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Transcription
- 主人公:
- 艦長室でゴロゴロするのも今日で何日目だろう。
- 主人公:
- 休暇も最初は確かに楽しかった。でも、日に日に堕落していく気がして、
仕事をしないといけなくなった時、以前のように動けるのか不安になってきた…… - 主人公:
- そういうことで軽く運動をすることにした。魚は泳ぎ、鳥は飛び、人間は走る。
- 主人公:
- 気分転換も兼ねて、生態保存区域を走っていると……
- AG-1ネレイド:
カフェホライゾンです!美味しいコーヒーや素敵なデザートもあります!
- AG-1ネレイド:
みんな遊びに来て。すごく美味しいよ!
- 主人公:
- 噴水の前でカフェの宣伝をするネレイドの姿が見えた。
- 頑張ってるな。
- 主人公:
- ネレイドらしく元気いっぱいにビラ配りをしている。俺も一枚貰おう。
- AG-1ネレイド:
カフェホライゾンです!熱々のコーヒー……あ。
- 元気?
- AG-1ネレイド:
司令官…?じゃなくて、ご主人様!どうしてここに!?
- ちょっと散歩を。
- AG-1ネレイド:
あ、うぅ……
- 主人公:
- さっきまで元気いっぱいだったネレイドは、少し腰を屈めてモジモジしはじめた。
- どうした?
- AG-1ネレイド:
な!何でもないよ……!これ、クーポン。無料で1杯飲めるよ。
- AG-1ネレイド:
これ持って先に行ってて…ネリはこれ配ったら行くから。
- う~ん。どれくらい残ってる?
- AG-1ネレイド:
ひゃぁっ!?
- 主人公:
- ネレイドの腕にぶら下がるカゴの中を見ると、チラシが大量に残っていた。
全部配るのは相当な時間がかかりそうだ…… - 一緒に配ろうか?
- AG-1ネレイド:
う!?ううん!大丈夫だから先に行ってて。ネリ一人で大丈夫だから!
- 主人公:
- ネレイドはそう言うが、俺は無視して大声で叫んだ。
- カフェホライゾンです!皆さんのご来店をお待ちしておりまぁす!!
- AG-1ネレイド:
本当に大丈夫なのに…
- 2人なら早く終わる。一緒に配ろう。
- AG-1ネレイド:
…うん。そうだね。
- AG-1ネレイド:
ありがとう、ご主人様!
- 主人公:
- AG-1ネレイド:
わあ~!もうなくなっちゃった。
- AG-1ネレイド:
ご主人様のおかげだよ。やっぱりすごいね!
- ふぅ、俺も仕事ができてうれしい……
- AG-1ネレイド:
えへへ!じゃあカフェに行こっか!ネリネリがお礼に冷たいジュースおごったげる!
- いや、少し休んでから行こう。
- 主人公:
- 結構な距離を走った上に、大声まで出したので少し休みたかった。
- 主人公:
- ベンチに座って持ってきた水筒をネレイドに渡した。
- 飲む?
- AG-1ネレイド:
水まで持ってきてたの?本格的だね、ご主人様。
- 水分補給は基本だろ?
- AG-1ネレイド:
ちょうど喉が渇いてたんだ~!
ゴクゴク……プハーッ!生き返る!はい、ありがとう! - どういたしまして、んじゃ俺も。
- AG-1ネレイド:
ええ!?
- ん?
- AG-1ネレイド:
そ、そのまま飲むの?ネリが口をつけて飲んだのに……そのまま飲んだら…
- AG-1ネレイド:
き…きき……
- 主人公:
- 顔を真っ赤にしてモジモジしている。
その様子が面白かったので、水筒にゆっくり口をつけようとすると、 ネレイドは泣きそうな顔で水筒を奪おうと飛びかかってきた。 - AG-1ネレイド:
や!やっぱ!だめ、ネリが全部飲む!
- だめ~。
- 主人公:
- 水筒を奪われる前に、急いで口をつけて水を飲んだ。
- プハーッ。美味しい。
- AG-1ネレイド:
あ、ああ……!
- AG-1ネレイド:
あぅ……そ、それ……ネリがく……口つけて飲んだんだよ!?
- だめなの?
