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Transcription
- オベロニア・レア:
……
- ティタニアはどんな感じ?
- オベロニア・レア:
いつものように医務室にいます。
- オベロニア・レア:
妹達がそばにはいますが……
- 主人公:
- その後は特に聞かなくても、なんとなく予想できる。
- オベロニア・レア:
……ティタニアは、根本的に私と同じです。
- …うん。
- 主人公:
- ティタニアとレアは同時期に異なる研究所で生まれた。
- 主人公:
- 同系統の遺伝子を持ち、異なる能力を持つことでお互いに補完し合うように
設計されたのだが……不幸にもティタニアの設計は失敗した。 - 主人公:
- しかし、研究者達は多くの時間と予算を費やしたその「成果」の廃棄を
望まなかった。 そして、あろうことかティタニアにレアに対する嫉妬と憎悪の感情を植え付けた。 - 主人公:
- その結果…ティタニアはネガティブな感情のおかげで、
不安定ながらも力を発揮することができた。 - ……
- 主人公:
- ティタニアのことを考えていると、胸が詰まるような感覚に襲われた。
- オベロニア・レア:
外見と能力の系統には調整が加えられましたが……
性格だけは、まったく同じものなのです。 - …後天的に変わってしまったってことだな。
- オベロニア・レア:
……はい。
- オベロニア・レア:
言い換えれば、私もそう……誰かを憎み、嫉妬をすれば
ティタニアのようになるということです。 - オベロニア・レア:
つまり…
- …ティタニアも元々は優しい性格だったっていうこと?
- 主人公:
- 黙って頷いたレアは話を続ける。
- オベロニア・レア:
……ですので私は、今ティタニアがどれほど苦しんでいるのか、
痛いほど分かります。 - オベロニア・レア:
そして……私に出来ることは何もないということも。
- ………
- 主人公:
- 復元された当初、ティタニアはレアを見るや否や暴走した。
- 主人公:
- 彼女はすぐに安定剤を打たれて医務室に運ばれた。
その時のティタニアを見つめるレアの表情は今でも鮮明に覚えている。 - 主人公:
- それ以来、暴走はしなかったが、ただ無視するだけの姉妹達とは違い、
レアにだけは今も極めて攻撃的な態度を見せる。 - …俺に任せろ。これは俺の責任だ。
- オベロニア・レア:
ご主人様……
- 主人公:
- フェアリーの激しい反対にもかかわらず、ティタニアの復元を
強行したのは俺のエゴだ。 - 主人公:
- 今まで様々なバイオロイド達と出会ってきた。どんな変わった子であろうとも、
みんな少しずつ俺に心を開いてくれた……。 だから、無意識のうちに今回も大丈夫だろうと簡単に考えていた気がする。 - 主人公:
- そして今……フェアリー、特にレアがティタニアの復元に
強く反対していた理由も痛感している。 - オベロニア・レア:
……
- オベロニア・レア:
でも最初の頃に比べればずっとよくなりました。少なくともご主人様には。
- それはそうだけど……
- 主人公:
- この前みたいに一瞬でも「会話」が成立するようになったのは最近の話だ。
- 主人公:
- 憎まれながらも、しつこく会い行っては一方通行の会話を続けてきた。
- 俺を信じて任せてくれ。
- オベロニア・レア:
ふふ…
- オベロニア・レア:
はい、ご主人様。いつも……信じております。
- ダフネ:
リーゼお姉さま。ティタニアお姉さまの状態はどうですか?
- シザーズリーゼ:
今は落ち着いてるわ。
- シザーズリーゼ:
でも監視は続けなくちゃ。
- ドリアード:
あの、ティタニアお姉さま…
- ドリアード:
リンゴ 召しあがりませんか……?私が剥いてきました……
- アクア:
あ、お姉さま……お布団をちゃんとかけないと―わっ!?
- ドリアード:
あぁ!アクア!
- ティタニア・フロスト:
あ……
- ティタニア・フロスト:
……
- アクア:
だ、大丈夫。ちょっとつまづいちゃっただけだから……
- アクア、大丈夫か?
- アクア:
ご、ご主人様?
- 主人公:
- ティタニアが拒んだ弾みで転んでしまったアクアを抱き上げた。
- ティタニア・フロスト:
……
- 具合はどうだ?また倒れたって聞いたけど。
- ティタニア・フロスト:
お前には関係ない。
- 俺に関係なくても、この子達は関係ある。
- ティタニア・フロスト:
……
- 主人公:
- ダフネ、リーゼ、ドリアード……そして俺に抱かれたアクアを見つめる
ティタニアの視線に後悔の色が感じられ、内心安心した。 - ティタニア・フロスト:
ほっといて。
- 主人公:
- ティタニアは背を向けて寝てしまった。
- ダフネ:
ご主人様……
- みんなお疲れ。俺が見てるからみんな戻って休んで。
- ダフネ:
え……?
- シザーズリーゼ:
…それは出来ません。まだ安定したばかりですし、
ご主人様だけにするのは危険です。 - ドリアード:
私達がいますので、たまに様子を見に来られたらいいのでは……
- ううん、今がいいんだ。それに…
- 主人公:
- 話をしている間も、ティタニアは目をつぶっているだけだった。
- …大丈夫だろう。
- 主人公:
- まるで自分は全く関係ないかのように。