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Transcription
- 主人公:
- ゲームセンターにやって来た。
- 主人公:
- フリッガはゲームセンターが初めてなのか、物珍しそうに
あちこちを見ていた。 - 主人公:
- 俺はよく来ているが、あるものを探してキョロキョロしていた。
- 主人公:
- 普段は特に関心がなかったから探すのに時間はかかったが、
目的のものが見つかった。 - 主人公:
- パンチマシーン。
- 主人公:
- 滅亡前のゲーム機で、主に男たちがパンチマシーンのスコアで
男らしさを競っているのを、映像で見たことがある。 - 主人公:
- こんなもので男らしさが決まってたまるかという思いもなくはなかったが、
滅亡前はそうだったのだから、仕方がない。 - フリッガ。
- フリッガ:
はい。
- パンチマシーンはやったことある?
- フリッガ:
いいえ、ゲームセンターに来たのも初めてですので。
- 主人公:
- フリッガにパンチマシーンの遊び方を教えてあげた。
- 主人公:
- 俺もパンチマシーンは初めてだったが、プレイしているのを見たことがあり、
やり方は分かっているつもりだ。見たままだし…… - 俺がやるのを見てな。
- 主人公:
- 大きく息を吸い、力の限りパンチを繰り出した!
- 主人公:
- ドスン!という音と同時にパンチマシーンのスコアが表示された。
- 主人公:
- 結果は9814点。
- 主人公:
- お?4桁までしかないから最高スコアに近いはずだ。
- フリッガ:
すごいです、ご主人様。
- 主人公:
- フリッガが拍手し、褒めてくれた。
- ふふーん!これくらい朝飯前だから!
- 主人公:
- つい有頂天になってしまった俺は……
- フリッガもやってみる?
- 主人公:
- フリッガに勧めてしまった。
- フリッガ:
では……
- 主人公:
- フリッガはパンチマシーンの前に立ち、呼吸を整えると……
- フリッガ:
フンッ!
- 主人公:
- いいパンチが繰り出され……
- 主人公:
- パァァァァァァァン!!!!!!!
- (ビクッ!!!)
- 主人公:
- パンチマシーンが粉々になった。
- 主人公:
- 俺は木端微塵になったパンチマシーンの前でしばらく固まっていた。
- 主人公:
- 俺はもう訳が分からなくなり、「もう一回やろっか」と
おかしなことを言いかけた瞬間…… - トモ:
誰!?誰がやったの!?何!?今の大きな音!?
- 主人公:
- ゲームセンターで働いているトモが慌てて走って来たので俺はすぐに謝った。
- すみません。
- 主人公:
- トモは完全破壊されたパンチマシーンを見て、しばらく茫然とした後、
俺の方を向いて叫んだ。 - トモ:
ゲームセンターのエッチケットはよく分かってる人でしょ!!!
- …すみません。
- トモ:
司令官の力は世界を救う力でしょ!!なんで物を壊すのに使うのよ!!
- フリッガ:
あ……トモさん。
- トモ:
ちょっと待ってて!力の加減も出来ないおバカさんをお説教するんだから!
- フリッガ:
…そのお説教を受けるおバカさんは……私です。
- トモ:
……
- フリッガ:
私が……壊しました……すみません……
- トモ:
……
- トモ:
生きてれば色んなことがあるものだよ。ストレス……溜まってたんだね。
- 俺と扱い違くない?
- トモ:
胸に耳を当てて考えてみて。
- 誰の胸に?
- トモ:
……
- フリッガ:
……
- 主人公:
- ……あっ、俺の胸に手をね……
- トモ:
スチールラインアーケードがリリースされた時、
一人で何時間もゲーム機 占領してたじゃん。 - いや、それは俺が連勝したから……
- トモ:
カラオケに行ったら定員オーバーなのに無理矢理入って歌ってたし!!
- あれはみんなが一緒に歌いたいって言うから…
- トモ:
ゲームのバグを発見した時も、何食わぬ顔でプレイしてみんなに教えてたよね!
- だからあれは違うって!みんなが勝手に真似しただけ。
- トモ:
この前なんて脱出ゲームの最中に淫乱行為麻酔で追い出されてたじゃん!
- …それは本当に申し訳ありませんでした…
- 主人公:
- 俺は男らしく言い訳はせず、トモの叱責を素直に受け止めた。
- 主人公:
- …………悔しくて泣いちゃいそうだ。
- 主人公:
- でも俺は絶対にバブらない!
- フリッガ:
- ご主人様と一緒にゲームセンターという所に行った。
- フリッガ:
- そこはまさに別世界だった。
- フリッガ:
- 生まれて初めて来たゲームセンター、私は何をしたらいいの…?
- ご主人様:
パンチマシーンはやったことある?
- フリッガ:
- ご主人様は私でも出来そうなゲームを勧めてくれた。
- フリッガ:
- ご主人様がまずお手本を見せてくれた。
私もそれが嬉しくて全身の力を振り絞り、拳を叩きつけた。 - フリッガ:
- そしたら、マシーンが粉々になってしまった……。
- フリッガ:
- どうしたらいいのかわからず茫然としていると、
トモさんが犯人探しを始めてしまって……。 - フリッガ:
- でも、すぐにご主人様が謝ってくれた……
- フリッガ:
- 私のせいなのに……
- フリッガ:
- トモさんに私がやったと説明して許してもらったけど、
ご主人様に濡れ衣を着せてしまったのが申し訳なくて… ……少し落ち込んでしまった。 - フリッガ:
- でも……そんな私にご主人様は素敵な笑顔で他のゲームのやり方を教えてくれた。
- フリッガ:
- 初めてのゲームセンターはすごく楽しかった……
- フリッガ:
- でも、これは間違いなく……ご主人様と一緒だったから。
- フリッガ:
- ご主人様と一緒だったら、どこに行っても楽しくて幸せなんだって思える。
- フリッガ:
- あっ……覚悟が揺らいでる……。
- フリッガ:
- でも……それでも私は……母熊になってみせる。
- フリッガ:
自分のために……そして……
- フリッガ:
ご主人様のために。