

シーンビューアの使い方
- 背景画像・セリフ下のNEXT・選択肢をクリックでセリフ送り
- 過去のセリフの選択肢・BACKをクリックでログジャンプ
Transcription
- 主人公:
- 無職生活を過ごす中、ふと何か物足りないという感覚に襲われた。
- ……
- 主人公:
- この生活中、俺に会いに来る隊員たちはたくさんいた。
逆に俺から会いに行ったりもした。 なのに……なのに…… - アーセナルが…来ない…。
- 主人公:
- 一人で来る時もあれば、部隊員を引き連れて、そしてある時は他の隊員と
一緒に来たりと、暇さえあれば俺の部屋を訪れていたアーセナルが…… しばらく姿を見せていない。 - カフェが忙しいのかな?
- 主人公:
- 店長はペロだが、最初に言いだしたのはアーセナルだと聞いている……
- この前行った時も会えなかったし、今度こそは顔を見に行こう。
- 主人公:
- 読んでいた漫画とお菓子を適当に片づけ、艦長室を後にした。
- AC-6ユサール:
あ~!おにぃ。来たん?あっ……すぐご案内しますね!
- いや、今日はちょっと来てみただけ。アーセナルはいる?
- AC-6ユサール:
アーセナル隊長?ちょっと待ってや?
- AC-6ユサール:
アーセナル隊長~!おにー司令官様がお呼びです~!
- ロイヤル・アーセナル:
来たか、司令官。
- 元気だったか?忙しい?
- ロイヤル・アーセナル:
ふむ。見ての通りだ。
- 主人公:
- アーセナルの言う通り、店は盛況のようだ。
- 主人公:
- ホールはグラスを傾けながら会話を楽しむ客の姿でいっぱいで、
バニーガール達が忙しそうに動き回っている。 - ロイヤル・アーセナル:
どうした?
- ただ、顔が見たくなって。
- ロイヤル・アーセナル:
……
- ロイヤル・アーセナル:
すまないが、今は忙しくてな。
- ロイヤル・アーセナル:
もしよければ閉店後にまた来てくれるか?私もそなたに会いたかった。
- そうか…じゃあここで待ってるよ。今日は予定もないし。
- ロイヤル・アーセナル:
そうしてくれ。あいにく今日は満室で、ホールで待ってもらうことになるが。
- うん。それでも大丈夫。
- ロイヤル・アーセナル:
- 俺をホールの隅の方へ案内すると、アーセナルはアイコンタクトで挨拶し、
仕事に戻っていった。 - 主人公:
- セレスティアが母性の化身だとすれば、アーセナルは性の化身だと言える。
- 主人公:
- 隊員達の中でアーセナルより自分の感情と欲求に忠実な者はいないだろう。
- 主人公:
- そんなアーセナルが……今、とても楽しそうに仕事をしている。
- まだまだ知らない姿があるんだな……
- 主人公:
- 度数の低い酒を口にしながら、たまに相席になる子と話をしたりしていたが、
俺の視線は自然とアーセナルを追っていた。 - 主人公:
- 長いブラウンのロングヘアをなびかせて注文を受け、グラスを運び、
客と話しながら豪快に笑うアーセナルの姿を見ていたら、妙な既視感を感じた。 - そういえば…俺達って……
- 主人公:
- 欲求に正直すぎるアーセナル、そして俺もそういうことに関しては
特に遠慮しないどころか大歓迎のため、二人で過ごす時間はほとんど…… ではなく、常に体を交えることしかしていない……。 - 主人公:
- デートとまでは言わなくても、ピロートークを除いたら、
普通の会話すらあまりしたことがない……。 - 主人公:
- 少し複雑な俺の気持ちを知ってか知らずか、アーセナルは俺と目が合うたびに
眩しい笑顔を見せてくる。 - 今日やることと言ったら…決まってるもんな。
- 主人公:
- 時間はすぐに流れ、もう少しで閉店時間だ。
- ロイヤル・アーセナル:
ずいぶん待たせてしまったな。思ったより片づけに時間がかかってしまった。
- 主人公:
- 客はもちろん、従業員も全員帰った静かな店内で
アーセナルはカウンターに入った。 - ロイヤル・アーセナル:
こっちに来てくれ。一杯振舞いたい。
- ありがとう。
- 主人公:
- アーセナルは俺が知る限りではそこまで度数の高くない酒を
ショーケースから取り出した。 - ロイヤル・アーセナル:
そなたと2人きりでいるのは久しぶりだな。私が恋しくなったか?
- 主人公:
- アーセナルが差し出したグラスを受け取って、カランと鳴らした。
- 正直言うと…そうだな。いつも来ていた奴が来なくなったら気にもなる。
- ロイヤル・アーセナル:
言い訳をするなら……そう、忙しかった。
- じゃあ本当の理由は?
- ロイヤル・アーセナル:
楽しくてな。
- ………
- 主人公:
- そう言われてすぐに納得できた。
営業中に見たアーセナルは、実に楽しそうだった。 - ロイヤル・アーセナル:
昔からこういう感じの店をやってみたくてな。まぁ店長はペロだが。
- 主人公:
- アーセナルはカウンターに肘をつき、酒が半分ほど残ったグラスを見つめた。
グラスは照明の光を反射してキラキラ光っている。 - ロイヤル・アーセナル:
そなたに初めて会った時はただの儚い夢くらいにしか思っていなかったが……
今はこうして、立派な店で働けている。人生とは面白いと思わないか? - そういえば…初めて会った時、俺のことを試してたよな。
- ロイヤル・アーセナル:
ふ~ん?まさか根に持っているのか?
