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Transcription
- 主人公:
- 俺は今、オルカ号のネットワークをハッキング中だ。
- 主人公:
- 理由?理由は単純だ。隊員達に仕事を奪われたからだ。
- 主人公:
- 隊員達は俺が仕事なしでも生きられると思っているようだが……
生きがいの一つを奪われてしまった俺は今、必死である! - ふぅむ、この後は……
- 主人公:
- もちろん俺にはハッキングの関連知識は全くない。
だが、箱舟の情報区域を調べ、関連資料を見つけ出すことに成功した。 - 主人公:
- 俺は生まれて初めてコードの海を泳ぎ、着実に前へ進んでいく。
そう、目的はただ一つ……仕事! - 難しい……
- 主人公:
- 何十回と暗礁にぶつかった。だが歯を食いしばり、方法を変えては前へ進む。
今の俺にはたっぷりと時間がある。 - おっ、これならいけるか?
- 主人公:
- 新たな突破口を見つけられたようだ。しばらく詰まっていた問題を解決し、
再び前へと進めた。よし……。 - Mr.アルフレッド:
そこは少し迂回した方がいいのではないでしょうか?
- え?そうか?問題なさそうだけど……
- Mr.アルフレッド:
いえ、こんな感じで……このまま先に進んでしまうと
すぐに問題が発生するでしょう。 - ほうほう、なるほど…って、いつからいた!?
- Mr.アルフレッド:
くふふ。私のサポートが必要な気がしましてね。
- ……
- 主人公:
- 確かに、専門家とまではいかなくとも、アルフレッドはこの状況では
かなり助けになりそうだ。 - 主人公:
- 以前、グアムでもハッキングを成功させ、妖精の村のバイオロイド達の
洗脳を解いてくれた。でも… - Mr.アルフレッド:
くふふふふ、司令官殿。誰かに助けを乞うことは恥ではありません。
- Mr.アルフレッド:
さぁ~!私に頭を下げて助けを乞うのです!!くふ!くふふふふふ!!
- くっ……!
- 主人公:
- 激しい葛藤に苛まれる。仕事への渇望と屈辱の狭間で、
二者択一の選択に迫られた俺は…… - …お願いします。助けてください。
- Mr.アルフレッド:
くふふ、くふふふふ!このような屈辱を味わってまで切実に助けを乞うお方を
見捨てるわけにはいきません! - うぐぅっ……
- Mr.アルフレッド:
悔しいですか?悔しいですよねぇ?でも仕方ありません。
司令官殿は私の助けが必要なんですから!くふふふふ!! - ご教授……願います……
- Mr.アルフレッド:
いいでしょう!それこそ教えを乞う正しい姿勢というものです!
よろこんで教えてあげましょう!このMr.アルフレッドにお任せあれ!! - 主人公:
- 屈辱で抜け殻のようになった俺を押しのけ、
アルフレッドは嬉々としてキーボードを叩き始めた。 - Mr.アルフレッド:
オルカ号のネットワークなど、私の手にかかれば一瞬です!!
- Mr.アルフレッド:
オルカ号は潜水艦ですが、大船に乗ったつもりでお待ちください!
私が司令官殿の願い、叶えて差し上げましょう! - -:
(6時間12分経過)
- Mr.アルフレッド:
こ、こんなはずでは……
- Mr.アルフレッド:
こ、これは何かの間違いです!一体どうして…!
- …………
- 主人公:
- この6時間、汗を滝のように流しながら……あ、いや、汗はかかないか。
- 主人公:
- とにかくコードと奮闘していたアルフレッドは、現実を否定し始めた。
- Mr.アルフレッド:
こんなことあり得ません!もう少しだけ、あともう少しだけ時間をくだされば……!
- 主人公:
- いや、もういい。別の方法を探してみよう。
- アルフレッド…役に立たなかったな。いや、役立たずの鉄クズだったか?
- Mr.アルフレッド:
あ、言いましたね!ほら、今役立たずの鉄クズと言いましたよ!
いや!それよりもMr.を付けてください!このデコ助― - わーかったわかった……はぁ…。
- 主人公:
- ぷんすかと抗議するアルフレッドを押しのけてモニターを覗き込んだ。
- 難しいな…いやセキュリティが機能していてよかったと言うべきか…ん?
- Mr.アルフレッド:
どうしましたか?
- これ…成功してるんじゃないか?
- Mr.アルフレッド:
まさか!私が色々やってファイヤーウォールにも近づけなかったんですよ……
……あれれ? - なぁ、ほら、早く確認してよ。
- Mr.アルフレッド:
せ、急かさないでくださいよ!緊張するじゃないですか!
- 主人公:
- 今どういう状況なのかは全くわからなかったが、
何かが上手くいったということだけは確かだった。 - Mr.アルフレッド:
と、突破に成功しました!
- おお…!
