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Transcription
- バニラA1:
びちょびちょになるのが最近お好きなようですね?趣味ですか?
幸い、今回は汗ではなくただの水なので臭くないですが。 - ……
- 主人公:
- 俺は噴水の隣にあるベンチで、タオルを持ったバニラに身を任せていた。
- 主人公:
- ……びしょ濡れの状態で。
- バニラA1:
LRLさんにはあとできつく注意しておきます。
- いいよ。LRLも分からなかっただけだろうし。
- 主人公:
- キルケーの占いの館から出た途端、
俺はLRLの「ヴァンプリックウォータースプラッシュ」に襲われたのだった。 - 主人公:
- おそらく俺の前にいたエリーを狙ったのだろうが……。
二人は俺に気付かないまま、水をかけ合いながら走り去っていった。 - バニラA1:
それで、お食事の方はどうされますか?
- あ!しまった。ソワンに連絡してなかった。
- バニラA1:
それでしたら、キルケーさんがご主人様のお食事の時間が少し遅れると
代わりに連絡を入れてくださってたみたいですよ。 - あ……さっき言ってくれたのかな?
- バニラA1:
いいえ。ご主人様が退勤する頃です。
- …………
- 主人公:
- ……それって……
- 主人公:
- 頭の中が混乱している俺に敬意ゼロの眼差しを向けながら、
優しい手つきで水を拭いてくれるバニラ。 - バニラA1:
すぐにこういう時間もなくなって忙しくなります。
変なことしてないでしっかりと体を休めてください。 - バニラA1:
ソワンさんも特別メニューを準備してくださっているとのことですし。
- え?俺忙しくなるの!?
- バニラA1:
…………
- 主人公:
- 久しぶりに敬意ゼロを通り越して心から軽蔑する目で俺を見るバニラは
深い、深~いため息をついた。 - バニラA1:
デートのことお忘れですか?
- デート?
- バニラA1:
アルファさんとアルマンさんからお聞きにならなかったのですか?
- 主人公:
- バニラにそう言われ、仕事中のことを思い返してみた。
- 主人公:
- まず興奮してそれを落ち着かせるのに時間がかかって……
- 主人公:
- 次は休暇中の鉄虫とオメガの動態把握……、
ホードとストライカーズの撤収作戦の話…… - 主人公:
- それからアクアランド関連……で、終わったな……?
- うん。デートの話はなかったと思う……
- バニラA1:
明日の案件に回されたのでは?
- バニラA1:
……仕方ないですね。このくらいなら私の権限でも閲覧可能ですし。
貸してください。 - 主人公:
- バニラはそう言うと、俺が大事に抱えていたパネルを奪い取り、
自分の認識コードで内部ネットワークに接続した。 - バニラA1:
ここにあります。明日の報告案件になっています。
- …デート抽選会?
- バニラA1:
ご主人様が無職になっている間、私たちと過ごしてくださいましたよね?
オルカの皆さんの間でそれがかなり好評だったのです。 - バニラA1:
ですので、ご主人様がお仕事を再開された後も時間は限られますが、
定期的にあの時を再現できるよう企画されたものです。 - 主人公:
- どうせ明日報告を受けるし、簡単に詳細を確認した。
- 主人公:
- ほぉ……隊員たち自らがデートプランを考えるというものか。
なかなか面白そうなイベントだな。 - へぇ~…楽しみ。
- バニラA1:
はい。私も楽しみにして―
- バニラA1:
……っ!
- ほほぉ~…
- 主人公:
- バニラの顔が一瞬で真っ赤になった。
- ふむふむ。バニラちゃん。
- バニラA1:
………はい。
- 確認したいんだけど……楽しみというのは…俺とのデートのこと?
- バニラA1:
うっ……
- 俺はバニラが好きだけど、普段の態度のせいで躊躇してたんだよね~
- 主人公:
- 俺がここぞとばかりにからかうと、小動物のように震えていたバニラの目が
一気にきつくなった。 - バニラA1:
はい!楽しみにしていました!も・の・す・ご・く!楽しみにしてましたッ!!
- あっ……
- バニラA1:
どれだけ忙しくても頑張って時間を作って神社に行って!
おみくじも大吉が出るまで引いて!当選しますようにって願い事もしましたっ! - バニラA1:
寝る前にお祈りしたり、徳を積むためにアルフレッドを鉄クズと言うのを
たまに我慢したり…… - バニラA1:
何かご不満でも?
- えっと……
- 主人公:
- 予想外の反応に動揺していると、バニラは真っ赤な顔をずいっと近づけてきた。
- バニラA1:
な・に・か・ご・ふ・ま・ん・で・も!
- い、いや…ごめん。全然、不満なんかないよ…
- バニラA1:
……ふん!
- 主人公:
- しばらくふくれっ面で俺を睨みつけていたバニラがまた手にタオルを持った。
- バニラA1:
覚えておいてください。私が当選したら、完・全・な私好みのデートに
付き合わせますからねっ! - 主人公:
- バニラ好みのデートか……昔、楽園で一緒にだった時は……
あ、どういうものか分かった気がする…… - バニラが好きそうなのって、夫婦みた―むぐっ!?
- 主人公:
- 濡れて重たくなったタオルが俺の顔面に飛んできた。
- 主人公:
- 振り返ることもなく行ってしまったバニラの後ろ姿は、
怒っているというより恥ずかしそうに見えた。