 - 主人公:
- そんな中……
- C-77紅蓮:
司令官、あのトリアイナさん達の……
- 北極探検隊でいいよ。
- C-77紅蓮:
…はい。北極探検隊とAGSのグラシアスが、島の外縁部で薔花と遭遇しました。
- …どんな反応だ?
- C-77紅蓮:
特に変わったことはないようですが、そろそろ……
- う~ん…
- 主人公:
- 凶暴化した鉄虫から守るため世界各地に散らばっていた隊員達を招集した時、
日本にいた隊員からある報告を受けていた。 - チョナは?
- C-77紅蓮:
ここに到着して以来、別行動をしています。
- C-77紅蓮:
私達が停泊しているところから西に進んだ地点にある小さな村にいるようです。
- 主人公:
- 薔花、そして同じ部隊に所属するチョナが撤収作戦に協力してくれたらしいのだ。
- 主人公:
- 日本に配属となった隊員達はまだ経験が浅い者が大半だった上に、
インフラも完璧な状態ではなかった。 - 主人公:
- そんな状況だった為、2人の協力がなかったら相当の被害が出ていたはずだ。
2人も特に敵対意思を見せなかったので、そのまま同行を許可した。 - 主人公:
- 途中、セントローレンス島で合流した時も、
船団を成して北極海を航行している時も… - 主人公:
- 薔花とチョナは輸送船の隅にいるだけで、特に行動を起こすことはなかった。
- 主人公:
- あっ、カイロが何度も盗まれたみたいで、シルキーが半泣きになっていたな……
- 接触をしてきたということは、話をする気になったということかな?
- C-77紅蓮:
……はい。おそらくそうだと思います。
- 分かった。任せてくれ。
- C-77紅蓮:
ありがとうございます、司令官。
- 主人公:
- 自称北極探検隊の要請を受けて箱舟の外に出た。そこには……
- 薔花:
……
- よぉ。元気にしてたか?
- 薔花:
まぁまぁ。
- 主人公:
- 目を逸らしながら答える薔花と目を合わせ、改めて話しかける。
- うちの隊員を助けてくれたんだって?
- 薔花:
……本当は分からないようにやるつもりだったけどね。
- そうだったのか?じゃあなんで……
- 主人公:
- 薔花はまた俺から目を逸らした。
- 薔花:
気付かれないようにするのは限界があった。
- そうか。
- 主人公:
- そう言って俺は少し黙る。すると薔花は恐る恐る顔を上げた。
- 主人公:
- 震える赤紫の瞳孔が俺を不安げに見つめる。
- ありがとう。君達がいなかったら誰かが死んでいたかもしれない。
- 薔花:
……こうなるのが嫌だったから、こっそりやりたかったのに……
- 主人公:
- 愚痴っぽく言う薔花の髪をそっと撫で、もらってきた認識票を差し出す。
- 薔花:
何よ、これ。
- 認識票。臨時措置ではあるけど。
- 薔花:
あ……
- これがあればどこに行っても文句は言われないはず。
- 主人公:
- 認識票を受け取った薔花はしばらくぼーっとそれを見下ろしていた。
- またそのうち取りに来るよ。それまで持っててくれ。
- 薔花:
…分かった。
- 主人公:
- 俺を複雑な表情で見ていた薔花はすぐに踵を返し、歩いて行った。
- 主人公:
- 最後にもう一度だけこちらを振り返った薔花はまた歩き出し、
雪原の向こうへと姿を消した。 - ふぅ…とりあえず最初の一歩ってところかアアァァァァァァッ!?
- 主人公:
- ちょっぴりセンチメンタルな気分で薔花の後ろ姿を見送って、
後ろを振り返ると目の前に巨大な竜がいた。 - 主人公:
- 文字通り驚いた拍子にひっくり返ってしまった。
- LRL:
とくと見よ!必滅者よ!真祖である余が操るドラゴンの勇姿を!
- トリアイナ:
ね!絶対死ぬほどびっくりするって言ったでしょ!?
- トリアイナ?LRL?一体これは……あ。
- トリアイナ:
も~キャプテン。ちゃんと報告しといたのにそんなに驚いちゃうなんて~。
- トリアイナ:
私、トリアイナ探検隊長は非常に失望したわよ!
- 主人公:
- そういえばグラシアスの情報を確認するのを色々あって忘れていた……。
- グラシアス:
会えて嬉しい。私はグラシアス。竜殺者の仲間であり、人類の守護者である。
- う、うん。初めまして。俺も嬉しいよ。
- グラシアス:
ふふふ……、真祖のお嬢さんと探検隊長の話通りだな。
- そ、そうか…?
- トリアイナ:
ふっ。
- LRL:
ふっふっふっ……
- ペレグリヌス:
お、姐さん、来たな?
