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Transcription
- エキドナ:
うう~ん……
- 主人公:
- エキドナは顔を上げ、その長い舌でツヤツヤの唇を舐めた。
- エキドナ:
ごちそうさま。やっぱり珍味よね、あなたって。
- そ、そうか…
- エキドナ:
じゃあ……もう満足したから…
- 主人公:
- エキドナはそう言ってもぞもぞと布団の中に入り込んだ。
- エキドナ:
どうしたの?
- いや、ただ…
- エキドナ:
あなたも早く寝なさいよ。
- 主人公:
- この世のあらゆる快楽を手に入れると宣言していた通り、
エキドナはどんな事でもそれが快楽だと思えば全力で楽しむ性格だ。 - 主人公:
- しかし…そのせいなのか、自分が快楽を感じたと思うとすぐに満足してしまう。
端的に言うと…すぐに興味を失ってしまうということだ。 - 主人公:
- これは一緒に時間を過ごす時も例外ではない。突然“食らいつく”ように
飛びかかってくるが、自分が満足するとすぐに冷めてしまう。 そのせいで俺は不完全燃焼で終わることが多い。 - ……
- 主人公:
- 俺に背を向け寝ているエキドナを複雑な心境で見つめていると、
なんだか嫌な言葉が頭をよぎった。 - 主人公:
- これはまさか……
- …倦怠期ってやつか?
- 主人公:
- 隊員達とのより円満な関係構築のために箱舟を調査している時、
長い付き合いの恋人同士は倦怠期に陥りやすいという情報を見た。 - くっ……
- 主人公:
- 俺に飽きるだなんて、そんなことあってたまるか……!
- なぁ、エキドナ。寝た?
- エキドナ:
寝てないわ。
- もうちょっと……ち、違うこととか…してみない?
- エキドナ:
違うこと?
- そう、ええと……
- 主人公:
- エキドナは好みがかなりハッキリしているため、ベッドでの内容は
いつも似たような……いや、完全に同じパターンで流れていく。 - 主人公:
- 倦怠期を解消するためには、いつもと違うことをしてみるのが良いはずだ。
- その…色々な姿勢を試し―
- エキドナ:
…………
- ーじゃなくて~……。はは、ええと…
- 主人公:
- 言い終える前にエキドナに睨みつけられたため、慌てて方向性を修正した。
- そ、そう……一緒に遊びに行ったり、美味しいものを食べたり…?
- エキドナ:
…例えば?
- 主人公:
- やっぱり食べ物の話をすると食いついてくる。
しかし、今日はもう時間も遅いので続きは明日話すことにした。 - 主人公:
- 俺は背を向けて眠るエキドナを後ろから抱いて眠りについた。
- 主人公:
- 翌朝、俺はエキドナと一緒に生態保存区域へ向かった。
- 主人公:
- 逆バニーやバニーガールはもちろん、色んな衣装を着た隊員達が
俺の目を楽しませてくれる。 - …………はっ。
- 主人公:
- いくらなんでも一緒に歩いているのに脇目を振るのはマズい。
- 主人公:
- 恐る恐るエキドナの方を見ると、幸いエキドナはカフェのショーケースに
陳列された食べ物に目を奪われていた。 - エキドナ:
あれ、美味しそう。
- そうか?じゃあ買ってきてあげるよ。
- エキドナ:
ちょっと待って。あそこの屋台で売ってるのは何かしら?
- エキドナ:
サンドイッチみたいだけど、ちょっと変わってるわ。
- あ~、あれは……
- 主人公:
- バターを塗って焼いた食パンに、砂糖で味付けした卵焼きを挟んだものだと
説明すると、エキドナは目を輝かせた。 情報保管区域でたまたま見て知っていたから良かった…… - エキドナ:
屋台トースト……ふ~ん。美味しそう。
- そうか。じゃあ―
- エキドナ:
あ、あれは……
- 主人公:
- 幸か不幸か、生態保存区域にはカフェ以外にも隊員達がやっている屋台が
たくさんあった。 この場合、幸はエキドナの方だ……上機嫌で全屋台を歩いて回った。 - 主人公:
- 結局、俺は大量のテイクアウトの袋を持って、艦長室に戻る羽目となった……。
- エキドナ:
もぐもぐ……
- 美味しい?
- エキドナ:
うん……もぐもぐ。
- 主人公:
- 色々と機嫌を取るのが大変だったが、エキドナがこの上なく幸せそうな顔で
食べているのを見ていたら、いつの間にか疲れもふっ飛んだ。 - エキドナ:
ふう……美味しかった。ごちそうさま。
- どういたしまして。
- エキドナ:
でも……
- 主人公:
- 舌なめずりをしたエキドナが妙な表情で俺を見つめた。
- エキドナ:
デザートも……食べたいんだけど。
- …ちょっと待った!
- エキドナ:
……何?
- 昨日話したあれ……いいか?
- エキドナ:
…………
- 主人公:
- エキドナはしばらく悩んでいたが、やっとのことで頷いた。
- エキドナ:
今日は特別よ。美味しいものをたくさん食べて気分がいいから。
- やった!
- エキドナ:
……そんなに嬉しいの?どうせ大して変わらないでしょ?
そんな姿勢を変えた程度で。 - …………
- 主人公:
- エキドナにそう言われ、勝負欲のような、妙に挑発されたような……
そんな感情が湧いてきた。 - …途中で待ったなしだぞ?
- エキドナ:
私を誰だと思ってるの?OKしたんだから最後まで付き合ってやるわよ。
- 分かった。じゃあ……
- エキドナ:
え?何してるの……?なんで脚をそん―んんう……
- 主人公:
- その日、俺はエキドナに新しい快楽を全力で教えてあげた……
- 主人公:
- 慣れない感覚に最初は逃げようとしていたエキドナも少しすると、
その新しい快楽に身を委ねた。