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T-60ブルガサリ
それは司令官が悪いわね。

Transcription

  1. T-60ブルガサリ:

    それは司令官が悪いわね。

    1. 俺が!?
  2. T-60ブルガサリ:

    うん。みんな、司令官を心配してやってたことなんだからさ。

  3. T-60ブルガサリ:

    なのにサーバーまでハッキングして働こうとしてたなんて、怒られて当然でしょ。

    1. 違う、俺は悪くない。
  4. T-60ブルガサリ:

    そうだっけ?ハッキングって悪い事じゃないんだ?

    1. ……
  5. 主人公:

    - 俺が沈黙で返すと、ブルガサリはくすりと笑った。

  6. T-60ブルガサリ:

    司令官が仕事が好きなのは知ってる。

  7. T-60ブルガサリ:

    でも休む時はしっかり休むから、ちゃんと働けるんでしょ?それに、いつまでも司令官一人に負担をかけさせるわけにはいかないわ。

    1. それは…まぁ……
  8. T-60ブルガサリ:

    他の子に負担をかけるくらいなら、自分一人でやってしまおうってのは分かる。

  9. T-60ブルガサリ:

    でも私含め、みんなが申し訳なく思ってることも考えてあげなきゃ。ありがたいのも度が過ぎると罪悪感しか残らないのよ?

    1. そこまでは考えてなかった。
  10. T-60ブルガサリ:

    やっぱり。

  11. 主人公:

    - ブルガサリの話を頭の中で咀嚼しながら、とりあえずストローを口に咥えた。

  12. 主人公:

    - すると向かい側に座っていたブルガサリもストローを咥える……

    1. う~ん……
  13. T-60ブルガサリ:

    何してるの?飲まないの?

    1. いや……
  14. 主人公:

    - ブルガサリと俺の間にあるグラスには特殊なストローがささっている……

  15. 主人公:

    - ハートの形をしたカップルストローという代物なのだが、吸い口の長さがあまりにも短く同時に飲もうとすると、お互いの息が当たるほど顔が近づくことになるのだ……。

    1. なんか、その…バカップルみたいで恥ずかしいというか。
  16. T-60ブルガサリ:

    え?今さら?デートなんだから、こういうことするのなんて分かってたでしょ?

    1. それはそうだけど。
  17. T-60ブルガサリ:

    だったら楽しまなきゃ。野暮ったいこと言わない言わない。

  18. T-60ブルガサリ:

    ほらほら。一緒に飲も。

  19. T-60ブルガサリ:

    ……

  20. 主人公:

    - ドリンクを飲みながらふと顔を上げると、ブルガサリが微笑んでいた。

    1. どうした?
  21. T-60ブルガサリ:

    やっぱり司令官ってカッコイイなって思って。

  22. T-60ブルガサリ:

    今日は私が独り占めできるんだって思ったら……

  23. T-60ブルガサリ:

    ちょっと嬉しくなっちゃった。

  24. 主人公:

    - 何気なしに言ったつもりかもしれないが、俺は突然の不意打ちに固まってしまった。

  25. 主人公:

    - 何て返そうか。逆に恥ずかしくさせる?それとも沈黙を通すか……

  26. 主人公:

    - 慌てて考えていると、いつの間にかドリンクを飲み干してしまってグラスから「ズズズ……」と音がしていた。

    1. ごめん、飲んじゃった…何か注文する?
  27. T-60ブルガサリ:

    ううん、もう大丈夫。

  28. T-60ブルガサリ:

    ブランチも食べたし、ドーナツもテイクアウト用に包んでもらったし……

  29. T-60ブルガサリ:

    そんじゃ、司令官を私好みにコーディネートしなくちゃ!

    1. コーディネート…
  30. 主人公:

    - 俺が着替えたところでブルガサリが楽しいとは思えないんだが……ブルガサリが服を買った方が楽しめるんじゃないか?

