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Transcription
- 主人公:
- 夜の散歩を終えて部屋に戻ろうとすると、声が聞こえて立ち止まった。
- キュキュ…?
- 主人公:
- 声がしたのはCAFE-amorの方だ。
近づいてみるとドアの隙間から光が漏れている。 - 主人公:
- 中に入ってみるが、ホールには誰もいなかった。
- 歌声……VIPルーム?
- 主人公:
- 歌声のする店の奥へと進む。
- 主人公:
- VIPルームの少し開いたドアから中の様子が見えた……
- 主人公:
- 鏡の前でペロが、見たこともないような可愛い動きと表情をしながら
歌っている。 - CSペロ:
…………
- ぺ、ペロ……
- CSペロ:
一人にしてください、ご主人様。死にたくなりますので……
- ……
- 主人公:
- …タイミングが最悪だった。
- 主人公:
- よりにもよって、ペロが思いっきり可愛い表情で、キュキュ!と言いながら
こっちを向いた瞬間に目が合ってしまった…… - 主人公:
- 初めて見るあの愛くるしい姿を見た俺は、タイミングも相まって
当然ながら噴いてしまった。 - 主人公:
- ペロは30秒以上は同じ姿勢で凍り付いていた。だが、我に返ると
すぐに半泣き顔で部屋の片隅にあるソファーの隙間に入り込んでしまった。 - か、可愛くて笑っちゃっただけだから。ね?
- CSペロ:
…私が知っているご主人様は、そういう時「ははは」と優しくお笑いになります。
- CSペロ:
あ~、ということは私のご主人様ではないようですね?ではお帰りください。
- ……
- 主人公:
- どうやら…完全に拗ねてしまったようだ……
- 主人公:
- ペロにはネコの遺伝子が含まれている。それはつまり、完全ではないが
ある程度はネコの行動や性格と似ている部分があるということだ。 - 主人公:
- おかげでペロは常に冷静で真面目な性格だが、たまに奇妙な行動をしたり
「ネコらしい」性格が表れることがある。 - 主人公:
- 俺の机の上で丸くなっていたり、今みたいに完全に拗ねてしまったり……
- 本当にごめん。だからほら、おいで。
- CSペロ:
い、嫌です。
- はぁ……
- 主人公:
- しかも今回は対コンパニオンの必殺技、なでなでスキルも通用しないときた…
- CSペロ:
やっぱり……あんな言葉、信じるんじゃありませんでした。
- CSペロ:
私に可愛い歌なんて似合うはずありませんよ……
- 自分で選んだんじゃなかったのか?
- 主人公:
- ペロは黙って頷いた。
- それでも歌おうとしてるのは、どうして?
- CSペロ:
……
- 主人公:
- しばらく躊躇していたが、ペロはゆっくりと口を開いた。
- CSペロ:
ギャップ萌え……
- ん?
- CSペロ:
ギャップ萌えを……狙えって言われたんです。
- …………
- 主人公:
- ギャップ萌え。
- 主人公:
- 俺も箱舟に来るまでこのワードの存在など知りもしなかった。
- 主人公:
- しかし、箱舟から情報を吸収した今の俺は、この「ギャップ萌え」の意味を
完全に理解している。 - 主人公:
- だから……今のペロこそがギャップ萌えだということを認識出来ている……。
そして、そんな姿を見て俺はドキドキしてしまっている。 - CSペロ:
え……?ご、ご主人様!?
- 主人公:
- ペロが挟まっているソファーの隙間を広げて俺も入った。
そして、柔らかな体をぎゅっと抱きしめる。 - 結構落ち着くな。ペロが箱とかに入るのも分かる気がする。
- CSペロ:
は、離れてください…。
- う~ん…
- 主人公:
- ペロの尻尾がピンと立っている。これは離れなくてもよさそうだ。
- 無理して歌わなくても大丈夫だよ。
- CSペロ:
でも……
- 可愛い歌を歌わなくても、最初からペロは可愛い。
- 主人公:
- ペロの尻尾がブルブルと小刻みに震え出した。
そして、ウサギのカチューシャのせいで折れていた耳もムクムクと 立とうとしている。 - 主人公:
- だが、表情の方はというとまだ拗ねているのか、しかめっ面だ。
これらの要素によって、ペロはすでにギャップ萌えの塊と化していた。 - 主人公:
- 極めつけはこのバニーガールの衣装。
- 主人公:
- 普段の真っ白なレースが付いた衣装とは
完全に正反対の真っ黒でシンプルな典型的バニーガール。 - 主人公:
- クールなイメージを醸し出そうとしながらも、
慣れない服装にほんのりと頬を赤らめる顔はもう最高に― - CSペロ:
…ご主人様、もういいです。
- 主人公:
- 俺の熱弁を聞いていたペロはやっと機嫌が直ったのか微笑んでいた。
- え?まだ10時間くらいはペロの可愛いところを言えるのに。
- CSペロ:
そんなに話してたら、カフェの開店時間になってしまいますよ?
- 主人公:
- そう言いながらもペロの尻尾は嬉しそうにゆらゆら揺れていた。
- 主人公:
- それを見ていたら、思わず露わになっている鎖骨に口づけしてしまった。
- CSペロ:
んみゃ、にゃぁぁぁん……。ン!
- 主人公:
- ペロは目を丸くして、両手で口を塞いだ。
- まだ声を出すの、恥ずかしい?
- CSペロ:
はい。
- そこが可愛いんだよなぁ。
- CSペロ:
……うぅ。
- 主人公:
- ペロがビクンと体を震わせた。チョーカーが巻かれた細い首は
ほんのりと赤くなっている。 - CSペロ:
……ふふっ。
- ペロ…?
- 主人公:
- ペロは口を塞いでいた手をゆっくりと下ろすと……
- 主人公:
- 俺の両手を握った。
- CSペロ:
こうやってご主人様に捕まってしまったら……
- 主人公:
- ペロは俺の手を引いてソファに上がり、寝そべった。
代わりに二つに束ねた銀髪がサラサラとソファーから滑り落ちる。 - CSペロ:
私が……口を塞げなくなってしまいますね……
- 主人公:
- このあと、さっきの歌声よりもずっと甘くて可愛い声をペロに奏でてもらった。
- 主人公:
- ギリギリまで一緒に時間を過ごした後、最後に歌を披露してもらったが、
思わず笑ってしまって、一日中ペロをなだめることになったのはまた別の話だ。 - -:
< CAFE-amor > END.