- Mr.アルフレッド:
後はこうして……こうすれば!!
- ……あぁ…。
- 主人公:
- 込み上げる感動に足の力が抜け、座り込んでしまった。
- 主人公:
- モニターには……仕事のリストが表示されていた。
あぁ!愛しき俺だけの楽園!お仕事リスト! - Mr.アルフレッド:
くふふ、いかがですか!このMr.アルフレッドの名を称えなさい。
さあ!Mr.アルフレッド最高! - アルフレッド最高!
- Mr.アルフレッド:
もう一度!
- アルフレッド最高!世界一の天才!アルフレッド!
- Mr.アルフレッド:
くふふ、くふふふふ!
- 主人公:
- 震える手で、優先順位が一番高い仕事をクリックした。
- 主人公:
- すぐに見慣れた様式と所狭しと並べられた文字が俺を歓迎する。
- くっくっく…全部、処理してやる…
- 主人公:
- ゆっくりと吟味するように仕事内容を読み込んでいく……
だが、俺は何かおかしいことに気が付いた。 - …この手紙はイギリスから……ん!?
- 主人公:
- な、何だ、これは!?
- Mr.アルフレッド:
手紙とは。くふふ、大したことなさそうですね?リハビリ用のお仕事ですか?
- ちょっと待て……。これは……!
- 主人公:
- 慌てて文書を閉じ、他のファイルを確認する。
アルフレッドもやっと事態の深刻さに気づいたようだ。 - これは……まともな内容がない!?
- Mr.アルフレッド:
ちょ、ちょっと見せてください!?わ、私が確認してみます!
- 主人公:
- 緊張した面持ちでキーボードを叩くアルフレッドの口……
ではなくスピーカーから衝撃の事実が告げられる……! - Mr.アルフレッド:
そんな……こ、これはダミーページです!丸々すり替えられています!
ファイヤーウォールを突破するどころか…近づけてすらいなかったようです…! - え…えええ!?
- Mr.アルフレッド:
し…信じられない……!
- 主人公:
- アルフレッドと俺が呆然とモニターを眺めていると、
メッセージが届いたことを知らせる通知音が鳴った。 - ひぃっ!?
- Mr.アルフレッド:
ひぃっ!?
- 主人公:
- 不気味なタイミングで鳴る通知音に、アルフレッドと俺は飛び上がった。
- Mr.アルフレッド:
は、早く確認してください……
- お、お前が確認してくれ……
- Mr.アルフレッド:
私なんかがどうして偉大な偉大な司令官殿宛てのメッセージを!
そんな権限、あるわけないじゃないですか! - Mr.アルフレッド:
滅相もない、とんでもない!そんなそんな!
私はただの空き缶!いや、鉄クズですよ~! - くっ、こういうときだけ……!
- 主人公:
- 仕方なく、さっさと見ろと言わんばかりの大きさで画面に
表示されている封筒のアイコンをクリックした。 - メッセージ:
秘書室までお越しください。皆でお待ちしています。
- …………
- Mr.アルフレッド:
なんと……残念です、司令官殿。早く行った方がよさそうですね。
- Mr.アルフレッド:
では私はこれにて失礼いたします。お達者で!くふ、くふふ…!
- 待て。最後の方を読め。
- メッセージ:
P.S. アルフレッドさんは整備室でバニラさんがお待ちです。
- Mr.アルフレッド:
えぇ……!?整備室!?この不穏なチョイスは一体何なのでしょうか!?
- Mr.アルフレッド:
壊して直すを繰り返されるような……!嫌な予感がしてなりません!!
気のせいですよね!? - …それしかないだろう……
- Mr.アルフレッド:
……
- Mr.アルフレッド:
………司令官殿。
- 主人公:
- しばらく呆然自失となってメッセージを眺めていたアルフレッドは、
すぐに決然とした態度で俺に手を差し出した。 - Mr.アルフレッド:
どうやらここまでのようです。残念ですがこれからは……
それぞれの道を歩まなければならないようです。 - 主人公:
- 俺はアルフレッドが差し出した手を力強く握り返す。
- Mr.アルフレッド:
…では、ご武運を。ここまでご一緒できて光栄でした。お達者で……
- ……うん。達者で。
- 主人公:
- アルフレッドは俺の手を一度ぎゅっと握ると手を離し、そのまま背を向けた。
- 主人公:
- そして俺もそんなアルフレッドに背を向け……歩き出した。
- 主人公:
- もう振り向くまい。後悔はしていないのだから……
- 主人公:
- それぞれの道を進む男とロボット。
- 主人公:
- 俺達にもう言葉は要らない。
- 主人公:
- 生きていれば、いつかまた会おう……!アルフレッド!
- 主人公:
- ……
- 主人公:
- このあとめちゃくちゃ怒られた。
- -:
< オルカ総司令官(無職) > 次のストーリーに続く。