- AG-1ネレイド:
だめってわけじゃないけど……えと……
- AG-1ネレイド:
…か、間接、キスになっちゃうじゃん。
- 主人公:
- 恥ずかしがるネレイドの反応が新鮮で笑ってしまった。
- 主人公:
- 運動が大好きで、さっぱりした性格のネレイドが
こんなに恥ずかしがるなんて……なんだか色々と様子がおかしい。 - AG-1ネレイド:
何で笑うの……!ネリだって、怒ったら怖いんだよ?
- この前、一緒にシャワー浴びよ~とか言ってきてただろ?どうした?
- AG-1ネレイド:
それは……
- AG-1ネレイド:
…何も知らなかったから……
- AG-1ネレイド:
も、もちろん男の人と女の人が何をするのかとかは……知ってたけど、
司令官とは親友みたいだって思ってたから…… - AG-1ネレイド:
でもなんか……その日から、男の人にしか見えなくなっちゃって……
い、意識しちゃうのは当然でしょ?だって……ほら…… - う~ん……
- 主人公:
- 俺は水筒のふたを閉めて、頷いた。
- 俺と一緒だな。
- AG-1ネレイド:
司令官も!?私のこと意識してるの?……嘘だ。
- 嘘じゃない。
- 主人公:
- 好きな人の前で緊張するのは誰だって同じはずだ。
- 主人公:
- もっといい格好を見せようとして、変な力が入ってしまうのは仕方がない。
- 主人公:
- 時間が経てば余裕も生まれてくるだろうが、この子はすべてのことが
初めてだ……もう少し時間が必要なんだろう。 - ネレイドがおかしいんじゃないよ。
- AG-1ネレイド:
え?
- 好きになったら皆そんなもんなんだよ。
- AG-1ネレイド:
……本当?司令官もネリに会うとそうなるの?いつもと変わらない感じだけど。
- 俺まで緊張したら会話にならないだろ?落ち着いたフリをしてるだけ。
- AG-1ネレイド:
…ずるい。
- 何が?
- AG-1ネレイド:
ネリは、こういうの全部司令官が初めてなんだもん。
- AG-1ネレイド:
でも司令官は余裕があるから……ネリだけ置いて行かれてる感じで、なんかずるい。
- 焦らなくていい。
- 主人公:
- 俺はそう言って手を握ると、恋愛が初めての少女も恥ずかしそうに
ゆっくりと握り返した。 - 少しずつ慣れていこう。
- AG-1ネレイド:
それでいいのかな……
- AG-1ネレイド:
えへへ、司令官が……じゃなくて、ご主人様がそう言うならそうだよね!
ネリもいつか慣れるよね! - AG-1ネレイド:
でも……
- AG-1ネレイド:
この服だけは、やっぱり慣れないよ……。
- …ん?
- AG-1ネレイド:
だ、だって……これって、エッチなことするときに着る服でしょ?
ご主人様に見せるために着たんだけど、やっぱり…… - AG-1ネレイド:
まだ…恥ずかしいよぉ。
- ……
- 主人公:
- 本当に恥ずかしいから言ったのだろうが……。
今、自分がどれだけあざと可愛い発言をしたのか…… 分かっていないようだ…… - …ちょっと休憩しようか?
- AG-1ネレイド:
なに言ってるの!?だ、だめだよ!まだ勤務時間中だし……。
ネリもお店に戻って手伝わなきゃ…… - 俺が手伝ったからチラシも早く配れたよな?
- AG-1ネレイド:
うん。ご主人様のおかげですぐに終わったね。
- じゃあその分俺と遊んでも大丈夫だな?
- AG-1ネレイド:
……そうかな?そう言われてみるとそうかも!
- AG-1ネレイド:
えへへ、分かった!ネリも遊びたいし!何して遊ぶ?
- ……
- AG-1ネレイド:
ご主人様?何をそんなにじっと見………え?ネリの服!?
- AG-1ネレイド:
えっとぉ……もしかして…これって……
- ………
- AG-1ネレイド:
ご主人様、私の想像で……合ってる?
- …………
- AG-1ネレイド:
はうぅ……な、何とか言ってよぉ……
- 行こっか。
- 主人公:
- 衣装の使用目的を説明してくれたネレイドは、顔を真っ赤にしながら
俺の手を握って大人しくついてきた。 - 主人公:
- 途中で「仕事に戻らないと」と言っていたが……
- 主人公:
- 結局その日、ネレイドはカフェに戻ることはなかった。