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Transcription
- ??:
ご主人様?
- 主人公:
- ぐっすり寝ていたら、聞き慣れた声で目が覚めた。
- うう~ん……今何時?
- ??:
7時20分です。まだお休みになられますか?
- …いや、もう起きる。
- 主人公:
- 軽く伸びをして上体を起こすと、見慣れた顔が俺を覗き込んでいた。
- コンスタンツァS2:
うふふ、最近は寝坊助さんでいらっしゃいますね。
- そうだなぁ……ふわぁぁ。
- コンスタンツァS2:
どうぞ。コーヒーとおしぼりです。
- ありがとう。
- 主人公:
- 温かいおしぼりで顔を乱暴に拭く。
そして、コンスタンツァの流れるような仕事ぶりを見物しつつコーヒーを味わう。 - 主人公:
- 少し散らかった机の上を整頓し、床を掃き、雑巾をかけ、ベッドの下から
新しいシーツを取り出して…… - あ、ごめんごめん。
- コンスタンツァS2:
ありがとうございます。
- 主人公:
- ベッドから降りて机の方に移動した。昔、俺が自分で片付けると言って
ベッドから動かなかったら、コンスタンツァも掃除させろと譲らなくて、 変な言い合いになったことを思い出した。懐かしいな…… - コンスタンツァS2:
ではご主人様、本日もよい一日をお過ごしください。
- コンスタンツァ、ちょっと待って。
- 主人公:
- ゴミ箱を空にして、艦長室を出ようとするコンスタンツァを引き止めた。
- 今日、時間ある?
- コンスタンツァS2:
え?
- 主人公:
- 俺のお誘いにコンスタンツァは当然のようについて来てくれた。
- 主人公:
- 嬉しそうに腕を組み、この前開放されたばかりの生態保存区域に到着した。
- コンスタンツァS2:
わぁ……本当に綺麗ですね。
- だろ?コンスタンツァが喜ぶと思った。
- コンスタンツァS2:
ふふ、はい。とっても嬉しいです。
- コンスタンツァS2:
まぁ、噴水もあるんですね。
- 主人公:
- 一緒に噴水を近くで見た後、最近オープンしたカフェでデザートを買って、
静かな木陰へと向かった。 - コンスタンツァS2:
ご主人様、どうぞ。
- コンスタンツァも食べて。
- コンスタンツァS2:
ご主人様が最初にお召し上がりください。
- 主人公:
- 木にもたれかかって座ると、コンスタンツァも俺に続いて座り、
一緒にテイクアウトしてきたケーキを食べる。 - 主人公:
- ……そっとコンスタンツァが俺の肩に頭を乗せた。
- 2人でこうしてると、昔を思い出すな。
- コンスタンツァS2:
……そうですね。
- こんなにのんびりは出来なかったけど。
- コンスタンツァS2:
ふふ、そうでしたね。
- 主人公:
- コンスタンツァの返事の後、穏やかな沈黙が続いた。
- 主人公:
- 全く気まずくもならない、お互いに心を開いた関係だけが
感じられる心地いい沈黙。 - …あ、そうだ。
- 主人公:
- そんな穏やかな雰囲気の中、ふと思い浮かんだことを口に出した。
- コンスタンツァは何かしてみたいこととかある?
- コンスタンツァS2:
してみたいことですか……?そうですね……
- 主人公:
- コンスタンツァは人差し指を口元に当てて考えこむ。
少し待ってあげると、何か思い浮かんだのか明るく笑った。 - コンスタンツァS2:
あ!一つあります!
- 何?
- コンスタンツァS2:
ふふ、男性に良い食べ物とか、運動、ファッションなど、
箱舟には有益な情報がたくさんあります。 - コンスタンツァS2:
ですので、余裕があるときにオルカの皆で情報を持ち寄って会議をして……
- コンスタンツァS2:
そこで良さそうなものを選んで、色々とご主人様にして差し上げるんです。
- う~ん……それ以外では?
- コンスタンツァS2:
はい?
- 俺にしてあげたいことじゃなくて、コンスタンツァがやりたいこと。
- コンスタンツァS2:
あ……
- 主人公:
- 質問の意味を理解したのか、コンスタンツァは困ったように笑った。
- コンスタンツァS2:
そういうことでしたら……特にありません。
- ……
- コンスタンツァS2:
本当です。私は今で十分満足しているんです。
ご主人様のお世話ができるだけで私は幸せです。 - 主人公:
- ゆっくりと座り直したコンスタンツァは遠くに見える隊員達を見つめた。
- コンスタンツァS2:
昔は…私が他の仕事も色々やっていましたよね?失敗もたくさんありましたが……
- コンスタンツァS2:
でも今は、優秀な方がたくさんいらっしゃいます。
- コンスタンツァS2:
戦闘、業務の補佐、料理……私なんかよりずっと、ご主人様のお役に立っています。
- そんな言い方……悔しかったり、するのか?
