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Transcription
- 主人公:
- 箱舟内を歩いていると……
- フリッガ:
エルブンミルクはいかがですか?
体に良くて美味しいエルブンミルクはいかがですか? - フリッガ:
皆さんもエルブンミルクを飲んで、私のような健康で丈夫な体になりましょう。
- 主人公:
- エルブンミルクのプロモーション活動をしているフリッガの姿が見えた。
- 主人公:
- 何故だか分からないが、フリッガがプロモーションに加わってから
エルブンミルクが爆売れしたそうだ。 - 主人公:
- 何故だか分からないが……
- 主人公:
- そして何故かポイがフリッガを威嚇しながら
エルブンミルクを受け取っている…… - 主人公:
- 何故だか……分からないが……
- フリッガ:
本日はご好評いただきまして完売です。ありがとうございました~、皆さん。
- 主人公:
- フリッガが仕事を終えて後片付けをしていると、チビッ子たちがやってきた。
- 主人公:
- フリッガから今日は完売だと聞いたチビッ子たちはガッカリしている様子だ。
するとフリッガはしばらく考え込んで…… - フリッガ:
ちょっと待ってくださいね。
- 主人公:
- ……と言って、どこかへ行ってしまった。
- 主人公:
(しばらくして)
- フリッガ:
私が飲もうと思って残しておいたエルブンミルクがありました~。
- 主人公:
- そう言ってフリッガはエルブンミルクをチビッ子たちに飲ませてあげた。
- フリッガ:
ふふ。また来てくださいね。
- 主人公:
- フリッガは母のように笑いながらその子たちを抱き寄せていた。
- 主人公:
- 集まっていた隊員たちがいなくなり、後片付けの続きをするフリッガの
もとへと近づいた。 - フリッガ。
- フリッガ:
ご主人様!
- 手伝うよ。
- フリッガ:
だ、大丈夫です。私一人でできます。
- 手伝いたいんだ。
- フリッガ:
ありがとう……ございます。
- 主人公:
- 二人で片付けたおかげで早く終わり、ベンチに座って休んだ。
- フリッガ、最近大活躍らしいな?
- 主人公:
- 実際、最近の彼女の仕事ぶりは目を見張るものがあった。
- 主人公:
- 俺とデートした後から……
- フリッガ:
ふふ、照れちゃいます。
- 主人公:
- 顔を赤くして恥ずかしそうだったが、嬉しそうでもあった。
- ご褒美とまではいかなくても、何かしてほしいことはある?
- 主人公:
- 俺が言うと、フリッガはしばらく考え込んで周囲を見渡した。
- 主人公:
- 周りに誰もいないことを確認すると、フリッガは口を開いた。
- フリッガ:
ふふ。抱きしめてください、ご主人様。
- 主人公:
- “抱かせてくれ”ではなくて“抱きしめてくれ”か。
- 主人公:
- 些細なようで、この違いは大きい。
- 主人公:
- 俺は彼女の望み通りに抱きしめてあげた。
- フリッガ:
誰かを抱きしめることも幸せですが、誰かに抱きしめられるのも……幸せですね。
- 主人公:
- 客観的に見れば抱くのも抱かれるのも変わらないが、
彼女が感じている感情は違うはず。 - フリッガ:
あの……ご主人様……
- フリッガ:
私が…甘えて…みてもいい……ですか?
- うん、いいよ。
- 主人公:
- 普段はみんなを見守り、母性溢れる姿を見せる彼女が俺に甘えている。
- 主人公:
- その姿はこれ以上ないほどに愛らしかった。
- 主人公:
- いや、普段のフリッガも愛らしいか。
- フリッガ:
愛してます……ご主人様。
- 主人公:
- フリッガはそう耳元で囁いた。
- 主人公:
- だから俺は返事の代わりに、彼女をさらに強く抱きしめたのだった。
男らしく―