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Transcription
- エイミーレイザー:
- その後のデートはデートになっていなかった……。
- エイミーレイザー:
- 俺とエイミーはあのキスから歯止めが掛からなくなっていた。
- エイミーレイザー:
- デートの途中で抑えきれなくなるたびに、エイミーは人気のない場所へと
俺を連れて行ってくれた。 - エイミーレイザー:
- そして、それが何度も何度も続き……俺たちはもう我慢できず、
エイミーの部屋に向かった。 - エイミーレイザー:
- エイミーの部屋がある宿所に到着すると、その入り口で……
- LRL:
エイミー!
- 主人公:
- LRLが現れた。
- エイミーレイザー:
あら、プリンセス。
- LRL:
何をそんなに急いでいるのだ?
- 主人公:
- さて、何と答えるか……
- エイミーレイザー:
今日は司令官とデートの日なんですよ。
- LRL:
あっ!そうだったね!デートするって言ってたね!
- LRL:
いいなぁ……私もデートしたかったのに当たんなかった……
- 主人公:
- LRLはそう言ってうつむくが、チラッチラッと俺たちを見てきた。
- 主人公:
- 俺がLRLをなだめようとしたその瞬間、エイミーが口を開いた。
- エイミーレイザー:
じゃあ……。3人で一緒に遊びましょうか?
- え?
- LRL:
本当?わーい!エイミー!大好き~!
- 主人公:
- LRLはそれはもう嬉しそうにその場で何度もジャンプした。
- 主人公:
- そして、欲求の臨界点を迎えようとしていた俺は茫然と立ち尽くす……
- 主人公:
- そんな俺を見てエイミーは耳元で囁いた。
- エイミーレイザー:
もう少しだけデートに付き合ってくれませんか?
私がプリンセスともデートしたいんです。 - うん……もちろん。
- LRL:
さぁ!眷属よ!サイクロプスプリンセスが命ずる!
余を幸福なる聖母が待つ、永遠なる安息の場所へと連れていくのだ! - イエス!マイ・プリンセス。
- 主人公:
- LRLは俺とエイミーと手を繋ぎ、ぴょんぴょん飛び跳ねた。
- 主人公:
- エイミーはLRLの幸せそうなその姿を見て優しく笑う。
- 主人公:
- そして、俺は二人を見て幸せだった。
- 主人公:
- 俺達はLRLの部屋で一緒に遊んだ。
- LRL:
ふっふっっふっ!眷属よ、余に勝とうなど!100年早いわ!
- くぅっ!もう一回勝負だ!
- エイミーレイザー:
諦めた方がいいですよ、ダーリン。さっきも同じこと言ってましたよ。
プリンセスはこのゲームの達人ですから。 - 主人公:
- ボードゲームをして……
- LRL:
受け取るがいい!眷属よ。今日を祝福し、余が絵を描いてやったぞ!
- エイミーレイザー:
あら?プリンセス、私の分はないんですか?
- LRL:
え?あ……。うぅ……うん!…今すぐ描くね!
- エイミーレイザー:
ふふ、では私もお礼に何か描きませんとね。
- 主人公:
- 絵も描いてくれた。
- LRL:
余の邪眼を授けん、竜殺者よ!余はそなたに邪眼と未来を託した!!
- LRL:
余の眼は光を失うだろうが、そなたが切り開く未来は
希望に満ち満ちていることを余は信じてやまん! - サイクロプスプリンセス…君の意志と邪眼、確かに受け取った!
- エイミーレイザー:
ええと……構えるのよ。最凶の悪竜ニーズヘッグがやってくるわ。
- LRL:
エイミー……グラシアスはそんな喋り方しないよ……
- そうだぞ!俺のグラシアスはそんなんじゃないぞ!
- エイミーレイザー:
ごめんなさい……
- 主人公:
- ドラゴンスレイヤーごっこもした。
- LRL:
わぁ~!これ見て、司令官!
- すごっ!こんなに小さいのに色々機能がある。
- エイミーレイザー:
ドクターがくれた万能デートツールです。
- LRL:
ははは!これ見て!お花がず~っと出てくる!
- どこに入ってんだこれ?
- LRL:
あっ、歌も流れる。
- これは……リップクリーム?
- 主人公:
- ドクターの秘密ツールで遊んだ。
- 主人公:
- そんな幸せな時間もあっという間に過ぎ……
- LRL:
……ぅぅん……
- 主人公:
- LRLは急にウトウトし始め、すぐに眠ってしまった。
- エイミーレイザー:
プリンセス。寝ちゃいましたね。
- LRL:
……
- 主人公:
- エイミーは優しくLRLを抱きかかえ、ベッドに寝かせた。
- 主人公:
- そして、彼女もその隣に横になる。
- エイミーレイザー:
……
- 主人公:
- エイミーが手招きする。俺も横になれってことか?
