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Transcription
- 主人公:
- 箱舟に造成された湖の中心までボートを漕いだ。
- 主人公:
- 遠くの方から何やらギャーギャー聞こえてくるが、
気になるほどではなかったのでスルーした。 - エンジェル:
……
- 主人公:
- そしてエンジェルもリラックスできているようだった。
- 主人公:
- 精神感応の力があるエンジェルにとって人が多い場所は苦しかったはずだ。
- 主人公:
- そして、いつも以上にはしゃいでいたのも、楽しそうにしている人たちが
たくさんいる場所で、精神感応の力が働いてしまったせいもあるだろう。 - 主人公:
- 2人っきりになるとエンジェルはいつもの落ち着きを取り戻した。
- エンジェル:
はぁ…
- 大丈夫か?
- エンジェル:
はい?
- 精神感応のせいで……大変だったろ?
- エンジェル:
あ……
- エンジェル:
申し訳ありません、気を遣わせてしまって……
- ううん、エンジェルが苦しかったら意味ないんだから。
- エンジェル:
でも、嫌ではありませんでした。
- エンジェル:
オルカの皆さんの喜びの感情を感じることができて……
それだけで僕は嬉しいんです。 - そっか。それならよかった。
- 主人公:
- すると、エンジェルがまた顔を赤らめ、恥ずかしそうにしながら俺を見つめた。
- エンジェル:
そして、その希望と喜びのすべての源が僕のすぐ隣にいる人で……、
僕の力とは関係なく、嬉しかったんです。 - エンジェル:
この人は僕の救援者様であると同時に、皆さんの救援者様なんだなって……。
- エンジェル:
オルカ号を歩いていると色々な人たちのそばを通ることになります。
- エンジェル:
そのたびに、その人の気持ちが僕に伝わってくるんです。
- エンジェル:
やはり感情というものは人それぞれ違うのですが、共通する感情があります。
- エンジェル:
それは救援者様に向けられた愛。
- エンジェル:
皆さんの感情を感じるたびにその愛は僕の中にある愛と一緒になっていって…
どんどん膨らんでいきます。 - エンジェル:
そして今…僕が愛している人が僕だけのために、僕のそばにいてくれています。
- エンジェル:
その事実が……僕は最高に嬉しいんです。
- 主人公:
- エンジェルが恥ずかしそうに言う真っ直ぐな言葉を聞いて、
俺も恥ずかしくなってきた…… - 主人公:
- そしてそれ以上に……この子のことが愛おしくなった。
- エンジェル:
救援者様の…気持ちが…伝わってきます。
- 主人公:
- 口に出さなくても、エンジェルは俺の感情を知ることができた。
- 主人公:
- だけど俺は、それ以上の気持ちを表現したかった。
- 主人公:
- 俺はオールから手を離して、エンジェルの方に体を寄せる。
- エンジェル:
救援者様……
- 主人公:
- エンジェルも目を閉じて顔を寄せた。
- 主人公:
- そして、エンジェルの小さくて柔らかい唇に俺は唇を重ねた。
- 主人公:
- ……エンジェルの帽子で隠れるように……
- 主人公:
- 視界の端っこで、見慣れた二人がアヒルボートに乗って
こっちを見ているのが見えたから。 - 主人公:
- でも、エンジェルとの口づけは二人の存在を忘れるほどに温かかった。
- 主人公:
- 俺にはエンジェルのような能力はなかったが、
- 主人公:
- この瞬間だけはエンジェルも俺と同じ気持ちだということは
はっきりと分かった。 - アザゼル:
見てください、見てください!ほらっ!サラカエル!
- サラカエル:
見ても何も見えんだろう。帽子で隠れているのに。
- アザゼル:
隠れているのがいいんですよ。
- アザゼル:
ロマンチックじゃないですか。
- アザゼル:
あからさまに見えるより、あんな風にさりげなく顔を隠したキスの方が
素敵じゃないですか~。 - アザゼル:
誰かに見られるのは恥ずかしいけど、それ以上に愛が溢れ、キスせずには
いられないということです!はぁ~。 - サラカエル:
う~ん……、もう少し横に行けば見えそうなのだが……
- アザゼル:
なっ!その双眼鏡は何ですか?
- サラカエル:
お前がさっきガラクタといったものの一つだ。
- アザゼル:
あぁ!ずるいです!一人で楽しむなんて!
- サラカエル:
お前が返品しろと言わなければお前の分もあった。フン、自業自得だ。
- アザゼル:
そんな!
- サラカエル:
ぶつぶつ言っていないでもっとペダルを漕げ。
見える場所に移動したらお前にも貸してやるから。 - アザゼル:
約束ですよ?
- サラカエル:
あ……
- アザゼル:
どうしました?
