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主人公
- 艦長室でゴロゴロするのも今日で何日目だろう。

Transcription

  1. 主人公:

    - 艦長室でゴロゴロするのも今日で何日目だろう。

  2. 主人公:

    - 休暇も最初は確かに楽しかった。でも、日に日に堕落していく気がして、仕事をしないといけなくなった時、以前のように動けるのか不安になってきた……

  3. 主人公:

    - そういうことで軽く運動をすることにした。魚は泳ぎ、鳥は飛び、人間は走る。

  4. 主人公:

    - 気分転換も兼ねて、生態保存区域を走っていると……

  5. AG-1ネレイド:

    カフェホライゾンです!美味しいコーヒーや素敵なデザートもあります!

  6. AG-1ネレイド:

    みんな遊びに来て。すごく美味しいよ!

  7. 主人公:

    - 噴水の前でカフェの宣伝をするネレイドの姿が見えた。

    1. 頑張ってるな。
  8. 主人公:

    - ネレイドらしく元気いっぱいにビラ配りをしている。俺も一枚貰おう。

  9. AG-1ネレイド:

    カフェホライゾンです!熱々のコーヒー……あ。

    1. 元気?
  10. AG-1ネレイド:

    司令官…?じゃなくて、ご主人様!どうしてここに!?

    1. ちょっと散歩を。
  11. AG-1ネレイド:

    あ、うぅ……

  12. 主人公:

    - さっきまで元気いっぱいだったネレイドは、少し腰を屈めてモジモジしはじめた。

    1. どうした?
  13. AG-1ネレイド:

    な!何でもないよ……!これ、クーポン。無料で1杯飲めるよ。

  14. AG-1ネレイド:

    これ持って先に行ってて…ネリはこれ配ったら行くから。

    1. う~ん。どれくらい残ってる?
  15. AG-1ネレイド:

    ひゃぁっ!?

  16. 主人公:

    - ネレイドの腕にぶら下がるカゴの中を見ると、チラシが大量に残っていた。全部配るのは相当な時間がかかりそうだ……

    1. 一緒に配ろうか?
  17. AG-1ネレイド:

    う!?ううん!大丈夫だから先に行ってて。ネリ一人で大丈夫だから!

  18. 主人公:

    - ネレイドはそう言うが、俺は無視して大声で叫んだ。

    1. カフェホライゾンです!皆さんのご来店をお待ちしておりまぁす!!
  19. AG-1ネレイド:

    本当に大丈夫なのに…

    1. 2人なら早く終わる。一緒に配ろう。
  20. AG-1ネレイド:

    …うん。そうだね。

  21. AG-1ネレイド:

    ありがとう、ご主人様!

  22. 主人公:

  23. AG-1ネレイド:

    わあ~!もうなくなっちゃった。

  24. AG-1ネレイド:

    ご主人様のおかげだよ。やっぱりすごいね!

    1. ふぅ、俺も仕事ができてうれしい……
  25. AG-1ネレイド:

    えへへ!じゃあカフェに行こっか!ネリネリがお礼に冷たいジュースおごったげる!

    1. いや、少し休んでから行こう。
  26. 主人公:

    - 結構な距離を走った上に、大声まで出したので少し休みたかった。

  27. 主人公:

    - ベンチに座って持ってきた水筒をネレイドに渡した。

    1. 飲む?
  28. AG-1ネレイド:

    水まで持ってきてたの?本格的だね、ご主人様。

    1. 水分補給は基本だろ?
  29. AG-1ネレイド:

    ちょうど喉が渇いてたんだ~!ゴクゴク……プハーッ!生き返る!はい、ありがとう!

    1. どういたしまして、んじゃ俺も。
  30. AG-1ネレイド:

    ええ!?

    1. ん?
  31. AG-1ネレイド:

    そ、そのまま飲むの?ネリが口をつけて飲んだのに……そのまま飲んだら…

  32. AG-1ネレイド:

    き…きき……

  33. 主人公:

    - 顔を真っ赤にしてモジモジしている。その様子が面白かったので、水筒にゆっくり口をつけようとすると、ネレイドは泣きそうな顔で水筒を奪おうと飛びかかってきた。

  34. AG-1ネレイド:

    や!やっぱ!だめ、ネリが全部飲む!

    1. だめ~。
  35. 主人公:

    - 水筒を奪われる前に、急いで口をつけて水を飲んだ。

    1. プハーッ。美味しい。
  36. AG-1ネレイド:

    あ、ああ……!

  37. AG-1ネレイド:

    あぅ……そ、それ……ネリがく……口つけて飲んだんだよ!?

