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Transcription
- 主人公:
- 静かな部屋。
……一組の男女が隠れるように座っている…… - 例のブツは…?
- ??:
用意しています。言われた通り、この箱の中に……
- 主人公:
- ゆっくりと……慎重に箱を開ける。
- おお……手に入れるの大変だったろ。
- ??:
はい、思ったより大変でした。では……相応の報酬をいただけるんですよね?
- 主人公:
- ゆっくりと頷き、パンパンに膨らんだ包みを手渡す。
- ??:
いち、にぃ、さん……こ、こんなにたくさん!?
- オレンジエード:
こんな大量のお菓子、どこで手に入れられたんですか!?全部人気があって
滅多に食べられないものばかりじゃないですか! - オレンジエード:
わぁ、これもそうだし……、これも!人気商品なのに……!司令官様、最高です!
- オレンジエードこそ、この漫画どこで手に入れたんだ?
- オレンジエード:
情報区域には漫画もありまして。面白そうなものをひと通り持ってきました。
- オレンジエード:
まぁ、漫画本ならではの「良さ」を感じてもらいたかったので、
一生懸命プリントして作ってたんですが…… - オレンジエード:
アルファ様に見つかって、大目玉食らっちゃいました。えへへ。
- オレンジエード:
- オレンジエードはいたずらっぽく笑いながら、
自分の頭にこつんとゲンコツをした。 - オレンジエード:
でも残りの分はちゃんとタブレットにダウンロードしておきました!
- よーし!じゃあ今から漫画観賞会のスタートだ!
- オレンジエード:
イエ~イ!この時をどれだけ待ちわびたことか~!あ~……あの頃が懐かしいです。
- オレンジエード:
あれは、私が派遣先に行った時のことです。確か穏やかな春の日でした……
- オレンジエード:
いつものようにアルファ様の指示に従って、
鉄虫の動態を調査する為あちこち歩き回って~ - オレンジエード:
見つからないように隠れて観察したり、時には追いかけられたり、
時には本当に危機一髪な瞬間とかもあってですね? - オレンジエード:
もう、あの時は冗談抜きで派遣中に死ぬんじゃないかと思いました。
もう帰りたい!今すぐにでもオルカ号で内勤させて~って叫びそうになりましたよ。 - オレンジエード:
でも、身勝手な行動はできないので~。三安の物資営業所を発見するたびに、
ほら、ビールあるじゃないですか。ビール。あれを飲んで耐えてきたんですよ。 - オレンジエード:
あの辛い時に飲むビールの味と言ったらもう格別で……。
そして、ビールを飲みながら苦労して手に入れた漫画を読む時の幸福感ときたら…… 最高でしたよ!!! - はは。そっか。
- オレンジエード:
はい!ですから、司令官様のおかげでこうしてゆっくり漫画を読んで
休みを満喫する事が出来るなんて……… - オレンジエード:
本当に嬉しいんです。本当に本当に感謝してます。司令官様!
- 俺の方こそいつも助けてくれて感謝してるよ。
- オレンジエード:
こういうことならいつでも言ってください!でも…外勤は勘弁してくださいね。
えへへ……。 - オレンジエード:
では早速!漫画を読みましょう。どれから読みますか?
- オレンジエード:
- ニコニコしながら漫画を選ぶオレンジエード。彼女に倣って俺も漫画を選ぶ。
- オレンジエード:
- ファンタジーやアクションも好きだが、今日は少し落ち着いたやつが読みたい。
- オレンジエード:
まだ決まりませんか?
- うん。色々あって迷うな。
- オレンジエード:
読みたい作品やジャンルはありますか?一緒に探しましょ。
- オレンジエード:
タブレットにもたくさんあるので、こっちでも探してみましょうか。どれどれ……
- オレンジエード:
- オレンジエードは隣に座って、俺からタブレットを受け取った。
- じゃあ…落ち着いたもので。
- オレンジエード:
では恋愛モノにしましょうか……って、あははっ。司令官様はすでに
ラブコメの中にいましたね。 - オレンジエード:
でも漫画は漫画でまた違った恋愛の面白さがありますから。
これなんてどうですか?天才だけど恋愛は不器用な学生たちのお話です。 - オレンジエード:
ラブコメですが真剣な話もあって、でも、そこまで重たくないし
読みやすいと思います。この会長と副会長のやりとりが 可愛くてキュンキュンしちゃうんですよ。 - メイも読んだって言ってたな。
- オレンジエード:
いつか絶対に読んでみてください。他のも超おススメですよ。
あっ、これとかたまに読みます。 - オレンジエード:
漫画を読みながら私もこの主人公みたいになれるのかな~?
こんなスーパーロマンティックな恋愛してみたいな~ - オレンジエード:
…って思いながら寂しさを紛らわすことがよくありました……。
- オレンジエード:
- 笑いながら話す彼女から、なんとなく哀愁みたいなものを感じた。
- オレンジエード:
でも今は司令官様がいるので平気です。しばらくは外勤もないですし、
司令官様も休暇でこんな風に一緒にいてくれますから。 - オレンジエード:
- 俺はそっと彼女の頭を撫でる。
- オレンジエード:
し、司令官様?どうしたんですか……あわっ、わあ~えへへ……
- オレンジエード:
私、頭撫でられるのが好きだって何で知ってるんです?あは…えへへへ……
- オレンジエード:
- 何も言わずにただただ撫で続ける……。
- オレンジエード:
あっ!そうだった!漫画、漫画読みましょう!
タブレットの方はジャンル別に整理しておきましたから、 まずフォルダを選択して…… - ……
- オレンジエード:
あのぉ、司令官様……?ずっと撫でられるとちょっと恥ずかしいのですが……!?
- オレンジエード:
- 恥ずかしそうに体をゾクゾクと震わせるオレンジエードの唇に、
俺は唇をそっと重ねた。 - オレンジエード:
- ゆっくりと唇を離すと、ひと目で分かるほど彼女の顔は真っ赤になっていた。
- オレンジエード:
あ、あぁ……こ、これって……
- オレンジエード:
- かなり動揺しているのか、うまく言葉が出てこないオレンジエード。
- オレンジエード:
- 普段は活発で口数の多い彼女だが、今は床を見つめて口をモゴモゴさせている。
- こうすると静かになるんだな。
- オレンジエード:
そ、そうみたい、です……私も初めて知りました……。
- オレンジエード:
- もう一度彼女の頭をゆっくりと撫でながら、小声でささやいた。
- 寂しくなったらいつでもおいで。
- オレンジエード:
い……いいんですか?
- うん。一緒に漫画読もう。
- オレンジエード:
えへ、へへへ……。ありがとうございます……
- オレンジエード:
- そう言って俺の胸に体を預けてくるオレンジエードをしばらく撫でてあげた。
- オレンジエード:
あのですね。司令官様……
- オレンジエード:
- オレンジエードは紅潮した顔で俺を見上げた。
- オレンジエード:
私、またお喋りに戻りそうなんですが……どうしましょう?
- オレンジエード:
えへへ……。司令官様……また私を大人しくさせてくれませんか?
- いいよ。
- オレンジエード:
- その日のオレンジエードはそれはもう静かだった。
- オレンジエード:
< パーフェクトコミュニケーション > END.