- コンスタンツァS2:
……いいえ。
- コンスタンツァS2:
ご主人様のお世話は変わらず私が担当していますから。
お世話に関してだけは誰よりも自信があります。 - 主人公:
- それは紛れもない事実だ。コンスタンツァは俺が目を覚ました瞬間から……
今日の朝までずっと、俺の世話をしてきてくれた。 - …ありがとう。
- コンスタンツァS2:
え……?
- そういえば…コンスタンツァにありがとうってちゃんと言ったことがない気がして。
- コンスタンツァS2:
……
- コンスタン…ツァ?
- 主人公:
- ……コンスタンツァは涙を流していた。
そして、そのことに自分も驚きの表情をしていた。 - コンスタンツァS2:
す、すみません。……どうして涙が……。
お礼を言われるようなことなんか…してませんのに……。 私は…当然のことをしているだけで…… - 主人公:
- 決まり悪そうに笑いながら涙を拭くコンスタンツァを何も言わず抱きしめた。
- 主人公:
- 大分落ち着いたようだが、その後もコンスタンツァはしばらく抱かれていた。
- コンスタンツァS2:
ご主人様。
- うん。
- コンスタンツァS2:
私……どうして涙が出てしまったのか、分かった気がします。
- …そっか。
- コンスタンツァS2:
私……本当に、心の底から嬉しかったんだと思います。
- コンスタンツァS2:
特別なことなんかしていないのに、大好きなご主人様から
言葉をもらってしまいました。それから…… - コンスタンツァS2:
安心したみたいです。
- コンスタンツァS2:
ちょっと強がってはいましたが……心のどこかで不安だったみたいです。
- コンスタンツァS2:
ご主人様はもう私を必要としていないんじゃないか……と。
- そんなわけないだろ?
- コンスタンツァS2:
…はい。私がバカでした……
- コンスタンツァS2:
ご主人様、これからもずっとおそばにいます。この世の最後まで……。
- うん。コンスタンツァがいないと起きれないからな。
- コンスタンツァS2:
最近は他の方とお目覚めになることが多い気がしますけど?
- 主人公:
- わざと不満そうな表情を見せるコンスタンツァの唇に、そっと唇を重ねた。
- 主人公:
- たったそれだけなのに、最高に幸せそうに笑うコンスタンツァ。
その笑顔を見ていると俺も温かい気持ちになる。 - コンスタンツァS2:
…ご主人様。
- コンスタンツァS2:
今晩……何かご予定はございますか?
- うん。あるよ。
- コンスタンツァS2:
あ……
- コンスタンツァS2:
し、失礼しました。何でもありません……
- 今できた。コンスタンツァとね。
- コンスタンツァS2:
もう……意地悪なんですから。昔はそんな言い方されませんでしたよ?
- コンスタンツァも昔は小言を言わなかっただろ?
- 主人公:
- 拗ねたフリをしたり、こうして自然に抱きついたり……
昔のコンスタンツァからは想像もできないことだ。 - 主人公:
- 常に笑顔で不満を言わず、ただ仕事だけをこなしていたあの時と比べたら……
今のコンスタンツァはずっと人間的になった。 - コンスタンツァS2:
ご主人様が日に日にズルくなっていくからですよ。
- そうかな?
- コンスタンツァS2:
そうですよ。ズルいです。
- 主人公:
- そう言って笑っていたコンスタンツァは、急に頬を赤くした。
- コンスタンツァS2:
あの、ご主人様。でしたら今晩……
- コンスタンツァS2:
何を、着ていきましょうか……?
- う~ん…
- 主人公:
- 最近の流行のせいで、すぐにバニーガールが思い浮かんだが、
コンスタンツァは恥ずかしそうに続けた。 - コンスタンツァS2:
ご主人様がすごくお気に召されていたあの服……はどうでしょう?
- それはまずいな……
- コンスタンツァS2:
…?
- 今日は寝られそうにない。
- コンスタンツァS2:
…ご主人様ったら、もう。
- 主人公:
- 髪をおろし、薄いナイトドレスをまとったコンスタンツァとの夜を思い出した。
- コンスタンツァS2:
私…あの時のことは本当に忘れられません……。
あんな余裕のないご主人様は初めて見ました。 - コンスタンツァS2:
……あんな風に夢中になって求められて……
あぁ…ご主人様に必要とされてる、愛してくださってる…って思えたんです…… - ……だから、今日も?
- コンスタンツァS2:
…はい。
- 主人公:
- 何も言っていないのに、俺たちは同時に立ち上がった。
- 主人公:
- そして、当然のように手を繋いで、少し足早に艦長室へ向かった。
- 主人公:
- 夜になると、普段よりさらに献身的になるコンスタンツァだが、
そんな風になる余裕なんかあげないつもりだ。 - 主人公:
- どうやら自分の愛情の方が大きいと勝手に勘違いしているみたいだから……
- 主人公:
- 今夜は俺がどれだけ愛しているのか、全力で教えてやらないといけない。
- -:
< オルカ号の秘書達 > END.