    1. だめなの?
  38. AG-1ネレイド:

    だめってわけじゃないけど……えと……

  39. AG-1ネレイド:

    …か、間接、キスになっちゃうじゃん。

  40. 主人公:

    - 恥ずかしがるネレイドの反応が新鮮で笑ってしまった。

  41. 主人公:

    - 運動が大好きで、さっぱりした性格のネレイドがこんなに恥ずかしがるなんて……なんだか色々と様子がおかしい。

  42. AG-1ネレイド:

    何で笑うの……!ネリだって、怒ったら怖いんだよ?

    1. この前、一緒にシャワー浴びよ~とか言ってきてただろ?どうした?
  43. AG-1ネレイド:

    それは……

  44. AG-1ネレイド:

    …何も知らなかったから……

  45. AG-1ネレイド:

    も、もちろん男の人と女の人が何をするのかとかは……知ってたけど、司令官とは親友みたいだって思ってたから……

  46. AG-1ネレイド:

    でもなんか……その日から、男の人にしか見えなくなっちゃって……い、意識しちゃうのは当然でしょ?だって……ほら……

    1. う~ん……
  47. 主人公:

    - 俺は水筒のふたを閉めて、頷いた。

    1. 俺と一緒だな。
  48. AG-1ネレイド:

    司令官も!?私のこと意識してるの?……嘘だ。

    1. 嘘じゃない。
  49. 主人公:

    - 好きな人の前で緊張するのは誰だって同じはずだ。

  50. 主人公:

    - もっといい格好を見せようとして、変な力が入ってしまうのは仕方がない。

  51. 主人公:

    - 時間が経てば余裕も生まれてくるだろうが、この子はすべてのことが初めてだ……もう少し時間が必要なんだろう。

    1. ネレイドがおかしいんじゃないよ。
  52. AG-1ネレイド:

    え?

    1. 好きになったら皆そんなもんなんだよ。
  53. AG-1ネレイド:

    ……本当?司令官もネリに会うとそうなるの?いつもと変わらない感じだけど。

    1. 俺まで緊張したら会話にならないだろ?落ち着いたフリをしてるだけ。
  54. AG-1ネレイド:

    …ずるい。

    1. 何が?
  55. AG-1ネレイド:

    ネリは、こういうの全部司令官が初めてなんだもん。

  56. AG-1ネレイド:

    でも司令官は余裕があるから……ネリだけ置いて行かれてる感じで、なんかずるい。

    1. 焦らなくていい。
  57. 主人公:

    - 俺はそう言って手を握ると、恋愛が初めての少女も恥ずかしそうにゆっくりと握り返した。

    1. 少しずつ慣れていこう。
  58. AG-1ネレイド:

    それでいいのかな……

  59. AG-1ネレイド:

    えへへ、司令官が……じゃなくて、ご主人様がそう言うならそうだよね!ネリもいつか慣れるよね!

  60. AG-1ネレイド:

    でも……

  61. AG-1ネレイド:

    この服だけは、やっぱり慣れないよ……。

    1. …ん?
  62. AG-1ネレイド:

    だ、だって……これって、エッチなことするときに着る服でしょ?ご主人様に見せるために着たんだけど、やっぱり……

  63. AG-1ネレイド:

    まだ…恥ずかしいよぉ。

    1. ……
  64. 主人公:

    - 本当に恥ずかしいから言ったのだろうが……。今、自分がどれだけあざと可愛い発言をしたのか……分かっていないようだ……

    1. …ちょっと休憩しようか?
  65. AG-1ネレイド:

    なに言ってるの!?だ、だめだよ!まだ勤務時間中だし……。ネリもお店に戻って手伝わなきゃ……

    1. 俺が手伝ったからチラシも早く配れたよな?
  66. AG-1ネレイド:

    うん。ご主人様のおかげですぐに終わったね。

    1. じゃあその分俺と遊んでも大丈夫だな?
  67. AG-1ネレイド:

    ……そうかな?そう言われてみるとそうかも!

  68. AG-1ネレイド:

    えへへ、分かった!ネリも遊びたいし!何して遊ぶ?

    1. ……
  69. AG-1ネレイド:

    ご主人様?何をそんなにじっと見………え?ネリの服!?

  70. AG-1ネレイド:

    えっとぉ……もしかして…これって……

    1. ………
  71. AG-1ネレイド:

    ご主人様、私の想像で……合ってる?

    1. …………
  72. AG-1ネレイド:

    はうぅ……な、何とか言ってよぉ……

    1. 行こっか。
  73. 主人公:

    - 衣装の使用目的を説明してくれたネレイドは、顔を真っ赤にしながら俺の手を握って大人しくついてきた。

  74. 主人公:

    - 途中で「仕事に戻らないと」と言っていたが……

  75. 主人公:

    - 結局その日、ネレイドはカフェに戻ることはなかった。