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レモネードアルファ
はあ、はあ……

Transcription

  1. レモネードアルファ:

    はあ、はあ……

  2. レモネードアルファ:

    これ以上は…もう、限界……

  3. レモネードアルファ:

    …………

  4. レモネードアルファ:

    …そうだわ。少しだけ、ほんの少しだけ……旦那様のお顔を少し……見る、だけ……

  5. 主人公:

    - ベッドに寝転がってオレンジエードから借りた漫画を呼んでいると、艦長室のドアをノックする音が聞こえた。

    1. どうぞ。
  6. レモネードアルファ:

    ……

    1. アルファ?どうした?
  7. レモネードアルファ:

    通りがかったので寄ってみました。久しくお会いしていないような気がしまして…

    1. じゃあ一緒に漫画でも読む?
  8. レモネードアルファ:

    ふふ、すっかり今の生活に慣れたようですね?

    1. まぁね……おかげさまで。
  9. レモネードアルファ:

    申し訳ございません、ですが必要なことでしたので。

    1. この恨み、忘れないからな?
  10. 主人公:

    - 一通り冗談を言った後、ベッドから降りてカップにコーヒーを注いだ。

    1. 時間があるならちょっと休んでいったら?
  11. レモネードアルファ:

    ありがとうございます。では、コーヒーだけ頂きます。まだ仕事がありますので。

  12. 主人公:

    - その後、少しだけアルファと雑談した。すぐにカップは空になり、アルファは椅子から立ち上がる。

  13. レモネードアルファ:

    コーヒー、ご馳走さまでした。では―

    1. アルファ。
  14. レモネードアルファ:

    はい?

    1. 大丈夫か?
  15. レモネードアルファ:

    ふふ、この程度の仕事、旦那様がやられていた量に比べたら大したことありません。

    1. いや、そうじゃなくて。
  16. レモネードアルファ:

    ……

  17. レモネードアルファ:

    な……んのことをおっしゃっているのか、よく……

    1. ……あ……。
  18. 主人公:

    - ふと、アルファが合流して一年が経ったが、一度も二人の時間を過ごしたことがないことに気が付いた。

  19. 主人公:

    - こういう会話は数え切れないくらいしてきたが……それより先となると……

    1. ごめん、頼ってばかりでちゃんとわかってなかった。
  20. レモネードアルファ:

    ……

  21. 主人公:

    - アルファに植え付けられた特性は「色欲」だ。

  22. 主人公:

    - 人間はもちろん、一般的なバイオロイドよりもはるかに強い性欲を持っているアルファにとってこの一年は拷問のような日々だっただろう。

  23. レモネードアルファ:

    ……申し訳ございません、旦那様。旦那様の従者である私が、気を遣わせてしまって……

  24. レモネードアルファ:

    まだ、我慢できますので……

    1. いや…その必要はない。
  25. 主人公:

    - 実際、俺は隊員達と、いや大切なみんなと愛を分かち合うことに抵抗はない。

  26. 主人公:

    - もちろん、できる限り時と場所を弁えるようにはしているが、お互いその気になれば、精魂尽き果てるまでとことんやれる。

  27. レモネードアルファ:

    …旦那様。私、レモネードについてはご存知ですよね……?

    1. うん。
  28. レモネードアルファ:

    その……私に植え付けられた呪いは「色欲」。そして……

  29. レモネードアルファ:

    その呪いの強さは、旦那様の想像を遥かに超えるものなのです……。

    1. ……
  30. レモネードアルファ:

    旦那様にお会いするたびに……私がどんなことを考えているのか……ご存じないですよね…?

  31. レモネードアルファ:

    とても口に出して言えない卑猥な想像を―旦那様……?

    1. あ、ごめん。
  32. 主人公:

    - 思わず笑みを浮かべていたようだ。慌てて表情を正した。

    1. えっと、でも…そんなの心配しなくていい。
  33. レモネードアルファ:

    ……

    1. そのくらい、俺が受け止めてやる。
  34. レモネードアルファ:

    旦那様が強靭な御方であることは十分存じております。ですが……

  35. レモネードアルファ:

    もし旦那様の愛を一度でも感じてしまったなら……私は、仕事中も、食事中も、お眠りになる時も……

  36. レモネードアルファ:

    さらには一日中体を重ねた翌日すらも、ずっと……旦那様のことを欲すると、思います。

    1. う~ん……それはちょっと困るかもな?
  37. レモネードアルファ:

    ……そうでしょう。ですので―

    1. 俺が働く時間がなくなるのはな。あ、でも、それでいいのか……
  38. レモネードアルファ:

    旦那様…?

    1. どのみち今後は仕事の量を少し減らそうと思っている。
  39. 主人公:

    - ここしばらく、半強制的な休暇を過ごしながら、色々考えていた。

  40. 主人公:

    - 隊員達は、少しでもいいから俺と一緒に過ごしたいと思ってくれていて、俺が仕事に忙殺されることは望んでいない。

  41. 主人公:

    - 完全に仕事をしないという選択は出来ないが、これからはできるだけ休みを増やしていこうと思っている。

    1. だから仕事中は無理だが……それ以外の時間でアルファを満足させてやるよ。
  42. 主人公:

    - 俺が自信満々に言い放つと、ぽかんとしていたアルファは微笑みを浮かべた。

  43. レモネードアルファ:

    …そんな風におっしゃられてしまったら……、我慢できなくなってしまいます。

    1. だから我慢しなくていい。いくらでも受け止めてやるから。
  44. レモネードアルファ:

    ……本当に、本当に我慢しなくてもいいのですか…?

    1. うん。大丈夫だから。
  45. レモネードアルファ:

    では……

  46. 主人公:

    - アルファはゆっくりと、手をへその辺りに持っていく……

  47. レモネードアルファ:

    見ていてください、旦那様……

  48. 主人公:

    - するとカチャリという音と共に、アルファの薄い服がスルスルと床に滑り落ちた……

  49. レモネードアルファ:

    卑しくてどうしようもないこの体……

  50. レモネードアルファ:

    どうか、お楽しみください……

  51. 主人公:

    - とろけるような声で囁いたアルファは……

  52. 主人公:

    - ベッドに座っている俺の前にゆっくりと近寄り、跪いた。