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Transcription
- 主人公:
- 俺の男らしさをアピールするという作戦は見事に上手くいかなかった……
- このままじゃ俺は……ば、ばぶ……
- フリッガ:
はい?
- いや……なんでもない。
- 主人公:
- フリッガが俺の顔を覗き込んできた。
- 主人公:
- そして、服を着替えた後も何故かまだ持っている哺乳瓶が目に入った。
- 主人公:
- フリッガからは確実に俺をバブらせるという覚悟を感じた……
あぁ……俺はバブってしまうのか…… - 主人公:
- 今までありがとう俺の“威厳”……お前と戦えたこと誇りに思うよ……
でも、もうダメみたいだ…… - 主人公:
- …よく考えてみれば、そこまで俺に威厳があるわけではなかったが……
せめて情けない泣き声だけは出さないようにしよう…… - フリッガ:
あの……ご主人様?
- ばぶ?んあ!あ、うん。どうした?
- フリッガ:
あの……
- 主人公:
- フリッガは少し躊躇った後、両腕を広げた。
- フリッガ:
私を……抱きしめてください。
- 主人公:
- その時が来た。
- 主人公:
- 威厳を失おうとも、仕事はちゃんとする赤ちゃんになろうと思う。
これから色んな赤ちゃんプレイを知ることになっても…仕事だけはしっかりと… - 主人公:
- そう覚悟を固めていると……俺は何かおかしいことに気が付いた。
- 主人公:
- フリッガは「抱っこしてあげますね~」ではなく
「抱きしめてください。」と言った。 - 主人公:
- 同じようで全然違う……。
- 主人公:
- そこに一縷の望みを賭けてフリッガを抱きしめた……。
- フリッガ:
ふう。
- 主人公:
- 抱きしめたフリッガの体は驚くほど冷たかった。
- 主人公:
- そして、微かに震えていた。
- 主人公:
- オルカの隊員の中で、体の大きさだけなら五本の指に入るフリッガが
今はとてつもなく小さく感じた。 - フリッガ:
ご主人様。
- うん。
- フリッガ:
すみません。
- 何が?
- フリッガ:
……
- 主人公:
- フリッガは少し沈黙した後、おそるおそる話し始めた。
- フリッガ:
ご主人様は私にとって、この上なく大切なお方です。
- フリッガ:
保護の対象であり、お世話をし、お仕えしなければならないお方です。
- フリッガ:
それだけで……私は十分でした……
- フリッガ:
なのに……私はご主人様の護衛なのに……
- フリッガ:
いつからか、それだけでは満足できなくなってしまいました。
- フリッガ:
いつもご主人様のことを目で追いかけてしまって、
ご主人様のことをいつも考えてしまう…… - フリッガ:
こうなってからは、まともに仕事ができなくなりました……
- フリッガ:
この感情が何なのか……分かっているくせに……
無理矢理知らないフリをしていました。 - フリッガ:
そしてそのうち……自分の感情を制御できなくなってしまって。
- フリッガ:
今日のデートでこの想いを正そうと思っていたのに……
- フリッガ:
そのような考え自体がバカだったんです。
- フリッガ:
今回のご主人様とのデートを通して、私のこの想いは説明できないほどに
強まって……もう抑えきれなくなってしまいました。 - 主人公:
- フリッガは荒く呼吸をしながら、自分の想いを吐き出した。
- フリッガ:
愛しています……
- フリッガ:
愛してます……
- フリッガ:
愛してしまって……申し訳ございません。
- フリッガ:
……ご主人様のおそばにいるだけで……よかったのに……
- フリッガ:
ご主人様をお守りして……お世話できるだけでよかったのに……
- フリッガ:
今は……それ以上を望むようになってしまいました。
- フリッガ:
私は……ご主人様を愛しているのと同じくらい……ご主人様に愛されたい……。
- フリッガ:
申し訳ございません……
- フリッガ:
愛してしまって……申し訳ございません。
- フリッガ:
私を……愛してください。
- 主人公:
- 俺の肩がしっとりと濡れた。
- 主人公:
- 常に最前線に立ち、敵の攻撃から俺や仲間たちを守ってくれる
フリッガが泣いていた。 - 主人公:
- 俺を愛してしまったことを罪だと感じて。
- 主人公:
- 俺に愛されたくて。
- 主人公:
- 俺のせいで。
- 主人公:
- 俺は今日一日何をしていた……?
- 主人公:
- フリッガの考えを勝手に決めつけて、自分勝手に行動した。
- 主人公:
- フリッガが真剣に悩んでいたのに、俺はバカみたいなことで頭がいっぱいで…
フリッガのことを全く考えていなかった。 - 主人公:
- 男らしさというものが何なのか結局分からなかったが、
今日俺がフリッガにしてしまったことは決して男らしくなかった。 - 主人公:
- いや、下らないことに夢中になって、大切な人の心を見失っていた。
- 主人公:
- 今俺がすべき行動は一つだろう。
- 愛してる、フリッガ。
- 主人公:
- フリッガの想いに、真剣に応えること。
- 主人公:
- 慰めなんかじゃない……本当の俺の想いで。
- フリッガ:
ご主じ―んむっ!?
- 主人公:
- 言葉よりも行動で。
- 主人公:
- 千の言葉よりも、口づけで。
- 主人公:
- 確実に想いが伝わるよう、長く、長く……
- 主人公:
- キスの間にフリッガの震えは収まって、しばらくして口を離した。
- 主人公:
- フリッガと俺はそっと見つめ合う。
- 主人公:
- フリッガの頬にはまだ涙が伝っていたが、もう悲しさの涙ではなかった。
- フリッガ:
あの……ご主人様?
- うん。
- フリッガ:
ありがとうございます。私が愛することを許してくださって……
- フリッガ:
そして私を愛してくださって……
- フリッガ:
私の中のご主人様をお守りしたいという想い、お世話したいという想い、
愛したいという想い……それぞれが分けられるものではなく、 一緒なんだ……って気が付くことができました。 - フリッガ:
あ……それから……私にできる最高の愛情表現がこれだということも……
- 主人公:
- フリッガは何故か言葉を濁す。
- 主人公:
- すると……フリッガは持っていた哺乳瓶を軽く上げて、俺に見せた。
- フリッガ:
ご主人様、私に甘えてくださいませんか?
- 主人公:
- 俺は男らしさが何なのか……まだよく分かっていない。
- 主人公:
- それがいい事なのか、悪い事なのかすら分からない。
- 主人公:
- しかし、男らしさがいい事だとして、それをまだ見せつけたいのなら……
- 主人公:
- 俺を愛し、俺が愛する女性の望みを叶えてあげる“覚悟”が必要だと思う。
- 主人公:
- いや、“覚悟”という表現は、相手の望みを否定的に感じている印象が
あるので訂正しよう! - 主人公:
- 楽しむ“準備”が必要だ!
- おんぎゃあ!
- 主人公:
- これが……この一言が……俺の男らしさ!!!