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Transcription
- T-60ブルガサリ:
信じらんない!ダメって言ったのに!
- 主人公:
- 店を出ると、すっかり日が暮れて辺りは暗くなっていた。
- 主人公:
- ブルガサリはまだ怒っていて、帰り道でも俺を横目で睨んでいた。
- はは…
- T-60ブルガサリ:
笑い事じゃないわよ!
- T-60ブルガサリ:
「先に帰る」ってメモを見た時の私の気持ち、分かる!?
- T-60ブルガサリ:
も~当分は買い物に行けないじゃん……欲しい服いっぱいあったのに…
- 俺が買ってくるよ。
- T-60ブルガサリ:
結構です~!
- T-60ブルガサリ:
司令官があんなことしなければ、普通に買い物できたの!
他の子がいるのわかっててするんだもん……! - でも、ブルガサリも楽しんでたじゃん。
- T-60ブルガサリ:
それは……
- 主人公:
- 腕組みし、仁王立ちしたブルガサリはしばらく俺を見つめた。
- T-60ブルガサリ:
司令官が嬉しそうにするから……私も嬉しくなって。
- T-60ブルガサリ:
もちろんそれだけじゃなくて……ごにょごにょ……
- T-60ブルガサリ:
やっぱり外でああいうのは禁止よ。TPOを考えて行動して!ばか!
- T-60ブルガサリ:
これからはもうダメだからね?
- ブルガサリの言う通りだな。
- T-60ブルガサリ:
ん!わかったならよろし―
- 自分好みにコーディネートするってのがこんなにも楽しいとは!
- 主人公:
- プレゼントしたヘアピンを付けて、俺が好きな服を着てくれたブルガサリを
見て悟った…… - 主人公:
- 今日のデートは、ブルガサリも楽しかったに違いないと!
- 主人公:
- 俺をコーディネートするなんて本当に楽しいのか不安だったが、
ブルガサリの言葉は正しかった。 - ショッピングって楽しいな!
- T-60ブルガサリ:
話そらさないで。
- T-60ブルガサリ:
ていうか……本当に思ってるの?
- 思ってるよ。
- T-60ブルガサリ:
本当?ならよかった。
- 主人公:
- その言葉を聞いたブルガサリはやっと機嫌を直してくれたのか、
口角をあげてくれた。 - 主人公:
- 何となくさっきより軽い足取りで広場を歩いた。
- T-60ブルガサリ:
夕飯を一緒に食べて終わりにしようと思ったのに、閉まっちゃったね。残念。
- じゃあ俺の部屋で食べて帰る?
- T-60ブルガサリ:
だめよ、明日は仕事だし。
- ご飯だけ食べて帰って構わないから。
- T-60ブルガサリ:
お腹が空いてるから言ってるんじゃないの。
私が食べて美味しかったものを司令官に食べさせたかったの。 - T-60ブルガサリ:
あーあ……もっとたくさんやりたいことあったのに。
やっぱ一日じゃ時間が足りないわ。 - T-60ブルガサリ:
そうだ、さっき買ったドーナツ残ってる?
- 一つしか残ってないな。
- T-60ブルガサリ:
何が残ってる?
- これ。
- 主人公:
- ドーナツの箱の中身を見せると、ブルガサリは目を輝かせた。
- T-60ブルガサリ:
私が一番好きなやつね。
- 食べる?
- T-60ブルガサリ:
司令官が食べて。私はまた買えばいいから。
- でも…
- T-60ブルガサリ:
何してるの?早く食べてよ。
- 主人公:
- ブルガサリもそう言うので、おとなしくドーナツを一口食べた。
さっき食べたドーナツも美味かったが、こっちの方が俺の好みだった。 - うん、美味い。
- T-60ブルガサリ:
でしょ?美味しいって言ったじゃない。
- T-60ブルガサリ:
私が一番好きな味だから、司令官もきっと好きだって思ったんだ。
- 主人公:
- 嬉しそうに笑うブルガサリと俺は、しばらく歩幅を合わせてゆっくりと歩いた。
- 主人公:
- 気付けば、ずいぶんと時間が経っていた。
いつもの歩く速度ならとっくに部屋に戻っていてもおかしくない。 - 主人公:
- 俺たちはたまにベンチに座って話したり、広場を散歩したりして
時間を過ごした。もう帰らないといけない時間なのにどうしても名残惜しかった。 - 主人公:
- 明日、ブルガサリの仕事がなければ夜通し一緒にいただろうが……
今日はこの辺で終わりにしなければ。 - ……着いたな。
- T-60ブルガサリ:
そうね。
- ……
- T-60ブルガサリ:
……
- T-60ブルガサリ:
司令官。
- うん。
- T-60ブルガサリ:
私、週末なら時間があるの。
- T-60ブルガサリ:
司令官は忙しい?
- いや、特に予定はないはず。
- T-60ブルガサリ:
だったら週末にまた会わない?その時なら夜もずっと一緒にいられると思う。
- 困ったな。
- T-60ブルガサリ:
……どうして?
- 今から楽しみ。
- T-60ブルガサリ:
もうっ、ふざけないでよ。
- 主人公:
- つっけんどんに言うが、ブルガサリは嬉しそうに笑っていた。
- T-60ブルガサリ:
気を付けて帰ってね。じゃあ……またね。
- うん。また……週末に。
- 主人公:
- 俺は手を振ってブルガサリに背を向けた。
- 主人公:
- ―その時。
- T-60ブルガサリ:
司令官!
- 主人公:
- その声に振り返った瞬間、ブルガサリの顔がすぐ目の前にあった。
- 主人公:
- そして、いたずらっぽく俺を見上げていると思ったら、
- 主人公:
- ブルガサリの唇の柔らかさを、もう一度確認させられた。
- 主人公:
- 長くて短い時は過ぎ、一歩後ろに下がったブルガサリは指で唇をなぞると、
そっと頷いた。 - T-60ブルガサリ:
うん、やっぱりね。
- 何が?
- T-60ブルガサリ:
私の一番好きな味がする。司令官にあげてよかった。
- だから俺に食べさせたのか?
- T-60ブルガサリ:
さぁね~?答えは週末ね。
- T-60ブルガサリ:
じゃあもう本当に行くね。またね、司令官。へへへ!
- 主人公:
- 俺が返事をする暇も与えないまま、ブルガサリは足早に帰っていった。
- 主人公:
- その帰り、俺は一人で広場のベンチに腰掛けた。
- なんだか、あついな。
- 主人公:
- しばらく俺の顔は熱かった……