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Transcription
- 主人公:
- 今日はデート中、ずっと違和感を感じていた。
- 主人公:
- 以前、楽園で感じたような違和感とは違う……。
- 主人公:
- あんなスケールが大きなものではなく、もっと小さな違和感……。
もちろん危険は感じないし…… - ダイカ。
- 37式ダイカ:
はい、司令官。
- 今日のデートなんだけど……
- 37式ダイカ:
……はい。
- あからさまに“良い事”しかなかった。
- 37式ダイカ:
……
- 主人公:
- どこに行ってもお似合いだと褒められ、何かにつけておまけをくれたり、
サービスされたり……タイミングよく体が触れ合うアクシデントが起きたり…… - 主人公:
- デート中、都合が良すぎた。明らかに誰かの意思を感じた……
- 主人公:
- そして、その誰かというのは……
- 全部ダイカが頼んでたんだろ?
- 37式ダイカ:
……はい。
- 主人公:
- ダイカは隠すことなく、素直に認めた。
- 主人公:
- 表情は淡々としていたが……彼女の体は震えていた。
- 37式ダイカ:
すみません……司令官を騙すようなことをしてしまいました……
- どうしてこんなことをしたのか聞いてもいい?
- 37式ダイカ:
……お慕いしているから……というのが答え…………にはなりませんよね?
- 主人公:
- ダイカはひとつ深呼吸をして話し始めた。
- 37式ダイカ:
自信が……ありませんでした。
- 37式ダイカ:
私はこれまで……こんな恋人がするようなことはしたことがありません。
だからどういうものか分かっていても、どうしても自信が持てませんでした。 - 37式ダイカ:
でも、この機会を逃せば、次にデートできるのはずっと先……
- 37式ダイカ:
そう思った私は……
- 37式ダイカ:
このデートで私のことを心から好きになってほしいと思いました。
- 37式ダイカ:
好きになってもらうなら、ここまでしなければならないと……思いました。
- 37式ダイカ:
私は確かに、あなたから愛を何度もいただきました。
- 37式ダイカ:
……ですが……今回のデート抽選会の話を聞いた時、気付いたんです。
- 37式ダイカ:
私は好き合っている者同士がすることをせずに愛だけを先に頂いたんだ……
おかしなことを言っているのは承知しています。 - 37式ダイカ:
ですが、急に不安になってきたのです……。好かれているのかと……
私と同じ……“好き”の気持ちを持ってくれているのかと…… - 37式ダイカ:
だから……色々な人に……協力してもらいました。
- 37式ダイカ:
司令官と私の相性が良いと占うよう……頼みました……
- 37式ダイカ:
司令官が私のことを好きだと意識させるような状況を……作ってもらいました。
- 37式ダイカ:
私といれば…いい雰囲気になって……そんな中、皆さんからお似合いだと
言われれば……私のことを好きになってもらえる……そう思ったのです…… - 37式ダイカ:
申し訳ありません……不愉快ですよね。こんな邪なことをする女……
- 37式ダイカ:
…バイオロイドなんかが……人間様に……体だけではなく、
心から好かれたいだなんて…… - 37式ダイカ:
愚か……ですよね……?
- 主人公:
- ダイカの問いに、俺は行動で答えることにした。
- 37式ダイカ:
っ……!
- 主人公:
- 俺はダイカの唇にキスをした。
- 主人公:
- しばらくして唇を離すと、ダイカは俺を見つめていた。
- 不愉快なわけないだろ。
- 主人公:
- すると、少し遅れてダイカの顔は一気に赤くなった。
- ダイカがそれだけ俺に本気だってことだろ?
- 主人公:
- ダイカの体の震えもいつの間にか止まっていた。
- 誰かに迷惑をかけたわけじゃないんだろ?
- 37式ダイカ:
そんなことはしていません。
- 主人公:
- ダイカはハッキリと言い切った。
- 分かってるよ。だから不愉快なんかにはならないよ。
- 主人公:
- ダイカの手を握ると温かかった。
- こんなことしなくても俺は……
- 37式ダイカ:
はい…こんなことをしなくても、好きだと言ってくださることは分かっています。
ですが、違うんです。 - 違う?
- 37式ダイカ:
私と違って、メイ隊長とナイトエンジェル大佐は……長い間、司令官の愛を
受けることはありませんでしたが、あの方たちの中ではしっかりと時間をかけて 育まれた通じ合う愛がありました。 - 37式ダイカ:
ですが、私はお二人のように愛を育む前に愛を頂きました……。
だから……私だけが、愛を押しつけているのではないかと…… 心のどこかで思っていたんです。 - 主人公:
- あの二人に関しては俺にも責任がある。
長い間仲間として、隊員として、信じ合う関係が続いた。 でも、俺はダイカのことも同じように…… - 主人公:
- いや、違う、俺が同じように愛すると分かっているからこそ、
俺の“好き”の気持ちが分からなくなったんだ…… - 37式ダイカ:
お二人がついに…司令官と愛を分かち合えたと聞いた時……
心から嬉しかったです…… - 37式ダイカ:
ですが、私はその時からなんとなく感じていたんだと思います。
私とは違う、お二人の司令官との通じ合う愛を…… - 37式ダイカ:
だから……司令官……聞かせてください……
- …………
- 37式ダイカ:
今日のデートで、私のことを好きになってくださいましたか?
- 俺はずっと前から君のことが好きだよ。
- 主人公:
- ダイカはその言葉を体に染み込ませるように、目を閉じ、深呼吸をした。
- 37式ダイカ:
私からも言わせてください……司令官……。
- 37式ダイカ:
私も……
- 37式ダイカ:
初めて出会った時から……
- 37式ダイカ:
あなたのことが好きでした。そして、愛しています。
- 主人公:
- ダイカは目を潤ませて、必死に愛を告白してくれた。
それに対する言葉はさっき口にした。だから…… - 主人公:
- もう行動で答えるしか、それ以上の気持ちを表現できなかった。
- 37式ダイカ:
司令官……
- 37式ダイカ:
……隠しますので……どうか……愛してください……
- 主人公:
- ダイカを抱き寄せ、唇を重ねた。
- 主人公:
- 彼女の知っている どの口づけよりもさらに深く……
- 主人公:
- そして、俺は……俺の“好き”をしっかりと分からせるため、
ダイカを俺の部屋へ連れて行った。