- サラカエル:
……祝福は終わった。
- 主人公:
- ゆっくりと唇を離す。
- 主人公:
- 指1本分の距離を置いて、俺たちは見つめ合っていた。
- 主人公:
- もう一度と思ったが、エンジェルが何か言いたいことがあるような気がして、
我慢してエンジェルの言葉を待った。 - 主人公:
- エンジェルは呼吸を整えた後、口を開いた。
- エンジェル:
救援者様に出会えていなかったらどうなっていたんだろう……って
思うことがあります。 - エンジェル:
爽やかな風、光り輝く太陽、そしてこの想い……
全部知ることはなかったでしょう。 - エンジェル:
そうです、今救援者様が感じているその感情です。
- エンジェル:
……これからは伴侶!と呼ばせてください。その方が、僕も嬉しいですし……、
- エンジェル:
ドキドキ、するので……。
- 主人公:
- そう言って、今度はエンジェルが唇を重ねてきた。
- 主人公:
- 俺は小さな天使の愛らしい口づけを受け入れた。
- アザゼル:
私たちのエンジェルがあんなにも積極的になれるだなんて……。
- サラカエル:
アザゼル、100回漕いだぞ。
- アザゼル:
光の導きに感謝を捧げん。
- サラカエル:
アザゼル、今度はお前の番だ。
- アザゼル:
あっ!ぁっ……あ~!伴侶のあの手、どこに行っちゃうんです……?はわわ……
- サラカエル:
……おい、私を無視するな!
- アザゼル:
(ビクッ!)
- サラカエル:
嘆かわしい。教団の守護者たる者が約束をこうも簡単に破るとは……
一体どうやって信徒たちの模範になるつもりか! - サラカエル:
早く双眼鏡を私に寄こせ!そしてペダルを漕げ!
- アザゼル:
も、もうちょっと!ちょっとだけ!今大事なところなのです。あっ!ああっ!
……そんなところ!!は、伴侶!!わぁ~…… - サラカエル:
お前は!私に!武力を使わせたいようだな!!
- アザゼル:
ちょ、ちょっと待ってください!サラカエル!キャッ!?
ど!どこを触ってるんですか!?あれ?ボートが?沈んでる!? - アザゼル & サラカエル:
ああぁぁぁぁ~!!!
- 主人公:
- しばらくして、陸に戻った。
あの二人が乗ったスワンボートはいつの間にかいなくなっていた。 - エンジェル:
……
- 主人公:
- 口づけの後、エンジェルと俺は特に何も話さなかったが、
握った手からちゃんと互いの気持ちが伝わっていた。 - 主人公:
- そして、俺達の気持ちはもうすでに溢れきっていて……
- 主人公:
- デートだけでは我慢できない状況だった……。
- 主人公:
- 俺はエンジェルの手を握って、人気の少ない場所に移動した。
- エンジェル:
…………
- 主人公:
- エンジェルは何も言わず、俺についてきた。
- アザゼル:
どうしてこんなことに……
- サラカエル:
お前が欲張らなければこんなことにはならなかった!
- アザゼル:
着替えの服があってよかったですね。
- サラカエル:
救援者とエンジェルは?
- アザゼル:
あ、あそこです!さぁ!早く行きましょう!
- ??:
どちらに行かれるのですか?
- アザゼル:
決まっています、あの二人を追いかけ……
- サラカエル:
ヴェロニカ!
- ヴェロニカ:
はい、教団の異端審問官であり、天使様の代理人を務めるヴェロニカです。
- アザゼル:
ここへはどうして?
- ヴェロニカ:
それは私が聞きたいところです。どうしてここに来たのでしょうね?
- ヴェロニカ:
本当に……どうしてなんでしょうね……?アザゼル様。
- サラカエル:
お前は……怒っているのか?
- ヴェロニカ:
どのように見えますか?
- アザゼル:
あのう……ヴェロニカ?どうしたんですか?
- ヴェロニカ:
……すっかりお忘れのようですね。
- ヴェロニカ:
今日は礼拝堂の掃除当番でしょう!!
- アザゼル & サラカエル:
あ……
- ヴェロニカ:
今までお二人が掃除をお忘れになったときは、エンジェル様とラミエル様、
それから私が代わりにやってきましたが、今日という今日は許しませんよ! - サラカエル:
待つのだ、ヴェロニカ!
- サラカエル:
私たちが掃除を忘れたというのは、誰が何と言おうと明らかな過ちだ。
- サラカエル:
これについては教団の審判者の名にかけて認めよう。
- サラカエル:
しかし、そのような些事に執着して大事を見過ごすこともまた、
罪悪ではないだろうか? - サラカエル:
私とアザゼルは教団の更なる栄光のため、共に行動しているのだ。
お前はこれを理解していない。 - ヴェロニカ:
そうですか、では一体どのような神聖な使命を光より託されたのか
お聞きしてもよろしいでしょうか? - サラカエル:
我らが智天使が救援者とのデートという、極めて重大な任務を
しっかりと遂行しているか監視するという使命だ。 - ヴェロニカ:
……救援者様とエンジェル様のデートを覗くために礼拝堂の掃除を
サボったということですね。 - ヴェロニカ:
お二人!ついてきてください!
- アザゼル:
ちょっと待ってください!そろそろエンジェルが伴侶から祝福を受けるんです!
- ヴェロニカ:
はい、大変喜ばしいことですね。ですが掃除と何の関係があるのですか?
- サラカエル:
お、お前は!エンジェルの祝福と掃除、どっちが大事なのだ!
- ヴェロニカ:
エンジェル様が祝福を受けることはお二人がいなくても出来ることですが、
礼拝堂の掃除はお二人がいなければ出来ないことです! - サラカエル:
異端審問官が審判者に歯向かうとは!
- アザゼル:
ああ、光よ……この者の罪をお許しください……
- ヴェロニカ:
なんとでも言ってください。
- ヴェロニカ:
今、私は冷静さを欠こうとしています。