- 主人公:
- 俺はLRLを挟むようにベッドに寝た。
- 狭いな。
- 主人公:
- だけど、二人をさっきより近くに感じることができた。
- 主人公:
- LRLの向こう側のエイミーは俺のことを見つめていた。
- エイミーレイザー:
ふふ。
- 主人公:
- エイミーが笑うと俺も自然と笑みがこみ上げてきた。
- エイミーレイザー:
幸せですね。
- うん。幸せ。
- エイミーレイザー:
ダーリンが幸せなら私も幸せです。
- 主人公:
- あーもうダメだ……。そんな顔見せられたら俺は……
- はぁ…今日はエイミーが本気で誘惑してくるからずっと大変だ…
- エイミーレイザー:
本気……?
- エイミーレイザー:
私はいつもあなたに本気ですよ。
- ……
- エイミーレイザー:
あなたに初めて会ってから、今まで……そしてこれからもずっと私は本気ですよ。
ずっと……あなたに本気です。 - エイミーレイザー:
もちろん私は“武器”です。それも……残酷極まりない方法で相手を殺める武器。
- エイミーレイザー:
滅亡前の私だったなら人を殺して殺して……いつか愛する人も殺したでしょう。
- エイミーレイザー:
でも、あなたと出会えた私は違います。
- エイミーレイザー:
もう、私の願いの一つは叶いました……
- 主人公:
- エイミーは微笑み、俺に手を伸ばした。
- 主人公:
- 俺はその手を握って指を絡ませた。
- 主人公:
- 彼女が言う“願い”が何なのか何となく理解できた。
- 主人公:
- しかし彼女は欲張りだった。
- エイミーレイザー:
私のもう一つの願い……聞いてくれませんか?
- 主人公:
- もう一つの願い……俺の心臓はトクンと跳ねる。
- 主人公:
- しかし、それは愛おしい願いだった。
- エイミーレイザー:
家庭を築きたいんです。
- エイミーレイザー:
ただのバイオロイドが……
それもハニートラップで情報を盗み、暗殺をするために作られた バイオロイドが……そんな願いを持ってるなんて…… - エイミーレイザー:
おこがましいということは分かっています。
- エイミーレイザー:
でも……願うことくらいは……せめて願う真似事をするくらいは
許されても……いいですよね? - 主人公:
- エイミーは少し悲哀のこもった笑みを浮かべながら、
LRLの乱れた髪の毛を整えた。 - エイミーレイザー:
誰かの妻……可愛い子を持つ母になりたい……。
- エイミーレイザー:
私だけでなく、過去のエイミーレイザーたちが夢見ていた願い。
- エイミーレイザー:
これが“本物”ではないとしても……私は本当に幸せです、ダーリン。
- 主人公:
- そう言いながら、どこか苦そうな笑みを見せる彼女に胸が痛んだ……。
- 主人公:
- 俺が何か言おうとすると、エイミーは遮るように言葉を発した。
- エイミーレイザー:
しーっ……今は何も言わないでください。
- エイミーレイザー:
今あなたが言ってしまったら……あなたは苦しんで、
私や…私以外の誰かが……心に傷を負うと思います。 - エイミーレイザー:
だから、今は、この瞬間だけは……この幸せを感じさせて。
- 主人公:
- 俺は言おうとしていた言葉を飲み込んだ。
- 主人公:
- でも、この言葉はエイミーに伝えたかった。
- …エイミー。
- エイミーレイザー:
はい。
- 愛してる……
- エイミーレイザー:
うふふ……私もです。
- 主人公:
- エイミーは穏やかな笑みを浮かべてくれた。
- 主人公:
- 俺たちは手を繋いだまま、しばらく見つめ合った。
- 主人公:
- どれくらいの時間が経っただろう……
- エイミーレイザー:
ダーリン……ダーリン?
- うん。聞こえてる。
- エイミーレイザー:
そろそろ……
- エイミーレイザー:
“二人だけの時間”を過ごしてもいいんじゃないですか?
- 主人公:
- 俺たちはLRLを起こさないようにベッドから降り、部屋を後にした。
- 主人公:
- そして、ドアを閉めた後、俺はエイミーを抱きかかえた。
- エイミーレイザー:
きゃっ。
- 主人公:
- エイミーは小さく声をあげて驚く。
- しっかり掴まってろ。
- エイミーレイザー:
ふふ……、はい、分かりました。
- 主人公:
- 俺はそのままエイミーを抱きかかえて、俺の部屋へと走っていった。
- 主人公:
- エイミーは俺の腕に掴まって、最高に幸せそうな笑みを浮かべている。
- 主人公:
- そう、エイミーは初めて出会ったあの時から……
- 主人公:
- 誰かを殺める武器ではなく、
- 主人公:
- ただ幸せな家庭を築きたいと願うだけの……
- 主人公:
- ……俺の大切な人だ。