シーンビューアの使い方
- 背景画像・セリフ下のNEXT・選択肢をクリックでセリフ送り
- 過去のセリフの選択肢・BACKをクリックでログジャンプ
Transcription
- 主人公:
- まるで決められてでもいたかのように目が覚めた。
時計を見なくても午前6時であることが分かった。 - 主人公:
- 習慣というものは怖い。この数年もの間に身に染み付いた起床時間は、
無職になってもそのままだ。 - 主人公:
- しかし、今の俺は無職。無職なんだ。
……だから俺は二度寝という甘美なる行為も許されるわけだ…… - う~ん……
- 主人公:
- だが、一度去ってしまった睡魔は戻ってはこない。
寝返りを打つと、隣から声が聞こえてきた。 - ??:
司令官……?
- ごめん。まだ寝てていいよ。
- 主人公:
- そう言ってその声の主に向き直り、薄褐色の髪に顔を埋めて、
柔らかい体を抱き寄せた。 - …………
- 主人公:
- 自然と俺の手は彼女の上半身に位置していて……
ふと、イタズラしたくなってきた……。 - ??:
うう~ん……
- 主人公:
- 彼女は半分眠った状態で体をねじらせる。
- ??:
ふふ、またですか……?
- ??:
たくさんしたじゃないですか……昨日の……夜……に……んっ……んん?
- ??:
ってことは……い、今は……朝!?ね、寝坊っ…!
- 主人公:
- ベラは悲鳴と同時にベッドから飛び起きるとすぐにバスルームに駆け込み、
顔を洗って、枕元に畳んであった服を着た。 - T-12カリアフ・ベラ:
司令官、私は先に……あれ?
- 主人公:
- 俺がベッドに寝たまま時計を指差すと……
- 主人公:
- 目をパチパチと瞬きさせて日付を確認したベラは、ほっとため息をついた。
- 今日は休日だよ。ベラ。
- T-12カリアフ・ベラ:
そ、そうでしたね……ふぅ、びっくりしました……。
- 主人公:
- ベッドにドサッと座り込んだベラは俺を見下ろした。
- T-12カリアフ・ベラ:
……
- …どうした?
- T-12カリアフ・ベラ:
起きないんですか?
- …何で?
- T-12カリアフ・ベラ:
何でって、朝ですよ。
- 休日の朝、だよ。
- T-12カリアフ・ベラ:
でも起きちゃったんですから、顔は洗いましょうよ。ほら。
- 主人公:
- ベラは穏やかに笑って、手を差し伸べる。
- T-12カリアフ・ベラ:
司令官……本当に素敵な人……。だから、ほら、司令官?
- 主人公:
- その穏やかな笑みと言葉に心を持っていかれた俺は……
- 主人公:
- もう一度寝ることにした。
- T-12カリアフ・ベラ:
司令官!
- 寝かせて……どうせ仕事もないし起きたってすることないんだぁ……
- T-12カリアフ・ベラ:
イフリート兵長みたいなこと言わないでください!もうっ…
- 主人公:
- 結局俺は半分眠った状態で強制的に起こされた。
- T-12カリアフ・ベラ:
しょうがないですね……では、私が洗ってあげます。それなら文句ないですよね?
- 主人公:
- ベラは返事を待たずに俺をバスルームに連れていき、
一瞬で頭の鳥の巣を撤去し、服を着せてくれた。 - T-12カリアフ・ベラ:
ほら見てください。素敵になったじゃないですか。
- お、たしかに?いい感じだな。
- T-12カリアフ・ベラ:
でしょう?だから今日も一日、元気に……ええ!?
- さっぱりとした気分で寝られそう……
- 主人公:
- 再び布団の中に潜り込む俺を見ていたベラは思いのほか機嫌が良さそうだった。
- ……怒らないの?
- T-12カリアフ・ベラ:
怒りませんよ。休日ですし、いつもの小言タラタラのベラではなくて、
どんなことでも許す広い心を持ったベラになることにしました。 - T-12カリアフ・ベラ:
さっきはちょっと小言っぽかったですが……
えへへ、癖で言ってしまいました……。 - ふ~ん、本当?
- T-12カリアフ・ベラ:
本当です~。ですから今日は……
- 主人公:
- ベラは布団の中に入ってきて俺を抱きしめる。
- T-12カリアフ・ベラ:
司令官と一日中ゴロゴロしちゃいます。
- 俺はそういう意味で言ってないけど?
- T-12カリアフ・ベラ:
え?じゃあどういう―
- T-12カリアフ・ベラ:
…ふあっ。あっ、ダメです。それ、は昨日の夜限定―きゃんっ!?
- 主人公:
- 結局、翌朝まで俺達はベッドから一歩も出なかった。
- -:
< オルカ総司令官(無職) > 次のストーリーに続く。