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Transcription
- 主人公:
- 約束の場所に行くと、ダイカが大きな荷物を隣に置いてベンチに座っていた。
- 主人公:
- ふと悪戯しようと思って、気配を殺してダイカに近づき、隣に座った。
- 37式ダイカ:
……
- 主人公:
- そっと手を伸ばし、ダイカの手を握った。
- 37式ダイカ:
ふふ。
- 主人公:
- するとダイカは目を開けてこちらを見た。
- 37式ダイカ:
こんにちは。司令官。
- お待たせ、ダイカ。何してた?
- 37式ダイカ:
音を聞いていました。
- 音?
- 37式ダイカ:
はい、百聞は一見に如かず……あ、これはちょっと違いますね。
- 37式ダイカ:
一緒に聞きますか?
- 主人公:
- ダイカに言われた通り、ダイカの手を握ったまま目を閉じた。
そして、耳を澄ます。 - 主人公:
- 送風装置と空調が作り出した風に森の木々が揺れる音が聞こえた。
- 主人公:
- それから、隊員たちの声。
- 主人公:
- 工事の音、出店で呼び込みする声、楽しげな話し声、足音、跳ねたりする音、
歌声、笑い声。 - 主人公:
- そしてダイカの声。
- 37式ダイカ:
昔の世界は今よりもずっと……索漠としていました。
- 37式ダイカ:
聞こえる音といえば……戦争の音……爆発の音。
- 37式ダイカ:
戦闘の合間に仲間同士でする会話も……戦闘のことだったり……
どこの部隊が壊滅したとかそんな話ばかりでした。 - 37式ダイカ:
戦って生き残ることだけがすべての人生……
- 37式ダイカ:
ですが今は……
- 37式ダイカ:
ふふ。
- 主人公:
- そう言うダイカはとても幸せそうだった。
- 37式ダイカ:
ひと時の平和ではありますが……昔の私からすればこのようなこと……
夢のまた夢でした。 - 37式ダイカ:
すべて……誰かさんのおかげなのです。
- 主人公:
- 目を開けて隣を見ると、ダイカが俺を見つめていた。
- 主人公:
- その熱のこもった視線を受けていると、俺は恥ずかしくなって、
そっと視線と話題を逸らした。 - そういえばその荷物は?
- 37式ダイカ:
私が用意したお昼のお弁当とデザート……です。
- 主人公:
- 俺はダイカの荷物をもう一度見た。
- 主人公:
- パッと見ても相当な量だ……。
重さは分からないが、デート中にあれをずっと持ち歩くのは大変なはずだ。 - じゃあちょっと早めにお昼にしようか?
- 37式ダイカ:
もうですか?
- お腹が空いた。
- 主人公:
- 俺たちは早めの昼食を食べることにした。
- 主人公:
- ダイカが用意してくれたお弁当はとても豪華だった。
それに、単に量が多いだけでなく種類も豊富だ。 - わ~!作るの大変だったろ?
- 37式ダイカ:
そんなことないですよ。
- いや、絶対大変だったと思う。
- 主人公:
- 昔、俺が食堂の茶わん蒸しを卵フライにしようと提案したら、
匿名でクレームを受けたことがあった。その時に実際の作り方を勉強して、 改めて料理の大変さというものを知った。 - 主人公:
- これを作るのも相当な時間がかかったに違いない。
- いただきます。
- 主人公:
- おかずの一つをパクリと頬張る。
- 美味しい!
- 主人公:
- 思わず叫んでしまった。
- 主人公:
- ソワンのおかげで色々と美味いものを食べてきた俺だったが、
ダイカの料理もかなり美味しかった。 - 主人公:
- 早めの昼食だったのも忘れて瞬く間に完食してしまった。
- ごちそうさま、ダイカ。
- 37式ダイカ:
お粗末様でした。
- 37式ダイカ:
お茶でもいかがですか?温かいものと冷たいもの、どちらにいたしましょう?
- じゃあ冷たいので。
- 主人公:
- ダイカは茶器を取り出すと、お茶を淹れてくれた。
- 主人公:
- ダイカのお茶を淹れる姿はとても端正で美しく、
まるで何かの芸術を見ているようだった。 - 37式ダイカ:
大したものではありませんが……どうぞ。
- 主人公:
- 姿勢を正した方がいい気がして焦ったが、
そんな俺を見たダイカは穏やかな笑みを浮かべた。 - 37式ダイカ:
ふふ、作法とかありませんから、気にしなくて大丈夫ですよ……
楽に飲んでください、司令官。 - 主人公:
- ダイカに言われ、お茶を飲みながらお菓子を食べた。
- 主人公:
- お菓子もお弁当に負けず劣らず美味しかった。
- ダイカがこんなに料理が上手だったとは知らなかったよ。
- 37式ダイカ:
そんな風に褒められたら……どうしたらいいか分からなくなります。
- 主人公:
- ダイカは顔を赤くして視線を逸らしたが、とても嬉しそうだった。