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主人公
- カフェにやって来た。

Transcription

  1. 主人公:

    - カフェにやって来た。

    1. う~ん…何にするか……
  2. 主人公:

    - メニューを見て悩んでいる。

  3. 主人公:

    - 飲みたいものは2種類あった。2つとも注文すればいいのだが、それではお腹がいっぱいになる気がしてやめておいた……

    1. よし。俺はこれにする。エイミーは?
  4. エイミーレイザー:

    そうですね……私はこれにします。

  5. 主人公:

    - エイミーは俺が選ばなかった方の飲み物を選んだ。

  6. エイミーレイザー:

    ふふっ……これが美味しいって聞いたんです。

    1. うん。俺も飲んだことあるけど美味しかったよ。
  7. 主人公:

    - しばらく待っていると、注文した飲み物が出てきた。

  8. 主人公:

    - うん。やっぱり美味しい……。でもエイミーが注文した方も飲みたくなってきた……

  9. エイミーレイザー:

    あの、ダーリン。あなたが注文した方もちょっと飲んでみたいので、交換しませんか?

  10. 主人公:

    - なんとエイミーが交換したいらしい!

    1. うん!
  11. 主人公:

    - 俺は喜んでエイミーと飲み物を交換した。

  12. 主人公:

    - やっぱこっちも美味いんだよなぁ~!

  13. 主人公:

    - 俺がごくごく飲んでいると、エイミーは飲み物に口をつけず何故か顔を赤くしていた。

    1. どうした、エイミー?
  14. エイミーレイザー:

    あの……

  15. 主人公:

    - すると、エイミーは恥ずかしそうに口を開いた。

  16. エイミーレイザー:

    間接…キスですね。

    1. ん!?ごほっ!!
  17. 主人公:

    - エイミーらしからぬ超ピュアな発言に、思わずむせてしまった。

  18. エイミーレイザー:

    ふふ、冗談ですよ。

  19. 主人公:

    - エイミーはそう言って笑うと、俺の頼んだ飲み物を飲み始めた。そして……

  20. エイミーレイザー:

    あなたの味がします。

  21. 主人公:

    - 手のひらの上で転がされている感じがして、改めてハニートラップのために生まれた存在なのだと思い知らされた……。

  22. 主人公:

  23. 主人公:

    - その後のデートも楽しく、順調だった。

  24. 主人公:

    - ゲームセンターに始まり、カフェ、劇場と……何の問題も起きなかった。

  25. 主人公:

    - だが、俺はその何事もないということに違和感を感じた……

  26. 主人公:

    - そして、すぐにその違和感の原因に気が付く。

  27. 主人公:

    - エイミーはすべて俺に合わせてくれている。

  28. 主人公:

    - 思い出してみると、俺が何かをしたいと思った時、エイミーはさりげなく俺のしたいことができる状況にしてくれていた。

  29. 主人公:

    - ゲームセンターもそうだし、カフェもそうだ。

  30. 主人公:

    - デートはどちらか一人だけが楽しむものでもないはず……

  31. 主人公:

    - でも、今更俺がエイミーにしたいことを聞いても、彼女は適当に誤魔化してしまいそうな気がした。

  32. 主人公:

    - 俺はそれに気が付いてから、とにかくエイミーを観察した。

  33. 主人公:

    - そのおかげで……。

  34. 主人公:

    - エイミーがある場所をよく見ていることに気が付いた。

  35. 主人公:

    - 他の場所より若干多く目が行く程度だったが、話を振るにはそれだけで十分だ。

    1. エイミー。あそこは何をする場所?
  36. エイミーレイザー:

    はい?あ……あそこはウエディングドレスの撮影スタジオですね。

    1. 行ってみよう。面白そう。
  37. エイミーレイザー:

    ………

  38. 主人公:

    - 今まで何をするにしても俺に合わせてくれていたエイミーは少し躊躇ったが……

  39. エイミーレイザー:

    はい、ダーリン。ありがとうございます。

  40. 主人公:

    - 今日一番の笑顔を見せてくれた。

  41. 主人公:

    - そして……

  42. エイミーレイザー:

    あの……ダーリン……何でそんなにニヤニヤするんです?変……ですか?

    1. いや、すごく綺麗だなって。
  43. 主人公:

    - ウエディングドレスを着て座っているエイミーを見ていると、何故か顔が緩んでしまう。

  44. 主人公:

    - 綺麗なのは言うまでもなく……ぎこちないが本当に嬉しそうに笑うエイミーがこの上なく愛らしかった。

  45. 主人公:

    - エイミーが俺に合わせてくれている時もこんな気持ちだったのだろうか?

  46. エイミーレイザー:

    ちょっと……変な感じですね。

    1. 嫌だった?
  47. エイミーレイザー:

    そんなことありません。

  48. 主人公:

    - エイミーはドレスを撫でながら言った。

  49. エイミーレイザー:

    知ってると思いますが、私たちのモデルは任務のために様々な衣装を着ます。

  50. エイミーレイザー:

    ウエディングドレスも……たぶん着たことがあると思います。

  51. エイミーレイザー:

    ですが、こんなに幸せな気持ちになったエイミーは私が初めてだと思います。

  52. 主人公:

    - そこにはスパイではなく、顔を赤らめて笑みを浮かべる一人の女性がいた。

  53. エイミーレイザー:

    ありがとうございます、ダーリン。私をこんなに幸せな気持ちにしてくれて。

  54. 主人公:

    - 目を潤ませ、エイミーは微笑んだ。

  55. 主人公:

    - もしこの姿がハニートラップだったとしても……

  56. 主人公:

    - 俺は知らないふりをするしかないと思った。罠だとしても、危険だとしても、この笑顔を見ていたいと思ってしまった。

  57. 主人公:

    - 俺はエイミーの手を取り、その手の甲に口づけをした。すると彼女は俺の突然の行動に驚いて固まっていた。その顔を見ていると……さらに驚かせたくなって……

  58. 主人公:

    - エイミーの唇にキスをした。

  59. 主人公:

    - エイミーはしばらく動かなかった。

  60. エイミーレイザー:

    ……ふふ。

  61. 主人公:

    - エイミーは静かに笑うと、俺の首に腕を回して口づけを受け入れた。