  31. 主人公:

    - そう考えていると、ブルガサリは俺の鼻先を指でちょんと突いた。

  32. T-60ブルガサリ:

    禁止。

    1. 何が?
  33. T-60ブルガサリ:

    このデートは私の言う通りにすること。

  34. T-60ブルガサリ:

    どうせ私が楽しめてるのかどうか悩んでるんでしょ?そういうの禁止!

  35. T-60ブルガサリ:

    分かった?

  36. T-60ブルガサリ:

    ふむ……

  37. T-60ブルガサリ:

    やっぱりモデルがいいからかしら?何着てもよく似合うのね。

    1. そっか。よかった。
  38. 主人公:

    - やっと終わった……と溜め息を吐こうとしたら、ブルガサリは別の服を持ってきた。

  39. T-60ブルガサリ:

    次はこれを着てみて。

    1. …ちょっと休憩しない?
  40. T-60ブルガサリ:

    なんで?もう疲れた?

    1. その、精神的に……
  41. 主人公:

    - ブルガサリと服屋に着てもう数時間が経っていた。

  42. 主人公:

    - 服を着替えるだけだから楽勝だと思っていたら、ブルガサリはカートに大量の服を載せてやって来たのだ。持ってくる時、カートのタイヤが悲鳴をあげていた……

    1. まだこんなにあるのか……
  43. 主人公:

    - この前来た時は男性服なんて一着もなかったはずなのに……どういうことだ?

    1. 何でこんなに服があるんだ?
  44. T-60ブルガサリ:

    服屋に服があるのは当然でしょ。

    1. この前来たときは女性服しかなかったのに。
  45. オードリー・ドリームウィーバー:

    オフコース。確かにそうでしたわね。

  46. 宝蓮:

    あの時は先生も私もちょっと忙しかったものでして~。こんにちは、お兄さ~ん

    1. オードリーと宝蓮?
  47. 主人公:

    - 二人はアクアランドのインテリアを担当していて忙しいはず……

    1. アクアランドの方はもう終わったのか?
  48. 宝蓮:

    えへへ!それならもちろん!あっ、このネイルのキラキラ見えます?綺麗ですよね~!

  49. 宝蓮:

    このキラキラくらい残ってます………

  50. オードリー・ドリームウィーバー:

    真の美を追求するというのは、いつも楽しいのですが……今回は私たちの本業とは少々違いまして、

  51. オードリー・ドリームウィーバー:

    サムタイム、こうして本業に戻ってストレスを発散……あっ、いえ、自己実現をしているのですわ。

  52. オードリー・ドリームウィーバー:

    それはそうと、ふ~ん…

  53. 宝蓮:

    ワァ……

  54. T-60ブルガサリ:

    さすがね。やっぱり分かる?

  55. オードリー・ドリームウィーバー:

    やはりそうですか?他の方なら分かりませんが……

  56. 宝蓮:

    センスがいい方ならすぐに分かると思いますよ~?

    1. 何のこと?
  57. T-60ブルガサリ:

    司令官を私好みにコーディネートするって言ったでしょ?

  58. T-60ブルガサリ:

    今の司令官の格好、一目見ただけで私がコーディネートしたって分かるはずよ。

    1. そうか?
  59. T-60ブルガサリ:

    そうだ。今司令官が着てるやつのオーバーサイズなのはない?

  60. T-60ブルガサリ:

    それから髪は……パーマをかけたらもっとカッコイイかも!ここに分け目を入れて。できそう?

  61. 宝蓮:

    そんなの朝飯前ですよ~お任せください!さぁ、お兄さん、こちらへどうぞ~

  62. オードリー・ドリームウィーバー:

    ふふ~ん、どんなファッションをお望みなのか分かった気がしますわ。こちらのコーナーへどうぞ。

  63. 主人公:

    - そうしてブルガサリのリクエスト通り、宝蓮は俺の髪型を整え、オードリーは新しい服を作り始めた。

  64. 主人公:

    - 服屋を出たのはそれから1時間後だ。