- いや、ただ思い出しただけだ。
- ロイヤル・アーセナル:
お互いを知るために必要だった。
- 主人公:
- アーセナルはクスッと笑うと、グラスの酒を飲み干した。
- ロイヤル・アーセナル:
あの時の私は、オルカに合流して日も浅く、人間についての知識といえば
記録モジュールで入力されたものがすべてだった。 - ロイヤル・アーセナル:
だが、隊員達からそなたの評判を聞いて、次々と疑問が生じたものだ。
- ロイヤル・アーセナル:
あの時、私がなんて思ったか…分かるか?
- ……分からないな。
- 主人公:
- アーセナルはいつの間にか空になった俺と自分のグラスに酒を注いだ。
少し酔いが回ってきたのか、アーセナルの顔はほんのり赤くなっていた。 - ロイヤル・アーセナル:
司令官が複数いるのではと…真剣に考えた。
10人に聞けば10人違うことを言うからな。 - ロイヤル・アーセナル:
だが……それでも共通点はあった。
- どんな?
- ロイヤル・アーセナル:
愛だ。
- ロイヤル・アーセナル:
皆がそなたを愛していた。最高司令官に対する忠誠心を胸に戦うというより、
愛する恋人を守るために戦うという感じだった。 - ロイヤル・アーセナル:
そして……それはキャノニアの隊員達にも当てはまった。
- …そうだったのか。全然知らなかった。
- ロイヤル・アーセナル:
話す機会がなかっただけだ。そなたも私も……
会えば互いの体を貪りあっていたからな。 - けほ、けほ……
- ロイヤル・アーセナル:
……ダメだったか?
- いや…そういうわけじゃないよ。
- ロイヤル・アーセナル:
それならよかった。
- 主人公:
- アーセナルはカウンターにあるチョコレートの包装紙を剥いて頬張った。そして…
- …!?
- ロイヤル・アーセナル:
……ん
- 主人公:
- 繋がる口の中、チョコレートは甘く溶け広がっていく。
- 主人公:
- チョコレートが溶け切って、味も何もしなくなった後、
アーセナルはゆっくりと唇を離した。 - ロイヤル・アーセナル:
私の気持ちはちゃんと伝わったか?
- …うん。
- 主人公:
- 俺の返事に豪快な笑いで返したアーセナルは、
一角に設けられたステージの方へ向かった。 - ロイヤル・アーセナル:
実を言うとちょうどよかったのだ。そなたに感想を聞こうと思っていた。
- 主人公:
- 伴奏が流れ出し、アーセナルが歌い始めると俺は思わず息を呑んだ。
- 主人公:
- どこかくすぐったいのに、何故かパワーを感じる、そんなアーセナルの歌声。
- 主人公:
- 歌が終わるまで、甘い笑みを浮かべて歌うアーセナルに、俺は見惚れていた…。
- 主人公:
- 歌が終わり、思わず立ち上がって拍手を送る俺に、
アーセナルはもはやおなじみの豪快な笑いで応えた。 - ロイヤル・アーセナル:
はは、気に入ってくれたか?
- …こんなに歌が上手だとは知らなかった。
- ロイヤル・アーセナル:
男を魅了する技術なら種類を問わず全て会得した。
- ロイヤル・アーセナル:
そなた一人だけのために。
- …………
- 主人公:
- 冗談のようにも、虚勢を張っているようにも聞こえる言葉だったが……
本気であることがすぐに伝わった。 - 主人公:
- アーセナルだからではなく、お互いに心が通じ合う関係だからこそ伝わるんだ。
- ロイヤル・アーセナル:
感想を聞かせてもらいたい。
- 感想か……
- 主人公:
- しばらく考えた末、俺はカウンターに置いてあるチョコレートを
一つ手に取った。 - 主人公:
- そして、包装紙を剥がして差し出すと、アーセナルはクスッと笑って
俺の指先まで口に入れた。 - あっ…
- 主人公:
- アーセナルは目を閉じたまま、チョコレートをじっくりと味わうように
俺の指ごと舐め回した。 - …変な気分になるな。
- ロイヤル・アーセナル:
さっきも言っただろう?男を喜ばす技術は全て会得したと。
- 主人公:
- そう言ってアーセナルは俺のすぐ前、カウンターの上に座った。
- ロイヤル・アーセナル:
試してみるか?
- これはよく知ってる。
- 主人公:
- 俺は立ち上がり、アーセナルの腰に腕を回した。
- ロイヤル・アーセナル:
んっ……
- アーセナル?
- ロイヤル・アーセナル:
ふふ、すまない。久しぶり過ぎてな、少し敏感になってしまってるのかもしれない。
- ロイヤル・アーセナル:
気にせず続けてくれ……
- ロイヤル・アーセナル:
いつものように、私を狂わせてほしい……
- 主人公:
- その言葉を最後に、俺達は朝まで一言も交わさなかった。
- 主人公:
- 息遣いとわずかな仕草だけで…互いに何を望んでいるのか分かるから。