- ペレグリヌス:
挨拶はもう済んだか?だが、改めて紹介しよう。
- ペレグリヌス:
大将、前にも話したけど、こちらがグラシアスの姐さんだ。
気高く、美しく、頑―んん!こほん! - ペレグリヌス:
姐さん、こっちが最後の人間でありバイオロイド抵抗軍を率いる司令官だ。
- ペレグリヌス:
かっけぇ奴だから惚れないように気をつけろよ。
- グラシアス:
紹介ありがとう、ペレグリヌス。
- ペレグリヌス:
あ、それから「確認」なら俺っちが済ませておいた。
姐さんはもう何もしなくても―あ、ヤベ。 - グラシアス:
……ペレグリヌス。
- ペレグリヌス:
でもほら、万が一ってこともあるだろ?この世界はとても危険なんだ。
外見だけで判断してちゃあ大変なことになる。 - グラシアス:
……
- ペレグリヌス:
ああ、ったく!分かったよ。でも別に謝るつもりはねぇぞ。
もうちゃんと折り合いはついてるからよ。 - ペレグリヌス:
だよな?相棒。
- グラシアス:
色々と迷惑をかけたようだな。こやつも根はいいやつなのだ。許してやってくれ。
- 大丈夫だ。気にしてないし、それに……
- 主人公:
- 後ろの方で探検の戦利品と思しきガラクタを山分けしている北極探検隊に
視線を移した。 - うちの子たちを助けてくれてありがとう。
- グラシアス:
ふふ、何を言う。むしろおかげで楽しい時間を過ごせた。
- 主人公:
- しばらく何も言わずに探検隊を見つめていたグラシアスが
またこちらを見た。 - グラシアス:
聞きたいこともあるだろう?
- まぁそれなりにな。
- ペレグリヌス:
俺っちが大体の話はしておいた。
- ペレグリヌス:
「何十年もの間、レモネード達を相手に必死に戦いました」の一言で
まとまっちまうがな。 - 君が戦う理由を知りたい。
- グラシアス:
私の使命だからだ。
- それは君が―
- グラシアス:
いや、私が出演した作品とは関係なく、だ。
- グラシアス:
私が俳優であり、ただの操り人形であるという事は誰よりもよく知っている。
- ……
- グラシアス:
だが同時にその事を私は大切にしているのだ。分かるか?
- 主人公:
- グラシアスの言葉を聞いて、数人の顔が頭に浮かんだ。
- …あぁ。分かるよ。
- グラシアス:
ありがとう。
- ペレグリヌス:
おい、俺っちの時はよく分かってなかったじゃねぇか!?
- あの時のおかげで少しは理解できるようになったんだよ
- ペレグリヌス:
んだよ……。俺っち一人がバカみたいじゃねぇか。
姐さんは姐さんでまーたカッコつけた言い方して、 慈悲深キャラで行く気だしよ。 - グラシアス:
ふふ、そうか?
- ペレグリヌス:
はぁ……、俺っちだけカッコ悪……。
あぁ、そうだ相棒。あれはどうなった? - あっ、そうだったな。
- 主人公:
- 先日、ペレグリヌスとアルフレッドとで話をした時、
問題が発生したグラシアスの胴体を直せるかどうか聞かれていた。 - 胴体に問題があるんだって?
- グラシアス:
ペレグリヌス……
- ペレグリヌス:
あ?何だよ。これくらいは頼んでもいいだろ?
- 遠慮することはない。その気があるならドクターとアザズに見てもらえるように手配するよ。
- グラシアス:
ドクターとアザズ…?
- ペレグリヌス:
ふふ、姐さんもびっくりしただろ?俺っちも昨日聞いてマジで驚いたんだ。
- 主人公:
- ドクターとアザズに来てもらい、グラシアスを任せた後、
ペレグリヌスが小声でささやいた。 - ペレグリヌス:
おい、相棒。
- なんだ?
- ペレグリヌス:
俺っちはな、本当なら次の作品で最高にかっけぇ姿に変身して、
敵の最強の幹部と戦って死ぬってストーリーが予定されていたんだ。 - へぇ…それで?
- ペレグリヌス:
頼みがあんだけどよぉ?
- 考えておく。
- ペレグリヌス:
お?なんだその返事は。差別か?姐さんのは二つ返事で引き受けといてよぉ
- 修理と変身は違うだろ。よく分からんが構造的な問題とかもあるだろうし。
- ペレグリヌス:
ちぇっ!まあそれはそうだけどよぉ。
- LRL:
眷属よ!これより余が手に入れた戦利品を授けてやろう!
さっさとこちらに来るのだ! - 行ってくる。真祖のお姫様がお呼びだ。
- ペレグリヌス:
はぁ……、分かったよ。あの嬢ちゃんが本物の真祖のガキンチョを
見たらどう反応するんだろうな? - ……医療チームを待機させとかないとな。
- ペレグリヌス:
はははっ、それがいい。